「大冒険譚 剣姫カタストロフ」と題された本イベントは、『デート・ア・ライブ』橘公司先生×『ダンまち』大森藤ノ先生のW原案・共同執筆ということをはじめ、PVなどで判明した情報だけでも、ただのコラボイベントの枠に収まらない、濃密な内容であることが予想される。
この豪華なクロスオーバーはいかにして実現したのか?
前半・後半の2部にわたって両原作者にお話を聞き、この前半では本イベントまで至る経緯のエピソードや、お互いの作品に作家としての視点から感じた魅力を語っていただいた。
[取材・構成=山田幸彦]
■悪巧みから実現した濃密なストーリー
――今回の「剣姫カタストロフ」は豪華クロスオーバーと言っていい内容に仕上がっているというお話を耳にしたのですが、どのような経緯で今回のイベントは実現したのでしょうか?
橘
前から一緒にやりたいね、という話だけはしていたんです。最初はいつでしたっけ?
大森
2018年に『キノの旅』のコラボ「冒険譚"迷宮の国と異邦の旅人"」が決まったときに、橘先生も機会があれば……ということは言っていて。
そんな話をしていたら実現できそうなタイミングが来たという感じです。
橘
ちょうど『デート・ア・ライブ III』も決まっていましたからね。そして、実際にクロスオーバーが決定したと大森さんから聞いたときから、ふたりの間で悪巧みが始まりました。
――悪巧みとは?
橘
最初にプロットをふたりで書いておいて、「こんな感じのことを考えたんですが……」と開発会社のWFSさんに先出ししたら、そのまま作っていただけないかなと(笑)。
大森
『キノの旅』のときもそうだったんですけど、今回も作家のわがままじゃないですが、エゴを出させてもらいましたね。申し訳ないと思いつつ、やりたいものをやらせていただいたという。
――初期からおふたりだけで打ち合わせを重ねられていたのですね。
大森
『キノの旅』のときに時雨沢恵一先生とガッツリ打ち合わせができたので、またこういう流れでクロスオーバーを進めたいと思ったんです。今回も橘先生に快諾していただいて……新宿にけっこうな回数集まりましたよね。
橘
いっときは編集さんや家族より会っているんじゃないかというくらいの頻度で(笑)。
大森
さらに電話でも毎回2時間くらい話してて「メールができない(携帯を持ってない)中学生なのかな?」というくらいの頻度で(笑)。
橘
僕が話したがりなのがいけないんです。編集さんとの電話も長くなりがちなので(笑)。
――「剣姫カタストロフ」というサブタイトルはどのような経緯で決まったのでしょうか?
大森
執筆を進めているときに「デート・ア・ライブにちなんで良いサブタイトルをつけたい!」と橘先生と話していたんです。十香デッドエンドとかですね。
今回アイズが重要なキャラなので「剣姫○○」という形にはしたいなと思っていたんですが、「何かいい案はないですかね?」と橘先生に聞いたら、カタストロフと言ってくれて。
「カタストロフィですね?」と言ったら「カタストロフ!」と(笑)。
![★4[魔王剣姫]アイズ・ヴァレンシュタイン(C)2019 T/T/K/DALIII・P(C)FO-SBCr/DM(C)WFS(C)2019 T/T/K/DALIII・P(C)FO-SBCr/DM(C)WFS](https://animeanime.jp/imgs/zoom/210801.png)
★4[魔王剣姫]アイズ・ヴァレンシュタイン
橘
そこは語感重視!(笑)。
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