映像ビジネスの革命なるか? ディズニーMovieNEXの挑戦 その戦略を聞く | アニメ!アニメ!

映像ビジネスの革命なるか? ディズニーMovieNEXの挑戦 その戦略を聞く

この秋、ウォルト・ディズニー・ジャパンが新たに打ち出した映像商品「MovieNEX」。作品を見る権利を所有するという「MovieNEX」の戦略をウォルト・ディズニー・ジャパン にインタビューした。

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「モンスターズ・ユニバーシティ MovieNEX」
「モンスターズ・ユニバーシティ MovieNEX」 全 2 枚 拡大写真
2013年11月20日に、ウォルト・ディズニー・ジャパンの新たな挑戦がスタートする。この日、同社から今夏の大ヒット映画『モンスターズ・ユニバーシティ』の映像商品が発売される。「モンスターズ・ユニバーシティ MovieNEX」だ。
“MovieNEX”は、多くの人にとっては聞き慣れない言葉かもしれない。この11月に初めて投入される全く新しいタイプの映像商品だからだ。しかし、商品構成は単純で、映像ソフトであるBlu-rayとDVD、そしてもうひとつクラウド対応のデジタルコピー(映像配信)さらに、購入者限定の特別サイトで、作品に関連した様々なコンテンツが体験できる、MovieNEXワールドをひとつの商品にまとめた4つのコンテンツで構成されている。

この“MovieNEX”が、いま大きな注目を浴びている。今年9月25日のウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンの戦略発表以来、業界関係者の間で、映像ビジネスの革新として話題を呼んでいる。
ひとつは“MovieNEX”が、急成長する映像のデジタル配信をいち早く商品に組み入れたことにある。しかし、より大きな変化は、映像パッケージを所有するのでなく、その作品を観る権利を所有するという商品の根幹にある発想の転換だ。つまり、“MovieNEX”を購入すれば、Blu-rayやDVDは勿論、デジタルコピーを通じて、PC、タブレット、スマートフォンでいつでも、どこでも作品が楽しめる。これが作品を見る権利を所有するという考え方である。
今回、そうした“MovieNEX”の商品コンセプトについて、ウォルト・ディズニー・ジャパン スタジオ・グループのマーケティング・ディレクター今井康恵氏に伺った。“MovieNEX”が目指すものは何なのだろうか?

MovieNEX
/http://movienex.jp/ 

■ いまこの時期だからこその“MovieNEX”

映像ビジネスに関心がある多くの人が、近年、映像のビジネスモデルがパッケージソフトから急激に配信に動いていることは感じているに違いない。しかし、一方で、デジタル配信が成長市場とはいえ、Blu-rayやDVDの売上げも依然大きい。これを無視することも出来ない。
そうしたなかで、デジタル配信をスタンダードとして、映像パッケージと組み合わせるのはいいアイディアだ。しかし、全ての商品にデジタルコピーを組み込む、これは勇気がいるのでないだろうか?どこよりも早くディズニーがこれに乗り出す理由は何なのだろうか?

「まず、ディズニー全体として新しいテクノロジーを取り入れて行こうという考えがあります。そして、いまこの時期、インターネットの環境が整ってきたことが理由です」と今井氏は話す。続けて、少し意外な背景も説明してくれた。
「タブレットやスマートフォンの普及も理由にあります。最近、子どもがタブレットをいじっているという話をよく聞きますよね。この商品を買って観ていただきたいのは、お子さんのいるファミリーです」、主要ターゲットはファミリー層なのだという。
「我々独自で行った調査では、ニーズがあるのは子どものいるファミリー、そしてスマートフォンを持っているかたたちでした」。
新しいテクノロジーの導入というと、ターゲットは、ITを得意とする若者層をイメージしがちだ。しかし、“MovieNEX”が狙うのはより広い人たち、一般的な消費者である。そう考えると、“MovieNEX”の第1弾が『モンスターズ・ユニバーシティ』、『モンスターズ・インク』、そして「トイ・ストーリー」シリーズであることは納得がいく。

より多くの人に、と考えるだけに、今後も、人気の大型タイトルを積極的に投入することになる。すでに2014年1月15日には「ローン・レンジャー MovieNEX」の発売も決まっている。そして今後新しく公開されるタイトルは、“MovieNEX”で発売される可能性が高いとも話してくれた。
特にブランドやキャラクターが確立しているタイトルは、“MovieNEX”が積極的に導入されるという。“MovieNEX”は、今後のウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンの映像商品のメインストリームになりそうな気配だ。

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