富田美憂、4thシングル「OveR」をリリース! 「デビュー当時よりも情熱やこだわりは強くなっています」 | アニメ!アニメ!

富田美憂、4thシングル「OveR」をリリース! 「デビュー当時よりも情熱やこだわりは強くなっています」

4枚目のシングル「OveR」をリリースした富田美憂さんにインタビュー。

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 声優・アーティストの富田美憂が、2022年4月20日(水)に4枚目のシングル「OveR」をリリース。表題曲はTVアニメ『デート・ア・ライブIV』オープニングテーマで、強くてカッコいいなかに、ふとした切なさも垣間見える一曲に仕上がっているという。

 今回は富田さん本人にインタビュー。目標だったワンマンライブを終えての心境、そして歌にも芝居にも本気で真剣だからこそ、「自信はいつまでたってもつかないかも」という彼女の考えについてお聞きした。

自分はまだぜんぜん足りていない

――2021年は目標であったワンマンライブが開催されました。少し時間が経ちましたが、振り返ってみての感想を改めておうかがいできればと思います。
 デビュー当時からワンマンライブをやりたいという気持ちはずっともっていましたが、まさかこんなに早く実現するとは思ってもいなかったので、ライブをやっている最中も夢心地でした。改善点や課題はたくさん見つかりましたが、来ていただいたお客さんや関係者の方々、お友達、その場にいたバンドメンバーのみなさん、スタッフさんやダンスの先生、マネージャーさんが「大成功だったね」「よかったね」と言ってくださったので、初めてのライブとしては「成功」と言っていいのかなと思っています。大きな山をひとつ乗り越えた感が今はすごくありますね。

――自分で成長を実感する点はありますか?
 経験が積めたこと、また技術面で学べたことがたくさんあったのはもちろん、メンタル面が安定したなと感じています。というのも私、昨年の年始あたりにノドを使い過ぎて壊してしまい、ラジオのお仕事などもお休みしていた時期があったんですよ。そのころは「歌うのが怖い」「声を出すのが不安」という想いを抱えながら仕事をすることもありました。その怖いという気持ちを、このワンマンライブをきっかけに振り切ることができたんです。成長とは少し違うかもしれませんが、私のなかでは大きな出来事でした。

――前回お話を聞いた際も『アイドルマスターシンデレラガールズ』のライブに向けて練習をし過ぎて肩を壊してしまったとおっしゃられていた気がします。体を壊してしまうのは、自分に納得がいくまでやりたい気持ちがある故のことなのかなと思いました。
 ケガをしてしまえばその時点で負けなので、管理はしっかりしないといけないです。そこはちゃんとしないと。また、どれだけ努力しても上には上がいることが分かっているから、いつも完全には「納得」できないんですよね。『アイドルマスターシンデレラガールズ』のライブに出たときも『アニサマ』に出演したときも、「すごいな」と感じた方々がたくさんいて、自分はぜんぜん足りていないなと思いました。とはいえ、「だからダメだ」という気持ちではありません。本番までにどこまで理想に近づけられるかが勝負だと私は思っています。それを繰り返して、もっと成長していきたいですね。

――そのストイックな姿勢に感服します。憧れであったアーティストデビューを果たし、目標であったワンマンライブを終えた今、音楽へ対する想いに変化はありましたか?
 変化しているところもありますが、デビュー当時から言っている情熱やこだわりは変わっていないですね。向上心や好きという気持ちは形になってみなさんの元に届くと私は信じています。それを持ち続けられるアーティストでいたいので、むしろ情熱やこだわりは強くなっていると思います。

――お芝居の面でも同じように情熱を保っている。
 そうですね。デビュー当時よりも今のほうが台本チェックに時間をかけています。私はお芝居の勉強を学校で教わってきた訳ではないので、デビューしたばかりの頃は感覚で演じてしまっていた部分が多いにありました。だからこそ、今のほうが色々と発見できることもあって。台本に書き込む量も多いですし、ひとつひとつの仕事により時間をかけています。

