『ゆるキャン△ SEASON3』EDを歌う!亜咲花『So Precious』リリース記念インタビュー | アニメ!アニメ!

『ゆるキャン△ SEASON3』EDを歌う!亜咲花『So Precious』リリース記念インタビュー

アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2024年6月号には、「ゆるキャン△ SEASON3」EDテーマ・『So Precious』をリリースした亜咲花が登場。

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『ゆるキャン△ SEASON3』EDを歌う!亜咲花『So Precious』リリース記念インタビュー
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アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2024年6月号には、「ゆるキャン△ SEASON3」EDテーマ・『So Precious』をリリースした亜咲花が登場。

ゆったりしつつ壮大なテレビアニメ『ゆるキャン△ SEASON3』ED

――亜咲花さんはこれまでテレビアニメ『ゆるキャン△』『ゆるキャン△ SEASON2』のOPテーマを担当してきましたが、今回はED担当ですね。

『へやキャン△』ではED担当でしたが、ショートアニメでOPがなかったこともあり、いわゆる30分アニメのEDとは少し立ち位置が違っているなと思っていたんです。ですが、「So Precious」は、明確に『ゆるキャン△』本編のEDなので、どういう気持ちで歌えばいいか、どうレコーディングに落とし込んでいけばいいのかを考えていきました。

私は『ゆるキャン△』と亜咲花といえば、パワフルで聞いていて元気が出る曲というイメージを持っていたので、それをEDになっても崩したくなかったんです。その一方で、OPは物語が始まる高揚感が大事だとしたら、EDは余韻を残して来週を楽しみに思えるようにしなければならないということもわかっていて。

でも、いまEDを亜咲花が歌う必要性も見出したいし、しっとりだけじゃ物足りないし……みたいなことを考えていました。そうしたら恵梨さんが、最初は落ち着いていて、曲が進むにつれて右肩上がりで壮大になる曲を作ってくださり、EDのよさと亜咲花のよさを引き出してくれる音楽を作ってくれてすごくうれしかったです。

――楽曲のどんなところに『ゆるキャン△』らしさを感じましたか?

横乗り感があるところです。『ゆるキャン△』の主題歌は、いい意味でアニソンらしくない部分があると思うんですね。まるでJ-POPのようでもあり、それでいて『ゆるキャン△』を見ている人には「らしいな」と思ってもらえる。それは「So Precious」からも感じました。

――歌うときは、その横乗り感を大事にしたのでしょうか?

そうですね。それと同時に、ゴスペル感も大切にしました。あまり壮大になりすぎると繊細なメロディと合わなくなるので調整はしましたが、EDだから亜咲花がひるんでいると感じられないよう、ソウルフルな感じを残したかったんです。

そして、しっとりと終わる部分も大切にしたくて、いい余白を埋めないように、抜くところは抜いていきました。またEDということでキャンプから帰っているときにピッタリな曲にしたかったんですね。ですから、緩急も大切にしました。

――これまでほかの作品ではEDを歌うこともありましたが、『ゆるキャン△』のEDはまた違いましたか?

全然違いました。ほかの作品だと余白を残すことができるんです。でも、『ゆるキャン△』はもう6、7年近くOPを歌ってきたので、OPの音楽性が染みついちゃっていたんです。EDのメロディに合わせて歌おうとしても、「もっと壮大にいける」と身体が反応しちゃうというか(笑)。それをいったん崩すという、なかなか出来ない経験をさせていただけた曲にもなりましたね。

――でも、ちゃんと『ゆるキャン△』のEDになっているんですよね。

それは恵梨さんがコーラスとハモリを入れてくださったからだと思います。『ゆるキャン△』以外の曲はコーラスもハモリも全部自分で歌ってしまうのですが、『ゆるキャン△』で全部の声が亜咲花だと、すごくこってりしちゃうんです。それもあって、今回は恵梨さんにコーラスとハモリを録っていただき、フィーチャリングの気持ちで歌いました。本当に、ふたりで制作した曲だなと感じています。

――EDらしさと亜咲花さんらしさ、両方が感じられるナンバーになっていると思います。

ありがとうございます。個人的に、ファンの方に亜咲花がEDになっちゃったんだと思ってほしくなかったですし、EDでよかったと思えるものにしたいという気持ちはありました。とはいえ、必死になるとまた違った歌になるし、言葉で説明するのも違うし……といろいろ考えていたので、最初のレコーディングではそのテンパっている具合が声に出ていました(笑)。

私のレコーディングって、どちらかというとニュアンス重視なことが多いのですが、そうすると歌詞が遠くなってしまうんですね。それを今回は恵梨さんから修正していただき、言葉の意味や力の入れ方を改めて学びながら歌っていきました。

――歌っていて、とくに難しかったところはありましたか?

Aメロですね。アコースティックギターがしっかり聞こえるけれど、別のリズム隊も入っていて、完全なるバラードではない。でも楽曲的には恵梨さんのEDが浮かぶので、もっと力を抜いていかなきゃ、という引き算が難しくて。しかも、だんだんと盛り上がる曲なので、急にサビでパワフルに歌いすぎると前後の雰囲気が繋がらなくなるんです。そのバランスを考えて歌うのは大変でした。

――「So Precious」のイチオシポイントと言われたら?

