オタク関連市場をテーマにふたつの調査レポートが発行
21世紀に入ってからコンテンツ市場への大きな関心が続いている。なかでもマニア向けのアニメ、マンガ、ゲーム、フィギュアといった市場は潜在的に巨大であり、安定市場であることからも注目は大きい。近年の電車男ブームやアキバブームなどもこうした関心を広げている
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ところがこうしたマニア市場、オタク市場は、定義が曖昧なうえ、一般市場と区分の不明瞭さや個別市場の重なりもあり、ほとんど調査されることもなくその実態はよく把握されていない。
そうしたなかでこれらの市場を正面から取り上げて分析する2つの調査レポートが相次いで刊行された。ひとつはゲーム関連市場の調査で定評のあるメディアクリエイトが、12月17日に発売したそのものズバリのタイトルの『オタク産業白書』である。
タイトルだけを見ると一般書籍とも間違えそうだが、実際にオタク市場と称されるマニア向けのエンタテインメント市場を幅広く、数字から詳細に分析している。さらに細分化した各市場の分析や動向などを調査している。
メディアクリエイトは、当初は別のタイトルも考えたというが、こうしたマニア向けの市場をうまく表現する言葉ないことからあえて市場のイメージが理解しやすい「オタク」の言葉をタイトルに選んだという。逆に言えば、それだけこれまでは実態のわかり難い市場だったといえるだろう。
内容はテレビアニメの放送から始まり、DVD・CDのパッケージ商品、マンガ・ラノベの出版コンテンツ、ゲームソフトにフィギュア・キャラクターグッズ、さらには同人誌などを取り上げている。こうした市場の動向と分析、さらに様々な視点からの業界動向を追った。
ゲームやキャラクターなど個別市場の調査レポートはこれまでもあったが、様々な市場を越えてテーマとして「オタク」を取り上げている点があたらしい。A4で184ページ、17800円となっている。専門家向けの調査報告書のため販売価格は安くないが、図書館などで目を通す機会もあるかもしれない。
もう1点は、ビジネス出版の日経BPのコンサルティング会社日経BPコンセルティングがまとめた「“コミックマーケット”研究」である。こちらは世界有数の巨大イベントコミックマーケットの来場者調査である。来場者への調査は1353人に及んでいる。
日経BPコンサルティングは、アニメやゲームなどの国内サブカルチャーのトレンドを引っ張るコミケファンに注目したとしている。さらにコミケの会場における行動パターンや嗜好を測定する定量データや数千件に及ぶコメントまで、エンターテイメント界が必要とするコアなマーケティング・データを収集した。
こちらはCD-ROMで5万2500円、さらに上記の調査にコミケに来ない人たち9179人のデータを加えた特別版は26万2500円となっている。
メディアクリエイト /http://m-create.com/
オタク産業白書 /http://m-create.com/publishing/otaku_2008.html
日経BPコンセルティング /http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/index.html
“コミックマーケット”研究
/http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/comike2007/index.html
《animeanime》