――それだけモチベーションを保てるのは、本当にすごい。
 好きなことをやれているからだと思います。あとは、ワンマンライブでもお世話になった振付の先生が「陰でしている努力は絶対に見てくれている人がいる」とおっしゃってくださって。いいお芝居ができたときや、いいライブができたときって、その分の反応が絶対にあるんですよ。それがモチベーションに繋がっています。お芝居の現場でデビュー当時にお世話になった監督さんとお会いしたとき、「上手になったね」と言ってもらえて、本当に嬉しくって。次も頑張ろうと思いました。

――先ほど上には上がいるというお話をされていましたが、2021年に出会った中で刺激を受けたアーティストや声優の方は?
『アイドルマスターシンデレラガールズ』の10周年ライブでご一緒した千菅春香さんのパフォーマンスを見たとき、「この方は本当に音楽が好きなんだろうな」というのがひしひしと伝わってきたんです。上手なだけじゃない、表情などで伝える力がすごくって。純粋に「私はこの人のことが、好きだ!」と思いました(笑)。

――他にもいらっしゃいましたか?
 アーティスト方面だと、『アニサマ』に出演されていた西川貴教さんは圧巻のパフォーマンス力でした。あとは『アニサマ』でコラボさせていただいた大橋彩香さん。大橋さんとは他のライブフェスや声優の現場でお会いする機会も多いのですが、実際に隣に立ってみて、歌の迫力に圧倒されました。
 大橋さんは『アイカツ!』関係のお仕事のときからお世話になっている先輩で、ふだんはのんびりとされていることもよく知っているのですが、仕事スイッチが入った瞬間、「プロ」の顔をされるんです。改めてすごい方だなと思いました。他にも本当に先輩方から多くを学びました。これからも、日々みなさんから色々なことを吸収していきたいですね。

自信がつくときは恐らく来ないです

――2021年の活動を経て、この度4枚目のシングル「OveR」がリリースされます。表題曲はTVアニメ『デート・ア・ライブIV』のオープニング曲ですね。
『デート・ア・ライブ』は私が学生時代から見ているアニメで、中学生時代は同級生の男の子の多くが原作を読んでいました。私の弟もすごく好きな作品なんです。弟は、ふだんはあまり大声をあげて驚くことがないのですが、今回私がオープニングを担当すると知って、「マジで!?」とビックリしてくれたんです。それくらいファンがいる作品だということを知っていたので、自分がオープニング曲を歌わせていただけるとは、夢にも思っていませんでした。ドッキリを疑ったくらいです(笑)。
 その後、実際にデモをいただいてレコーディングの準備を進めていくなかでじわじわと実感が湧いてきて、今度は「こんな大役を務められるのかな」というプレッシャーが襲ってきました。加えて、歌いこなすのが難しく、強いサウンドに仕上がっている曲だったので、私の歌声だと楽曲に負けてしまうのではと、心配な気持ちをかかえながらレコーディングへと向かったことを覚えています。

――実際のレコーディングはいかがでしたか?
 かなり時間をかけてやらせていただきました。楽曲の強さに私も負けじと食らいついたので、パッションのこもった曲になったと思います。曲を聞いていくなかで、私は強さだけではなく、その中にふと見える弱さや切ない気持ち、儚さも感じました。「あなた」という人物に固執している、こだわっている部分もあるので、色々な表情の付け方にもこだわっています。

――『デート・ア・ライブ』らしさも楽曲からは感じられます。
 この曲の歌詞には、登場人物のひとりである「時崎狂三」の心情を盛り込んでいると曲を作っていただいた方からお聞きしました。だからこそ、作品を自分の体に染み込ませることにも時間をかけています。上手く表現できていたらいいな。

――現場ではどのようなディレクションがありましたか?
 私は事前にイメージを固めてからレコーディングやアフレコに臨むようにしていまして、今回もまずは自分のイメージで歌ってみました。それから「そのイメージを広げていく」という形で、「サビへの盛り上がりを目立たせるためにAメロは無機質に歌いましょう」「この部分は感情を2倍くらいにしてみましょう」などのディレクションをしていただきました。

――特にお気に入りのフレーズは?
 全体的にキーが高い曲で、サビの部分はファルセットにして歌っている部分もありますが、ラストサビの部分だけは裏声ではなく、表で歌っているんです。表でぜんぶ歌ったことで、力強さや気持ちの盛り上がりを熱く表現できたと思っています。

