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「ガルパ」愛され続けて4周年! Craft Egg・森川修一が語る、開発・運営の舞台裏と今後の展開【インタビュー】

2021年3月16日にリリース4周年を迎える『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』の連載インタビュー。第2弾となる今回は、ガルパの開発と運営を手掛けるCraft Eggの社長・森川修一さんに、個性豊かなバンドや、キャラクターを掘り下げるストーリーなど開発裏話を聞いた。

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「ガルパ」愛され続けて4周年! Craft Egg・森川修一が語る、開発・運営の舞台裏と今後の展開【インタビュー】
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カバー曲やコラボの決め手はお客様の笑顔



――ガルパのリズムゲームパートには多くの楽曲が収録されており、先日300曲を突破しました。リズムゲームを作るうえでこだわったポイントを教えてください。

森川:多くの方に触れていただける作品にしたかったため、ゲーム画面のシンプルさと難易度設定にはこだわりました。


ガルパのお客様の中には、リズムゲームは得意ではないけれどストーリーやキャラクターが好きな方もいれば、とにかくリズムゲームを極めたい方もいます。そのため初めてでも遊べるようなやさしいレベルから、イベント等で追加される高難易度まで幅広く実装しました。
リズムゲームを遊んでいるときに違和感を覚えないよう、手ざわりの快適さなどもこだわっています。

譜面の開発チームが大切にしているのは、楽曲の意図を読み取ること。私たちは楽曲を作れるわけではありませんが、音に込められた意図や、リズムゲームとしての爽快感などは考えることができます。
だからこそ音やシナリオの意味を考え、楽曲の魅力をお客様に体感してもらえるようリズムゲームに落とし込もうとしています。

リリース後に改良を加えたのはBPM(テンポ)チェンジに関連したシステムです。もともとCraft Eggが持っていたシステムにはBPM変更に対応したものがなく、既存のシステムを応用していたんです。

しかしElements GardenさんはBPM変更を含む楽曲は決して少なくはないので、これは専用のシステムを開発した方がいいだろう、と。結果的に、お客様にもより快適に楽しんでいただける環境づくりができたと思います。

――先ほど、ガルパではバンドごとのカバー曲も前提に音楽の方向性を決めているとおっしゃっていました。カバー曲選定の流れを教えてください。

森川:最初にCraft Eggからいくつか候補を提示して、ブシロードさんと相談します。
候補を選ぶときに心がけているのは、楽曲のジャンルやリリースされた年代などを偏らせ過ぎないこと。ガルパにはとくに20代半ばのお客様が多いですが、10代から50代まで幅広い年齢層に遊んでいただけています。
「この曲を待っていた!」とさまざまなお客様に感じてほしいので、ジャンルや年代を散りばめるようにしました。

だからといって楽曲ありきで選ぶとミスマッチになってしまう可能性があるので、あくまでも「このバンドなら演奏しそう」、「このストーリーに合わせて実装するとお客様にも喜んでいただけるだろう」などバンドリ!らしさがブレないように選んでいます。
楽曲選定後は著作権関連の許諾をとり、Elements Gardenさんにアレンジをお願いします。Elements Gardenさんが持っている各バンドの音楽性を信じているので、細かな要望はあえて出していません。


――ガルパはカバー楽曲と同じく、他作品とのコラボも人気があります。コラボ作品の選定はどのように行っているのでしょうか。

森川:年に数回実施する、お客様アンケートの結果を参考に、実現可能かを話し合っています。
ガルパのキャラクターが着た時に合う衣装はあるか、ガルパの多くのお客様が知っている作品であるか、リズムゲームとして楽しめる楽曲はあるかなど複合的に考えていますが、一番大切なことはお客様に喜んでもらえるかどうかです。

サポートでも『ガルパ』の世界観を守りたい



――これまでのイベントやアップデートの中で、とくに印象的だったものはどれでしょうか。

森川:ラウンジ機能の追加です。ラウンジのように、会話を見るだけで“何も循環しないシステム”は斬新でした。


普通はリズムゲームをして育成アイテムが手に入る、ストーリーを読むことで何かが進行するなど、ゲームのサイクルを回すためのシステムが求められます。しかし運営としては、みなさんにカジュアルな気持ちでガルパにログインしてもらい、偶然目にしたキャラクターにも興味を持ってもらえたらいいな、と思っていました。
そして実装した機能がラウンジです。

