なぜ「ボトムズ」をボードゲームに? “むせる”ほど作品愛に満ちた「VOTOMS TACTICS」制作秘話を聞く 2ページ目 | アニメ!アニメ!

なぜ「ボトムズ」をボードゲームに? “むせる”ほど作品愛に満ちた「VOTOMS TACTICS」制作秘話を聞く

80年代の傑作リアルロボットアニメ『装甲騎兵ボトムズ』をボードゲーム化した『VOTOMS TACTICS』。劇中で繰り広げられたアーマードトルーパー(AT)の戦いをボードゲームという形でどう再現しているのか? 開発スタッフにインタビューを行なった。

インタビュー スタッフ
注目記事
なぜ「ボトムズ」をボードゲームに? “むせる”ほど作品愛に満ちた「VOTOMS TACTICS」制作秘話を聞く
なぜ「ボトムズ」をボードゲームに? “むせる”ほど作品愛に満ちた「VOTOMS TACTICS」制作秘話を聞く 全 13 枚 拡大写真

■『ボトムズ』らしいリアルな戦闘の再現と、複雑にならないよう遊びやすさの両立に苦心



鈴木さんは、以前からの知己でありシミュレーションゲーム(SLG)をコンスタントにリリースする国際通信社をサンライズに引き合わせ、そこから製品化に向けて本格的に開発が進んでいった。

国際通信社・松井「アニメとコラボしたSLGは以前にツクダホビーから多数リリースされていて、その中に『ボトムズ』もあったので、内容的に被らないか、とか、昔のような複雑なルールになっていないかと、お話をもらったときは懸念していました。でも、カードなどを用いた最近のトレンドに合わせた内容になっていたので、商品化を進めることにしたんです」

ここからはボードゲームファン以外の『ボトムズ』ファンにも楽しんでもらうための改良が加えられていく。

サンライズ・渋谷「最初はバトリングをするだけのゲームだったので、それだと複雑なルールなどで敬遠されてしまうと思いました。それで劇中のシナリオを再現できるようなスタイルに改良してもらいました」

膨大なデータやルールを駆使してリアルな戦闘を再現するのがボードゲームSLGの特徴だが、あまりに複雑すぎるとボードゲームビギナーや『ボトムズ』ファンが遊べないゲームになってしまう。
その点を改善しながら『ボトムズ』らしい戦闘を楽しめるようにするのが、このゲームの苦心した部分だという。

鈴木「物陰に隠れているATは、普通は相手から見えないはずだけど、ボードゲームだとプレイヤーの目には見えているので、それを見越した動きなどを取れてしまう。それを回避するために導入したのが、プレイ中に取れる行動を限定する『ミッションディスク』カードです」



自分のATをどう動かすかは選んだミッションディスク次第。カードを選んで行動計画を立てていくのだ。

プレイヤーはターン毎に行動できる内容が書かれたミッションディスクカードを3枚選択。「高速前進」は3マス分移動できるけど攻撃は不可、「中速/低速前進」なら移動しながら前方に攻撃可能だが命中率低め、「停止」なら広範囲に攻撃可能で命中率も高くなるといった違いがあり、たとえ相手の場所が分かっていても、これらをうまく組み合わせて攻撃範囲に捉えなくてはならない。
このミッションカードの選択の駆け引きで、戦場で神経を研ぎ澄ませながら敵を探りながら戦うAT乗りの気分が味わえるのだ。

サンライズ・渋谷「ボードゲームに馴れている人は複雑なルールでも大丈夫だろうけど、初心者はそれだとせっかくゲームを買っても投げ出してしまいますからね。そうならないように、できる限りシンプル・簡単に遊べるように監修しました」

国際通信社・松井「鈴木さんや私はSLGに馴れてしまっているので、初心者がひっかかってしまう部分になかなか気付きにくかったんですよね。今回の『VOTOMS TACTICS』のブラッシュアップでそれを実感しました」

ウドの治安警察VSキリコのスコープドッグ・レッドショルダーカスタムの戦いを描いた一人プレイ用入門シナリオをテストプレイ。数に分はあるが動かぬ戦闘車両を追い込んでいきながら、ルールやゲーム運びの基本が学べる。
  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3
  5. 続きを読む

《斉藤直樹》

特集

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]