なぜP.A.WORKSのオリジナルアニメは心に響くのか? 代表・堀川憲司が明かす制作の心得【インタビュー】 4ページ目 | アニメ!アニメ!

なぜP.A.WORKSのオリジナルアニメは心に響くのか? 代表・堀川憲司が明かす制作の心得【インタビュー】

アニメサイト連合企画「世界が注目するアニメ制作スタジオが切り開く未来」の第6弾は、P.A.WORKSの代表である堀川憲司氏にインタビュー。アニメ制作の心得やアニメーター育成事業、地域活性化などの取り組みについてうかがった。

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なぜP.A.WORKSのオリジナルアニメは心に響くのか? 代表・堀川憲司が明かす制作の心得【インタビュー】
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地方とクリエイターを繋ぐ物語


(C)SAKURAGAIKE QUEST

――最近、刺激を受けた作品やプロジェクトはありますか?

堀川
僕自身も関わっているんですが、『サクラクエスト』から派生した、「桜ヶ池クエスト」(※)です。アニメとリアルを繋げるということで、どうやったらこの地方の人たちを巻き込んで意味のある面白いことができるんだろうということをやっています。

※P.A.WORKS制作『サクラクエスト』の舞台は、P.A.WORKS本社がある富山県南砺市がモデルとなっている。南砺市の「桜ヶ池」は、桜の名所だが、最近は枯れた木や、痛んだ木が目立つ様になってきている。桜の木を整備し蘇らせる地元の活動を、サクラクエストのファンたちにも手伝ってもらいながら進めていく新しい地域振興の取り組みだ。

この南砺市にも技術と情熱をもっている若いクリエイターがたくさんいます。
ビジネスというのとは違いますけど、田舎でも生計をちゃんと立ててやって行けるようにするためには僕らはどうしたらいいだろう。バラバラのクリエイターが1つのテーマに向かって何か一緒にできないかということを考えるんですよね。

新潟では村全体がアートになる「大地の芸術祭」が2000年から続いています。世界的に有名なアーティストたちが関わり、何十万人の参加者がいるんですね。
南砺市でも地元の人達やクリエイターを繋いで、僕らの視点でこの地域を切り取って、僕らが最も得意とする「物語にする」っていうことを核にして、クリエイティブなことが出来ないかっていうのが今の僕のもうひとつの興味ですね。

アニメーションという形態は世界に対してすごく発信力があると思うんです。日本のクリエイターや職人たちが、何を考えて何を探求してものづくりをしているのか。そういう話を聞きながら記録し、エンターテイメントにすることで世界でも多くの人が見てくれるんじゃないかと思います。

作品の中で見つけたものを大切にして欲しい



――最後に、世界のアニメファンにメッセージをいただけますか。

堀川
僕は海外のファンの感想をすごく楽しみにしているんです。日本でもファンの感想をよく見るんですけど、日本ではまわりの意見と違うことを不安に思ったり、好きな作品であっても見ている人が少ないことを気にしてしまったりすることが多いように思うんですね。

だけど海外ではひとつの作品を好きになったら、それを愛して何年間でも応援していくような「俺はこう思う」ってことを掘り下げていく点が魅力だと思うんです。

作品の中に何を見つけるかっていうのは、その人が今抱えているテーマとか、自らの体験によって全然違うものが見えてくるのでまわりに合わせる必要ないと思うんです。そういうものを大切にして欲しいなと思います。

P.A.WORKSの作品は割と地味かもしれないけど、テーマを掘り下げて「こういうものなんじゃないだろうか」っていうものを問いながら作っています。それに対して自分が考えたこととか、気づいたこととか、他人の意見じゃなくて自分はこう楽しんだという踏み込んだ感想を届けてもらえるととても嬉しいです。

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