季節ごとの会話やお正月の隠し芸など、しっかり時間をかけて作りこんだぶん、お客様にも盛り上がっていただけているようで安心しました。

――ガルパは手厚いカスタマーサポートもファンから評価されています。サポートで大切にしているポイントをお聞かせください。

森川:お問い合わせに込められた想いをひとつひとつ読み解いて、コピペではない文章を返しています。
お客様の声はとても大切ですし、お問い合わせいただくほどガルパに対して熱を持っていただいているので、カスタマーサポートも時間をかけて返事を用意する価値がある。その結果、お客様からも丁寧なお問い合わせをいただくので、いい循環が生まれていると思います。


最近はご要望いただいた機能が実装されると、過去にお問い合わせをくださったお客様にもお知らせを送っています。
たとえばリハーサルモードは、「リズムゲームを練習する場所がほしい」というお客様からの要望がきっかけで生まれた機能です。実装された際は、数年前のお問い合わせに対しても「リハーサル機能ができたのでよろしければ遊んでみてください」とメールを送りました。

もしかするとお客様は、それほど返事を期待していないかもしれません。しかし自分の意見がゲームに反映されて返事がもらえたら嬉しいだろう、と我々は考えているので、ひとつひとつ真摯に返しています。
あとは要望やクレームというわけではなく、ゲームやキャラクターの感想をカジュアルにいただくことも多いです。「この子を嫁にください」など、こうしたお問い合わせについてもテンプレートで返さず、お客様と一緒にキャラクターの魅力を語り合えるようなメールを送りました。

運営側がお客様と感覚を共有することはとても大事です。カスタマーサポートひとつとっても、ガルパの世界観を守るためにできることはたくさんあります。どんなメッセージにも目を通しているので、お問い合わせはどんどん送ってくださると嬉しいです。

バンドリ!世代が新たなバンドリ!を作ってくれると嬉しい


――ところでMorfonicaで倉田ましろを演じている進藤あまねさんは、もともとガルパユーザーでもありました。リリースから4年が経つと、開発スタッフにもガルパユーザーが加わったのではないでしょうか。

森川:その通りで、開発スタッフにも「ガルパが好きでこの会社に入りました」と言ってくれる人がいます。プロジェクトを開始した当時はまさかガルパをプレイしてくださっていた方がキャストさんやスタッフとして加わってくれるとは想像もしていませんでした。
今後もプロジェクトがずっと続くことで、バンドリ!を見て育った人がまた新たなバンドリ!を作ってくれるようになったらいいな、と思っています。

――これから予定されているガルパの展開を教えていただけるでしょうか。

森川:4周年以降は、今までとは少し違ったイベントや企画も用意しています。バンドリ!が好きな方にも、リズムゲームが好きな方にも楽しんでいただける内容なので期待していてください。
順次公開中のバンドストーリー3章は、どのバンドにとっても大きな成長のきっかけになっています。残りのバンドについても、楽しみにしていただけると嬉しいです。

また、4月23日に公開される劇場版『BanG Dream! Episode of Roselia I : 約束』に関連した企画も用意しています。


実はひと足先に映像を見せていただいたのですが、かなり良い作品に仕上がっていました。
本作はゲーム内のシナリオがもとになっているので、Craft Eggも監修を担当しています。ゲームはセリフに対して動きを付けていきますが、アニメは動きにセリフを付けている。ゲームだと念入りに描かなければならなかった部分も、映像であれば短時間でしっかり伝わるのだと実感しました。メディアミックスプロジェクトならではの、媒体ごとの表現の違いも楽しんでいただける作品だと思います。

――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

森川:ガルパを本当に長い間支えていただけて本当にありがたいと、まずは感謝の気持ちをお伝えしたいです。
この1年に関しては、大きな不具合を出してしまったこともあり「ガルパ大丈夫?」と心配の声も多くいただきました。お客様を不安な気持ちにさせてしまったことは本当に反省しており、4周年のタイミングで私たちも改めて襟を正して運営に取り組んでいこうと思っています。
アップデートやコンテンツの追加はもちろん、今まで以上にお客様に安心して楽しんでいただけるような環境づくりにも力を入れていく予定です。

また、3周年をきっかけにMorfonicaやRAISE A SUILENといった新たなバンドもガルパに加わったので、キャラクター同士の関係性や成長物語をもっと描いていきたいと考えています。これからの展開にもご期待いただけると嬉しいです。


◆◆◆
ユーザーを楽しませようと日々開発と運営を続けるCraft Egg。とくにカスタマーサポートやライブなどを介したファンとのつながりは、これまでもこれからも大きな支えになると、森川は笑顔で語っていた。4周年や劇場版公開に合わせた企画も多数用意されているという。楽しみに待ちたい。

▼ガルパ4周年記念連載インタビュー▼


>第1弾:「バンドリ!」新バンド・Morfonica誕生秘話、プロジェクト支える楽曲制作の裏側とは? 音楽P・上松範康&藤田淳平

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