マッドハウスの作品はなぜ海外からも人気? 「よりもい」いしづか監督&中本Pに聞く【インタビュー】
国内のみならず、世界に通用する作品を作り続けてきた制作スタジオ、マッドハウス。その魅力と活力の源はどこにあるのか。2018年に話題となり大ヒットした『宇宙(そら)よりも遠い場所』を送り出した中本健二プロデューサーといしづかあつこ監督に話を聞いた。
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いしづか
基本的にみんなそうだと思うんですよ。
中本
アニメを作るの自体はとっても大変なんですけど、やっぱりそうやって作った作品を観ていただいて「感動した!」とか「泣いた!」とか「良かった!」とか、そういう言葉をいただけるのが一番の喜びですね。
実際皆さんのそういう温かいコメントを拝見して、良いと思ってもらえてよかったと思うのと同時に、みんなの苦労が報われたことにホッとして自分が泣いたりすることもあります(笑)。
いしづか
視聴者の方は、貴重な時間とお金を使ってくださっているわけで、こちらとしてもそこで何かを得てほしいと思って作っています。
だから、それを得られました、というリアクションが返ってきた時に、本当にやってよかったと思います。
――海外も含めたファンの反響を実感することはありますか?
いしづか
海外だとアジアやアメリカ、ヨーロッパのイベントに参加したことがあります。
ビジネス上の数字の報告は聞くことがありますが、日常の中ではなかなか直接的な反響を耳にする機会がないので、海外を含めイベントではそれが体感できるのがうれしいです。
海外の方は表現が外交的なので、会うなりハグしてきそうなくらいラブがすごいですね。
もちろん、日本のファンの方たちも、いざ目の前でお会いするとラブ強いですよ。
日本人ってシャイだと思ってたけど、こんなに愛情表現できるんだっていうぐらい、本当に強く想いを伝えてくださるので。
そこは、国内だからとか、海外だからとかで熱量の差を感じることはないですね。
近年は海外のイベントでもコスプレは人気がありますね。特にナイスバディの女性が、ちょっと露出が多いキャラクターの格好、『ノーゲーム・ノーライフ』のステフとかジブリールとかしているとカッコいいなと思います(笑)。
――『ノーゲーム・ノーライフ』は海外でも人気があるそうですね。
(C)榎宮祐・株式会社KADOKAWA刊/ノーゲーム・ノーライフ ゼロ製作委員会
いしづか
そうなんですよ。『ノーゲーム・ノーライフ』はどの国に行ってもすごく人気があって、びっくりします。
「I●(ハートマーク)人類」のTシャツを着ている人も結構いたりして。ニートのゲーマーの兄妹が主役なのに、その感覚って海外でも分かるのかしら(笑)。
――最後にうかがいたいんですが、ファンの方から「ファンにできることはありませんか」という質問も届いています。SNS時代になって、ファンが制作者のために直接コミットしたいという機運は高まっている感触があります。
いしづか
たしかに、ファンの方の応援が一番の力になるので、「このアニメが好き」って、一言発信していただくだけで、すごくうれしくなりますね。
そうやって作品の魅力を世の中に広めていただくことが、次の作品を作るための重要なきっかけになったりもします。
今だと動画サイトでファンムービーを制作していたり、ファンのみなさんの活動も幅広くなったなと感じています。そうしたアクションひとつひとつが、私たちへの強い声援となり、モチベーションに繋がっています。
――このインタビュー企画は、ファンの方のスタジオあてのメッセージを集めてポスターにするという企画と連動しているんです。だとするとお役に立つ部分もありそうですね。
中本
直接交流とか何かできるのであれば、それはそれで励みにはなると思いますね。
国内、海外問わずお互いにとってプラスになるようなことができるとよいのかもしれません。
こういう企画はこちらでは想像の限界もあるので「是非こういうことをして欲しい!」などあれば、ファンの皆さんから是非教えていただければと思います。
皆さんの声援が僕たちの仕事の原動力です。
それと現実的な話をしますと、アニメ会社は制作予算の問題もあり経営はいつも苦しい状況に置かれています。マッドハウスと言えど例外ではありません。
そういったところでもより良い作品作り、環境改善のために何かご協力いただけることがあると大変助かるな、と常日頃思っています。こちらもアイディア絶賛募集中です!
いしづか
いろいろお話しましたけれど、感動したものは「感動した!」と声を大にして言っていただける限り、私は多分ずっと作り続けることができると思うんです。
だから、これからもずっと、みなさん思い思いの方法で応援を続けていただければ、うれしいですね。
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《藤津亮太》
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