「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」古谷徹×武内駿輔インタビュー「立場とプライドを捨てれば人は分かりあえる」 | アニメ!アニメ!

「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」古谷徹×武内駿輔インタビュー「立場とプライドを捨てれば人は分かりあえる」

映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』より、アムロ・レイ役の古谷徹とククルス・ドアン役の武内駿輔による対談インタビューをお届け。

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「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」古谷徹×武内駿輔インタビュー
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1979年に放送開始となったテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。その第15話「ククルス・ドアンの島」が40年以上の時を経て1本の映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』として上映される。

主人公であるアムロ・レイを演じたのはテレビアニメ『機動戦士ガンダム』でも同キャラクターを演じた古谷徹、そしてもう一人の主人公ククルス・ドアンを演じたのは武内駿輔だ。果たして二人は今回の作品をどう捉え、いかに演じようと思ったのか。大いに語ってもらった。

[取材・文:一野大悟 撮影:吉野庫之介]
[古谷徹]ヘアメイク:氏川千尋 スタイリスト:Masateru Abe
[武内駿輔]ヘアメイク:小園ゆかり



声優の道を志すきっかけの一端に『ガンダム』があった


――古谷さんは「ククルス・ドアンの島」の映画化を知った際、どのように思われましたか?

古谷:『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の流れから、次は第1話「ガンダム大地に立つ!!」のリメイクだと予想していたので、いきなり第15話「ククルス・ドアンの島」をやるんだ、と驚きました。

――また、ここまで大々的にアムロ・レイを演じるのは久々だったのでは?

古谷:アムロは定期的にゲーム作品などでも演じるのですが、映画の主人公としてというのは約40年ぶりなんです。しかも描くのが安彦監督ということもあり、収録がとても楽しみでした。

――今作のアムロを演じるにあたって意識したことはありましたか?

古谷:この時のアムロは未熟で、戦うことに迷いがあるんですよ。しかも年齢的には15歳、多感で影響も受けやすいし、葛藤もある。それがこの年齢のアムロ特有の魅力にもなっていて。今作のなかでアムロが泣きながら台詞を言うシーンがあるのですが、安彦監督もそこはすごく大切にされていて、何度もやり直しました。



――武内さんは『機動戦士ガンダム』という作品に対してどのような印象を持っていましたか?

武内:僕は親の影響で80年代のアニメをよく見て育ったのですが、なかでも『機動戦士ガンダム』は憧れの声優さんが多く出演している作品で、声優の道を志すきっかけの一端に『ガンダム』があった。そういっても過言ではないかもしれません。出演することにプレッシャーもありましたが、古谷さんをはじめとする先輩方と共演できることが嬉しく、とても光栄でした。

――武内さん演じるククルス・ドアンは、そんな『ガンダム』の主人公であるアムロを導く役でしたね。

武内:大先輩である古谷さんの演じるアムロを導くという、声優でなければできない経験をさせていただきました。演じる際は『機動戦士ガンダム』放送当時のイメージを意識しながら、等身大の自分自身から自然と出てきたものを大切に、ククルス・ドアンというキャラクターを丁寧に表現しました。



――そんなアムロとドアンの戦闘シーンも描かれています。

古谷:ドアンとの戦闘時はアムロもまだガンダムをうまく操縦できていないんですよね。そういった部分にもアムロの未熟さが現れていると思います。

武内:空模様が戦いに合わせて変化するなど、バトルシーンを盛り上げるための背景の作り込みもすごいんですよ。そういった細かい描写にもぜひご注目ください。



立場とプライドを捨てれば人は分かりあえる


――現在の映像技術で再び「ククルス・ドアンの島」が描き直されるというのも注目すべき点ですよね。

古谷:ネットなどでは時々話題にあがりますが、映像的にはちょっと残念なところもあった話数ですから。それを安彦監督がこだわりを持って描き直す。これはファンのみなさんにとっても嬉しいことなのではないかと思います。

――また、ガンダムとザクのビジュアルも新しくなっています。

古谷:安彦さんの描くモビルスーツには迫力と存在感があり、その上で動きもしなやかで。映像を見た時に「これだ!」と感動しました。

武内:今作のザクのビジュアルは原作である「ククルス・ドアンの島」の絵に寄せたものになっているのですが、そこにドアンが最終工事を行うという設定が加わったことで、デザインの説得力が増しているように感じました。





――最後に映画の公開を楽しみにされているみなさんへメッセージをお願いします。

古谷:アムロがジオンの脱走兵であるククルス・ドアンと出会い、「敵の兵士にも善い人がいる」ということを思い知ったように、この物語には「立場とプライドを捨てれば人は分かりあえる」というメッセージが込められています。同時に「戦いのなかで犠牲になるのは子供、ならば大人がそれを守らなければいけない」ということを突きつけてくる作品にもなっているので、その想いをぜひ劇場で感じていただければと思います。

武内:争う二つの勢力を両視点から描くことで、見ている人は中立の立場から戦いを見ることができる。それがガンダムシリーズの魅力であり、今作にもそれが詰まっています。長く続くガンダムシリーズに敷居の高さを感じている方でも十分楽しめる作品に仕上がっていますので、ぜひ今作をきっかけに『ガンダム』の世界へ入ってきていただければと思います。



映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』
6月3日(金)全国ロードショー(Dolby Cinema/4D同時公開)

■スタッフ
企画・制作:サンライズ
原作:矢立肇、富野由悠季
監督:安彦良和
副監督:イムガヒ
脚本:根元歳三
キャラクターデザイン:安彦良和、田村篤、ことぶきつかさ
メカニカルデザイン:大河原邦男、カトキハジメ、山根公利
美術監督:金子雄司
色彩設計:安部なぎさ
撮影監督:葛山剛士、飯島亮
3D演出:森田修平
3Dディレクター:安部保仁
編集:新居和弘
音響監督:藤野貞義
音楽:服部隆之
製作:バンダイナムコフィルムワークス
主題歌:森口博子「Ubugoe」(キングレコード)
配給:松竹ODS事業室

■キャスト
アムロ・レイ:古谷徹
ククルス・ドアン:武内駿輔
ブライト・ノア:成田剣
カイ・シデン:古川登志夫
セイラ・マス:潘めぐみ
ハヤト・コバヤシ:中西英樹
スレッガー・ロウ:池添朋文
ミライ・ヤシマ:新井里美
フラウ・ボゥ:福圓美里


(C)創通・サンライズ

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《一野大悟》

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