「ヒロアカ」デクと爆豪、ふたりの関係性はどう変わった? 山下大輝&岡本信彦「本当の意味で向き合えるようになった」【インタビュー】 | アニメ!アニメ!

「ヒロアカ」デクと爆豪、ふたりの関係性はどう変わった? 山下大輝&岡本信彦「本当の意味で向き合えるようになった」【インタビュー】

12月20日に公開された『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』より、緑谷出久役の山下大輝さんと爆豪勝己役・岡本信彦さんにインタビュー。TVアニメシリーズ、そして劇場版を経てデクと爆豪の関係性はいかに変化したのか――。

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山下大輝、岡本信彦
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『僕のヒーローアカデミア』に登場する緑谷出久(デク)爆豪勝己は、幼なじみであり、ヒーローを目指して共に雄英高校で日々励む。幼少期から続く関係性や、それぞれの思い描くヒーロー像の違いもありぶつかり合う姿が作中では見られたが、12月20日に公開された『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』では、そんなふたりが最凶の敵を前に、ヒーローとして共闘するシーンが見どころのひとつ。
様々なエピソードを経て成長しているからこそ、今回の劇場版で初めて見せるふたりの協力する姿を楽しむことができる。

『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』(C)2019「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 (C)堀越耕平/集英社
劇場版のアフレコを振り返った爆豪勝己役・岡本信彦は「かっちゃんは認めたくないでしょうけど、デクの存在はやっぱり大きい」と、成長の理由を口にする。

一方、緑谷出久役の山下大輝は「デクはずっと『なんでかっちゃんは会話をしてくれないんだろう』と理由を探していたと思う」と、爆豪への向き合い方を語る。

TVアニメシリーズ、そして劇場版を経てふたりはどう変化したのだろうか。岡本が苦労したと語るとあるシーンや、山下が心がけたゲストキャラとの距離感など、劇場版の演技が生まれた裏側に迫った。
[取材・構成=ハシビロコ、撮影=小原聡太」]

※本稿では『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』の内容に一部触れている箇所があります。


■爆豪が“いい人”になった理由


――長い間デクと爆豪を演じているおふたりですが、劇場版を経てキャラクターの印象は変わりましたか? とくに爆豪は初期と比べて、様々な変化も見られますが……。

岡本:劇場版ならではの“ジャイアニズム”はあります。荒くれものも劇場版ではいい人になるのが鉄則といいますか。

今回、かっちゃんの中にあるヒーロー像が少し変わってきたのかな、と感じました。「勝って助ける」と作中で言っていますが、以前は「勝つ」だけだった。そこに「助ける」が入ったおかげで、何かを支えようとする部分が生まれたのかな、と。
これまでは困っている人がいても「うるせぇ!」と言って見捨てることもあったので、TVアニメシリーズ初期に比べると成長していると思います。

岡本信彦
――やはりデクの影響が大きいのでしょうか。

岡本:そうだと思います。本人は認めたくないでしょうけど、デクの存在はやっぱり大きい。
デクが「助ける」と言い続けていたので、かっちゃんの中にもいつの間にか刷り込まれていたのかなと。

山下:刷り込み(笑)。

岡本:あとはオールマイトに自分を理解してもらえたことが精神的支柱になっている気がします。

――これまでのTVアニメシリーズと比べて、劇場版を演じるうえで気持ちの変化はありましたか?

岡本:「デクVSかっちゃん2」(TVアニメシリーズ第61話)以降、かっちゃんはデクの実力や背負っているものを認めています。だからこそ、ふたりがちゃんと会話している雰囲気を出そうと思いました。
今まではデクと話していても対話をできずに、怒号を飛ばしたり殴ってしまうことが多かったのですが、今回は言葉でわかり合おうとしている部分もある。かっちゃんの自尊心は高いままですが、以前よりも心に余裕が出てきたと思います。

――デクとしても、爆豪との向き合い方に成長が感じられます。

『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』(C)2019「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 (C)堀越耕平/集英社
山下:そうですね。でも最初から、かっちゃんと協力しようとする姿勢は変わっていません。デクはずっと、「なんでかっちゃんは会話をしてくれないんだろう」と、理由を探していたんだと思います。
「デクVSかっちゃん2」(TVアニメシリーズ第61話)のときにかっちゃんの想いを聞いて、納得すると同時に、「だったらより一層真正面からぶつからないとダメだな」と。
それまで抱えていた迷いがなくなって、本当の意味でまっすぐ向き合えるようになったんだと思います。

山下大輝

「ヒーローってこんなに素敵なものなんだよ」と伝えるために


――今回の劇場版で、印象的だったシーンを教えていただけますか?

山下:やっぱり活真くんとの会話は難しかったので、印象に残っています。

岡本:子どもとの会話という意味では、TVアニメシリーズ第3期の合宿先で出会ったヒーロー嫌いの洸汰くんとの違いを出すのは大変そうだったね。

山下:洸汰くんのときは、「とにかくこの子を守らなきゃ!」と、デク自身に余裕がない状態でした。
それに対して活真くんはヒーローにあこがれを抱いているし、出会いからお互いにフランク。でも一歩踏み出せない活真くんをどうにかして後押しできたらいいな、と思っていました。ヒーローってこんなに素敵なものなんだよ、って教えてあげたくて。

『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』(C)2019「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 (C)堀越耕平/集英社『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』(C)2019「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 (C)堀越耕平/集英社
演じるうえでは、デクらしく励ますにはどうしたらいいんだろう、と考えました。上から目線で偉そうに話していると思われてもいけないし、ヒーローに対して「こんな風にはなりたくない」とは思ってほしくない。だからこそ、活真くんと目線を合わせて会話しようと意識しました。
デクも活真くんのように自信がなかった人間なので、気持ちのうえでも寄り添えたらいいな、と。

――無個性でもヒーローになれるかを悩んでいたデクと、ヒーロー向きの個性ではないと夢を諦めようとする活真くん。たしかに重なる部分もありますね。

岡本:活真くんの個性って本当は超強いんです。ナインが喉から手が出るほど欲しがる力ですから。

山下:細胞を活性化できるなんてチート級の“個性”です。ボロボロになったとしても細胞を活性化して治せばいくらでも戦えますしね(笑)。

岡本:ワン・フォー・オールの後継者にしたほうがいいくらい、主人公向きの個性です(笑)。


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《ハシビロコ》

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