劇場版「タガタメ」ファンタジー世界で描くメカの魅力とは?「エスカフローネ」以来の挑戦となる河森正治に聞く【インタビュー】 2ページ目 | アニメ!アニメ!

劇場版「タガタメ」ファンタジー世界で描くメカの魅力とは?「エスカフローネ」以来の挑戦となる河森正治に聞く【インタビュー】

6月14日公開のアニメーション映画『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』より、河森正治総監督と高橋正典監督にインタビュー。ゲーム原作のアフターストーリーを描くというある種大胆なアプローチで、『タガタメ』の魅力をいかに表現しているのか? その内幕を話していただいた。

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『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』河森正治×高橋正典 インタビュー
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■ファンタジー世界で描くメカの魅力


『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』新場面写真(C)2019 FgG・gumi / Shoji Kawamori, Satelight
――本作は錬金術という要素が深く世界観に関わってきますが、こちらは以前から関心のあるテーマだったのでしょうか?

河森:もともと錬金術にすごく興味があったんです。ただ、錬金術をテーマとした作品は既に世の中にあるので、オリジナル作品を作るにはハードルが高い部分もありました。
そんな中で、『タガタメ』の世界をお借りすれば、自分のやりたいこともできるんじゃないかと思ったことも、今回総監督をお引き受けした理由の一つです。

また、錬金術とは言うものの、いわゆるスキルとしての錬金術というよりは、「魂の錬成」という人間が必ず通るものをサブテーマとして考えました。

高橋:魂の錬成に絡めて言うと、「“幻影兵”(ファントム:召喚される過去の偉人たち)は『タガタメ』の世界ではどういった立ち位置なのか?」ということが、カスミが召喚されたことで改めて深く掘り下げて行く展開になっています。
ゲームだと、「幻影兵はどこから来てどこへ行く存在なのか」というところまでは触れられていなかったので、そこを取り上げる良い機会かなと考えました。

――今作は「ファンタジーもの」ではありますが、メカも登場します。通常のSFやロボットアニメと違い、ファンタジーものならではのメカの挙動や演出を意識されたことはありますか?

『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』新場面写真(C)2019 FgG・gumi / Shoji Kawamori, Satelight
河森:ファンタジーのロボットものは『天空のエスカフローネ』以来になるのですが、SFやミリタリーものはどうしても空気抵抗や、敵の弾をどう避けるか、その世界にはレーダーがあるのか、といった現実の戦いをベースにして考える必要がある。

でも、ファンタジーだとある程度パッション重視で、「等身大の人間対巨大な敵」みたいな構造が取りやすいので、すごく描いていて楽しいんです。感情を表に出していくようなアクションができる。
そこは今回作業をしていて魅力的だと思ったところですね。

高橋:空を飛ぶことひとつとっても、説得力のある画面にするためにリアリティある動きを考えることはありますが、自由度が高いのがファンタジーの良いところですよね。
メカのアイデアに関しては、河森さんがスタイリングから動きまで素晴らしいものを出しているので、自分はそこに乗っかって、さらにブラッシュアップしていく形で進めました。

河森:『マクロス』シリーズにずっと参加してくれているメンバーも多く参加しているので、リアリティを踏まえたうえで、ファンタジーではどうデフォルメして見せているかは、ぜひ注目していただきたいです。

――では最後に、改めて本作の見どころを紹介していただければと思います。

『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』新場面写真(C)2019 FgG・gumi / Shoji Kawamori, Satelight
高橋:PVに出てくるザインやセツナを筆頭に、ゲームの中で人気があるキャラクターが多く登場します。ゲームをプレイしている方は、まずはそこを喜んでいただけると思いますね。

河森:時系列的にゲームのちょっと後の世界にしているので、いままで馴染んできた登場人物たちが、少し性格が変わって見える部分もあるかもしれません。あと、やっぱりみんなが活躍するシーンは燃えますよね。

高橋:そうですね。クライマックスは注目です。

河森:嬉しいことに、試写を見てゲームを作られているgumiさんの方々にも盛り上がっていただけたので、その感覚は伝わるのではないかと思います。
そして、プレイ時間は長いけれど画面は小さいゲームとは違い、凝縮された時間の中、縦横無尽に大画面で活躍するキャラクターたちの姿が一番の見どころです。
『タガタメ』ファンの方も、初めて本作に触れる方も、ぜひ劇場に足を運んでみてください。

『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』
(C)2019 FgG・gumi / Shoji Kawamori, Satelight
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《山田幸彦》

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