「もっとわかるアニメビジネス」増田弘道氏の新刊発売に
「アニメビジネスがわかる」の続編ともいうべき書籍「もっとわかるアニメビジネス」(NTT出版)が、2011年8月末に発売された。
コラム・レビュー
書評
注目記事
-
2025年冬アニメ(1月クール)で一番良かった作品は? 3位「地縛少年花子くん2」、2位「メダリスト」、1位は4月から第2クールがスタートする…
-
異世界魔王の超無双スクールライフ「ラスボス少女アカリ」をピックアップ!【「ジャンプTOON」注目作レビュー/Vol.1】【PR]
専門家だけでなく、アニメ自体を知らない人にとっても理解しやすい構成は、アニメビジネスのスタンダードな一冊となっている。これまでにアニメビジネスを学ぶ多くの人が、手にとった本だろう。
その「アニメビジネスがわかる」の続編ともいうべき書籍「もっとわかるアニメビジネス」(NTT出版)が、2011年8月末に発売された。筆者は前作に引き続き増田弘道氏である。前著から4年、激しく動いたアニメビジネスの動きをフォローし、最新の情報と数字をまとめあげる。
過去10年でアニメをビジネスとして捉え、考えることが広り、それに関心を持つ人も増えている。アニメビジネスの仕組みや市場規模などに関する調査・レポートも増えている。
しかし、そうした調査・レポートの多くは、その性質上、アニメやアニメビジネスを断片的に取り上げ、ひとつの問題を深く切り込みがちである。全体的な動きを知るにはやや使い難いところがある。「もっとわかるアニメビジネス」は、アニメビジネスの大きな流れを捉えることに主眼が置かれており、前著と同様この分野のスタンダードな一冊となっている。
また、前著と異なる読みどころもある。2007年以降の動きをフォローするだけでなく、「アニメビジネスがわかる」ではあまり触れられなかった内容もカバーしているからだ。
そのひとつは、アニメビジネスの歴史だ。「アニメビジネスがわかる」は、現在進行形のビジネスの構造や仕組みの解説に主眼が置かれていたのに対し、「もっとわかるアニメビジネス」では日米のアニメビジネスの始まりから紐解く。過去から現在に至る道筋を理解することで、アニメビジネスの本質を知り、そして未来を見通すことが可能になっている。そうした意味でも、「もっとわかるアニメビジネス」は前著を補完する役割を果たしている。
「もっとわかるアニメビジネス」は、アニメのビジネスを理解するうえで是非押さえたい本である。そして、もし「アニメビジネスがわかる」が未読であれば、あわせて読むこと薦めたい。
[数土直志]
《animeanime》