マッドハウスの作品はなぜ海外からも人気? 「よりもい」いしづか監督&中本Pに聞く【インタビュー】
国内のみならず、世界に通用する作品を作り続けてきた制作スタジオ、マッドハウス。その魅力と活力の源はどこにあるのか。2018年に話題となり大ヒットした『宇宙(そら)よりも遠い場所』を送り出した中本健二プロデューサーといしづかあつこ監督に話を聞いた。
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いしづか
マッドハウスが、演出家にとって良い修業の場であることは間違いないと思います。
そもそもスタジオの作品への取り組み方というのが、中本さんがおっしゃっていた通り、「楽しいものをちゃんと作る」「面白いものを世に出したい」というものなんですね。
そうなると、その作品をより魅力的に見せる手法というものが求められ、それを持つはずの演出家の意見というのは尊重されることになる。
つまり演出家は人を楽しませるということのスペシャリストでなければならないんですね。
そして意見が尊重される分、責任も増しますし、スタッフを率いる力も求められることになります。
集団作業における統率者としてのスキルと、エンターテインメントを追求するクリエイターとしての才能、その両方が磨かれる現場だと思います。
――マッドハウスという会社って「大きい」と感じますか? それとも「小さい」と感じますか?
中本
うーん、どうでしょう。実際勤めていると自分ではよくわからないですけど、特別大きいと思ったこともないですし、そこまで小さいと思ったこともないので中ぐらい?(笑)
いしづか
(笑)。ただ、社内にいる人たちはなんやかんやで、自然と顔を合わせるぐらいのサイズではあるんですよね。よほど人嫌いでなければ、誰かとは自然と接点ができるでしょうし。
中本
作品ごとに部屋を分けるスタジオさんもあるんですが、うちの場合はみんな同じフロアにいるんですよ。
制作もスタッフも、どの作品も同じフロアにいるので、そこがまとまり感にも繋がっているかもしれないですね。
いしづか
場所によっては、自分の隣の席の人が別作品をやっていたりすることもあるんです。
あまり考えたことはなかったんですけど、そういう意味でも、うちは風通しがいいのかもしれないですね。
中本
僕が入社した時、会社は阿佐ヶ谷にあったんです。その時も似たような作りでしたけどあのビルは特によかったですね。天井が高かったし、ぐるっとフロア内を一周できる作りになっていてより風通しが良かったんです。
だからちょっと用がある時なんか、わざわざぐるーっと社内を一周するようにしてましたね。そうすると、誰がどんなサイクルでいつ何をしているとか色々なものが見えてくるんです。
今はワンフロアなのは良いんですけれど、ぐるっと一周できないんですよね。
いしづか
今は通り道がコの字になっていますからね。
《藤津亮太》
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