ワンダーフェスティバル 2008 夏 会場レポート
一般参加者約4万人、ディーラー(販売者)約1000による世界最大のガレージキットの祭典、「ワンダーフェスティバル」(以下、WF)が8月3日、東京ビッグサイトで開催された。
2008年は国産プラモデル生誕50周年であると同時にWFの全身となるイベントでガレージキッ
イベント・レポート
アニメ
注目記事
2008年は国産プラモデル生誕50周年であると同時にWFの全身となるイベントでガレージキットが正規販売されてから25周年にあたる。
ガレージキットというと、同人誌の立体版という認識をされることが多いのだが、半分は正しく、半分は誤っている。
こと二次創作の権利的な問題についてはWFには「当日版権システム」が存在している。実行委員会を通じて事前に簡単な手続き(含ロイヤリティー契約)を済ませれば、当日に限り、アマチュアディーラーも大手メーカーも同一に「正規ライセンス品」としてガレージキットを販売することができるというシステムだ。
様々な課題をはらみつつ、現在もアマチュア活動による製品の販売を法的に正しく行っているシステムが誕生したのが25年前の1983年であった。以降、ガレージキットは国産プラモデルの歴史の半分を共に歩んできている。
WFの会場風景はほかのアニメ・マンガ・同人誌・キャラクターイベントと比べ独特である。扇情的な記事で目にするような美少女キャラクターも確かに多く、それを目当てとしたファンも多いのだが、ディーラーはそれだけに留まらない。
コミケではなかなか見られない古い作品を立体化するディーラー、特撮物を独自解釈で立体化するディーラー、絶版プラモを蔵出しするディーラーや、ガレージキットをより飾るためのアクセサリなどを販売するディーラーまで様々である。コミケでは最新流行の二次創作物を頒布するのがどうしても目立つのに比べると、製作期間の差もあるが、じっくりとファン活動を行っている印象がある。
また、大手ガレージキットメーカーに勝るとも劣らない造形をするインディーズ(全国販路を持たないという意味で)のメーカーの胎動を目にすることができる。
それでもWFではクリエイターの地盤沈下を危惧する声の高まりから、1999年より「ワンダーショウケース」の発表を行っている。これは、WFが毎回参加者のなかから見つけたアーティスト数名を半年間にわたりプロモーションの手伝いをするものである。
今回は、その第18期にあたり、伊墨浩爾さん(作:ヘルズエンジェルのりか)、横嶋真平さん(作:博麗霊夢 松倉ねむver./霧雨魔理沙 松倉ねむver.)、ゆきうささん(作:浮き輪プレネールさん WSCver.)の3名をプロモートしている。今回のWFでもそれぞれ商品が先行発売され、長蛇の列を作った。今後はさらに6ヵ月間、海洋堂ギャラリー(秋葉原)やネット通販で販売される。
また、海洋堂の著名原型師・ボーメさんのフィギュアも4種類展示され、1体4万円近くするものが早々と完売していた。ボーメさんは10周年記念展を10月に渋谷パルコで開催する予定だ。
このほか、ディーラーズブースとは別に大手ガレージキットメーカーのブースも数多く出展し、新作のプロモーションや作例を展示していたほか、様々なWF限定版も販売され、盛況を見せていた。
また、すでに各種報道がされているように、開催直後に4Fに上がるためのエスカレーターが逆流し、それによる怪我人が出た。詳しい原因は明らかになっていないが、2週間後に同会場で行われるコミックマーケットの運営に影響を与えるだろう。
ワンダーフェスティバル 公式サイト /http://www.kaiyodo.co.jp/wf/index.html
《animeanime》