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ドラマ「死霊のはらわた リターンズ」でわかる吹き替えの極意、江原正士×大塚芳忠の盟友声優対談

サム・ライミ監督の長編デビュー作にして出世作のスプラッター映画『死霊のはらわた』。1981年にアメリカで公開されたこの映画は、続編『死霊のはらわたII』、『キャプテン・スーパーマーケット』と合わせて三部作と呼ばれ、今もなおカルト的人気を誇っている。

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ドラマ「死霊のはらわた リターンズ」でわかる吹き替えの極意、江原正士×大塚芳忠の盟友声優対談
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■江原さんはよく先輩とケンカしていた。絶対に折れない人なんです(大塚)

江原 
ただラッキーだったのは、本来僕がやるべき役の俳優さんが変わった人でね。面白い芝居をする人だなと興味があってリハ仕込みをしてる時に観てたんです、それで何とか助かった。それに芳忠ちゃんがやった俳優さんは映像出身っぽい方で、セリフの言い方があまり定型化されてなくてリップシンクが難しいんだけど。僕の方は、舞台役者っぽい方だったんですね。セリフも硬めだったのでフレージングも合わせやすかった。これ舞台の人かなぁなんて思いながら見ていたことが良かったんです。

――洋画の場合、元の役者さんがどんなタイプの芝居をするかを知っておくことも大事なんですね。ブルース・キャンベルはどんな役者だと思いましたか?

江原 
この人は、映像系の人だと思いますね。あるいは小劇場系。オーソドックスな、これが芝居だっていうカタイ勉強は全くしていない人だと思います。芝居が自由っていうか好き放題? 英語のセリフを聞くとちょっと変な癖があるようで、最初はすごく合わせづらかったです。本当に個性的な俳優さんなので、そういう意味でも『死霊のはらわた』って当時はマイナー映画なのかなと思ったんですよ。ブルースはサム・ライミと友達だったから出ていたわけだし。結果それが面白くて、カルト的に人気が出たわけですからラッキーですね。


――『死霊のはらわた リターンズ』のアフレコ現場の雰囲気はいかがですか?

江原 
今回の現場は若手の方が多いんだけど、みんなすごい勉強して頑張ってる。基本的に別撮りにせず一緒にアフレコしています。

大塚 
僕らの頃は別撮りってなかったよね。必ず一緒にやってた。

江原 
お互いに気を使って、相手の言葉にかぶらないようにしたりね。

大塚 
怖い先輩の邪魔にならないようにして。

江原 
昔いた先輩で、ゆっくり話す人がいたんだよ。セリフが後ろに押しちゃうので、オンエアを見ると僕のセリフが短くなっていたりする。悲しかったなぁ。

大塚 
だから江原さんはよく先輩とケンカしていました。というか怒られてたんだな。「江原さん悪くないのにかわいそうだな」って思ってたよ。でもね、江原さんは折れなかった。

江原 
だって悪いのは先輩だもん。芳忠ちゃんはいつも優しく見てくれてたんですよ。その声なき声を受けて、僕はここで折れちゃいけないって思ってたんです。

大塚 
見守ってたってより、先輩いつかいなくなりゃいいのになって思ってただけだよ(笑)。

江原 
信じられない、僕はそれを愛だと信じていたのに(笑)。

――江原さんが先輩の理不尽に屈しなかったのはどうしてですか?

江原 
映画が好きだったからですね。ここはちゃんとお客さんに伝えた方がいいなと思うセリフは、適当にやりたくなくて。アメリカ人の芝居は情緒的な芝居じゃなく、「これ好き? 嫌い?」ってちゃんと言わないといけない。セリフの意味を立てていかないと、ドラマの全体像が見えてこないんですよ。


――ドラマ『死霊のはらわた リターンズ』は、映画ファンにもオススメできる内容ですね。

江原 
主演の役者が変わらないというのは面白いけど、おじさんが何をするんだろうと思ったら、血は出るわ首は飛ぶわ内臓出るわで、正直気持ち悪くなったほどでした(笑)。映画の『死霊のはらわた』に、『キャプテン・スーパーマーケット』が混ざって、コミカルなテイストになっている。それと同時に、アッシュの「俺はこいつらをぶっ殺して世の中を元に戻すんだ」という意思が、大変わかりやすい。アメリカらしい勧善懲悪の楽しいゾンビものだと思いますね。制作面で言うと、これを作っているスタッフの多くは、アメリカの若い映画人じゃないかなって思いました。メジャーとは少し外れたところのパワーを感じるんです。わずか20数分の映像を見て、「これ1時間半にできるぐらいの密度があるよ」って思いましたから。カットが多いし照明もその度に変えてるから、これは若い人じゃないとできないだろうって思ったんですよね。次世代型の「死霊のはらわた」と思いながら僕も参加しています。

――海外ドラマは人気が高いと続編が決定することがありますが、本作もすでにシーズン3の製作が決まっています。

江原
結構Huluでも人気があると聞いているので、嬉しいですね。昔のアッシュは確かに若くて細くてかっこよかったけど、おじさんアッシュが活躍するのも面白がってくれたら最高です。

大塚 
江原さんは業界のゾンビって言われてるからハマり役だよ。まさにリターンズ!

江原 
倒れても倒れても起き上がるから? バカ言ってるんじゃないよ!(大笑)。



『死霊のはらわた リターンズ』
ブルーレイBOX&DVDコレクターズBOX
発売日:2016年12月2日(金)
価格:Blu-rayBOX 8,000円(税別)、DVDコレクターズBOX 6,000円(税別)
http://video.foxjapan.com/tv/evildead/
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《大曲智子》

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