「世界が注目するアニメ制作スタジオが切り開く未来」
Vol.10 マッドハウス
世界からの注目が今まで以上に高まっている日本アニメ。実際に制作しているアニメスタジオに、制作へ懸ける思いやアニメ制作の裏話を含めたインタビューを敢行しました。アニメ情報サイト「アニメ!アニメ!」、Facebook2,000万人登録「Tokyo Otaku Mode」、中国語圏大手の「Bahamut」など、世界中のアニメニュースサイトが連携した大型企画になります。
全インタビューはこちらからご覧ください。
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マッドハウス代表作:『幻魔大戦』『妖獣都市』『千年女優』『ギャラクシーエンジェル』『カードキャプターさくら』『DEATH NOTE』『ちはやふる』『デス・パレード』など。
国内のみならず、世界に通用する作品を作り続けてきた制作スタジオ、マッドハウス。その魅力と活力の源はどこにあるのか。2018年に話題となり大ヒットした『宇宙(そら)よりも遠い場所』を送り出した中本健二プロデューサーといしづかあつこ監督に話を聞いた。
[取材・構成=藤津亮太]
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――マッドハウスに入る前に、おふたりはマッドハウスにどんなイメージを持っていましたか?
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中本
自分はそれほどアニメに詳しいわけではなかったんですが、就職の時にちょっと1回アニメをやってみようと思ってマッドハウスを受けたんです。
その時は川尻善昭監督の作品(『獣兵衛忍風帖』ほか)を作っている会社ぐらいのイメージでした。だから面接に来た時に、会社のドアに結構好きで見ていた『あずきちゃん』のポスターが貼ってあるのを見て「なんであずきちゃんのポスターが貼ってあるんだろう」と思ったぐらいで(笑)。
その時に「アニメ会社は同時に複数の作品を動かしていて複数の監督がいる」という当たり前のことを認識しましたね。
そのころマッドハウスは、TVシリーズを多数制作し始めた時期で、それまでは特に定期採用などしていなかったらしいのですが、急に人手が必要になったこともあり、採用していただくことができました。
いしづか
実は当時私もアニメ会社って本当に知らなくて。就職活動中にアニメ制作を志すようになって、ようやくアニメ会社を調べ始めたのですが、自分が見たことのあるアニメのタイトルがジャンル問わずたくさん並んでいたのがマッドハウスなんですよ。
なので、作品の幅が広く、色々なことに挑戦できそうな会社というイメージを抱きました。
とはいえ、入ってみると、スタジオの特色やカラーみたいなものは確かにあるなと感じるようにはなりました。
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――マッドハウスのカラーというのはどういう感じでしょうか。
いしづか
色んな作品を見比べるようになってわかってきたのは、マッドハウスの作品って“絵が濃い”んだなと。その分、対象年齢がかなり上までいける。
そういう濃密な画作りを得意としていることが、海外受けにもつながっている。そういうのは入ってから初めて知ったことですけれど。
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中本
多くのアニメ会社はある一定の色みたいなものがあると思うのですが、マッドハウスは、大人向けもやれば子供向けもやる、TVもやれば劇場作品もやる、ギャグものもやればシリアスなドラマもやる、という多種多様な会社なんです。
「これ、面白いな」と思ったら、まずはやってみようという気質は、昔から今でもマッドハウスに根付いてる感じがします。
そんなふうに間口が広くて歴史もあるので、どなたもきっと人生で1作品ぐらいはマッドハウスの作品をご覧になってくださったり、どれかは好きになっていただけているのではないかなと思います。