――初回限定盤には本曲のMVが収録されたDVDも付属されます。MVはどのような仕上がりになっていますか?
 1st、2ndシングルや、(1stアルバム『Prologue』のリードトラック)「ジレンマ」は表情にフィーチャーして撮っていただき、3rdシングルは表情よりも動きの派手さに力を入れて撮影していただきました。今回はその両方を活かしたMVになっています。炎の演出があるなど、これまでの私のMVにはなかった演出もプラスされているので、ぜひ見ていただきたいですね。

――カップリング曲「ねえ、君に」についても教えてください。
 一音、一音圧をかけて歌った曲です。温かさや優しさ、愛がテーマとなっている曲なので、聞いていて思わず顔がほころぶ感じを表現できたら、と思いながら歌っていました。

――こちらのレコーディングはいかがでしたか?
 バラード曲はテンポがゆっくりな分、言葉がより聞き手に届くと思うんです。なので、一言、一言語りかけるようにということを心掛けて歌いました。歌っているとき、私は家族や友達など大切な人を思い浮かべていましたね。

――歌うときは、何かを思い浮かべることが多い?
 多いですね! 完成した音源を家で聞いていたとき、たまたま目の前にこはく(富田さんの愛犬)がいたんです。こはくを眺めながら曲を聞いていたら、すごく抱きしめたくなりました。みなさんもこの曲を聞く時は、大切な人と一緒に聞いたり、思い浮かべながら聞いてみたりして欲しいです。きっと、歌詞に共感してもらえるはず!

――本日色々とお話をうかがってきましたが、これから活動していくうえで、自分には今何が足りないと感じていますか?
 ぜんぶだと思います。自信も技術も足りてない。ただ、気持ちの強さは負けてないと思うから、それだけは大丈夫。

――自信はまだない?
 ないです。ライブ前はいつも不安になりますし、先ほども言いましたが『デート・ア・ライブ』という大作の主題歌を担当すると聞いたときも、「私なんかでいいんですか?」という気持ちが強かったです。ただ、いざ本番でパフォーマンスをするときは、自信がないという姿は見せないようにしたいですね。胸を張って「これが富田美憂だ」って言い続けていきたいです。そういう気持ちって、やっぱり表情や声に乗っちゃうと思うので。

――そうしていくうちに、いつか、ふだんから自信がついたと思える日が来る。
 うーん、来ないと思います(笑)。お芝居もそうなのですが、経験を積んでいるので、デビュー当時よりも技術は身に付いているだろうし、上手くもなっているはずなんです。それでも、先輩方とご一緒すると「やっぱすごいな」「このレベルにはいつ達せるのかな」と思っちゃう。一生あのラインには立てないんじゃないかと思うくらいみなさんすごいんですよ。

――ある種、そういう自信がない部分があるからこそ、「もっと成長したい」「学びたい」と思い続けられるのかもしれません。
 そうですね。でも、みんなそうだと思いますよ。そうじゃなきゃ成長って止まってしまう気がするので。

――シングルのことに加えて、ご自身の考えまでお話くださり、ありがとうございました。最後にアーティストとして今後やりたいと思っていることを教えてください。
 アーティスト活動で掲げているいちばんの目標は日本武道館に立つこと。あとはコンセプトアルバムも出したいと思っています。他にもやりたいことはいっぱいありますね。それをすべて成し遂げていくのは本当に大変だと思うので、やっぱり日々努力しかないなと思っています! がんばります!

プロフィール
富田美憂【とみた・みゆ】11月15日生まれ。埼玉県出身。アミューズ所属。主な出演作は『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』伊井野ミコ役、『シャドウバースF(フレイム)』小鳥遊ツバサ役、『プリマドール』月下役など。

4thシングル「OveR」リリース情報
発売日:2022年4月20日(水)
初回限定盤(CD+Blu-ray)
通常盤(CD only)
<CD収録曲>
1.OveR
2.ねえ、君に
3.OveR(Instrumental)
4.ねえ、君に
<DVD収録内容>
「OveR」ミュージックビデオ+メイキング
価格:
初回限定盤2,090円
通常盤1,430円

「デビュー当時よりも情熱やこだわりは強くなっています」4thシングル「OveR」をリリースする富田美憂にインタビュー

《M.TOKU》

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