落ちサビ前のDメロです。ここでグッと秋っぽくなるんですね。歌詞もちょっとマイナスに聞こえるフレーズが入っていて、恵梨さんが泣かせに来ているなと感じました。歌う側としては、そのフレーズがあざとく聞こえないよう、自然に歌いたくて。声を張らずに、木漏れ日に包まれているような雰囲気を意識して歌いました。

――今回収録される2曲のカップリング曲についても教えてください。まずは「Victory Road」から。

ライブ用の曲が作りたかったので、私のライブの定番曲「エーデルワイス」を作ってくださった白戸祐輔さんに「ライブでみんながひとつになれる曲を」とお願いをしました。メロディラインがしっかりしつつ、アニソン特有の高低差が少なめで、最初に聞いたときはちょっと意外だったんです。白戸さんは「亜咲花ちゃんの歌い方や声は、段差の少ない壮大なメロディのほうが似合うと思う」と言ってくださって。ライブでも盛り上がりつつ亜咲花らしさもある、すべてのいいとこ取りをしたような曲になりました。

歌詞は私が担当しているのですが、「これからも亜咲花を応援してよ」っていう気持ちを込めています。スタッフさんから「応援してよって赤裸々に言えるのは強いね」と言われてハッとしたんです。私としては、ステージに立つ人間が自信を持つのは当たり前で、絶対自分がナンバーワン、みんなの大切な時間をもらうんだから、全部倍にして返すくらいの気持ちだったんですね。そういう自分のモットーが曲に反映されているんだなと改めて感じました。

――もう1曲の「I Don’t Even Know...」はどんな曲ですか?

これは『ミストニアの翅望 -The Lost Delight-』というゲームの、バッドエンディングのときに流れる曲です。「So Precious」とは方向性があまりにも違うのでビックリする方もいるかもしれませんが、前のシングル「わやわやわー!」にグッドエンディングの曲を入れたので、こちらに入れるべきだろうとなりました。

ピアノで奏でる悲壮感たっぷりのバラードで、純粋な恋愛をしていた女の子が憎しみから復讐の心を持ち、そして最終的には自分自身も崩れていってしまう……という曲です。「So Precious」とは違ってぽつりぽつりとつぶやくように歌っていますし、光も希望も見えないダウナーな曲で、復讐に燃える自分に呆れているような気持ちを意識して歌いました。

――亜咲花さんといえば、X(旧Twitter)で、自らチケット営業している姿も印象的ですね。

アニソン戦国時代ですから、自分から戦を仕掛けないと負けると思うんですよ。亜咲花の曲はCDもいいですが、やはりライブこそが100%だと思っているんですね。ですから、ライブに行こうか迷っている声を聞いたら拾いたいし、本人に言われたという既成事実を残したいので(笑)、営業活動もがんばっています。そして、この先はホールツアーも復活させたい! お客さんを取り戻す気持ちたっぷりなので、まずはサテライトツアーと東名阪ツアーを成功させ、ホールツアーへの足掛かりにしたい気持ちでいっぱいです。

――そんな熱意バリバリの亜咲花さんですが、『ウマ娘 プリティーダービー』ではエスポワールシチーの声を担当することも決まりましたね。

「やってやりましたよ!」という気持ちです! 私はもともと『ウマ娘』で競馬を知り、そこからレースにかけるバックボーンやジョッキーの背負うものなど、深いストーリーを感じていきました。気が付けば、アニソン歌手という本業と同じくらいの勢いで競馬の番組も出させていただいていたところでのエスポワールシチー役でしたから、とにかく驚きました。

――6月からは東名阪ツアーも開始されます。ライブへの意気込みをお願いします。

サテライトツアーで物足りないと思ってくださった方は、バンドでやる東名阪ツアーに来てください。今年はアニソンシンガー・亜咲花の勝負の1年にしたいんです。「気になる」とポストしてくれれば、営業しにいきますので迷っていたらSNSでポストしてください! そして亜咲花の音楽とアニソンを愛していただけたらと思います。

■Profile
あさか/10月7日生まれ。愛知県出身。
2016年10月にテレビアニメ『Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-』EDテーマ「Open your eyes」でデビュー。以後、数々のアニメ、ゲーム主題歌を担当。今年、アプリゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』のエスポワールシチー役で声優としての活動も開始。

■Information
6月15日(土)からは東名阪ツアー『亜咲花 Victory Road Tour 2024』の開催も決定。
開演時間やチケットの詳細は公式webサイト【https://asaka1007.jp/】をチェック。

■『So Precious』
発売中
MAGES.

テレビアニメ『ゆるキャン△ SEASON3』のEDテーマ「So Precious」は、佐々木恵梨が作詞、佐々木と中村ヒロが作・編曲を手がけたナンバー。キャンプからの帰り道を思わせるやさしい楽曲に、亜咲花の伸びやかな歌声が乗った心地のいい1曲。ゆるキャン△盤には、同曲のMVと撮影オフショット映像を収録したDVDが付く。

《animeanime》

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