「ダンメモ×デアラ」激アツシナリオを生み出した3つの軸とは? 橘&大森両先生がネタバレ全開で解説【インタビュー】 2ページ目 | アニメ!アニメ!

「ダンメモ×デアラ」激アツシナリオを生み出した3つの軸とは? 橘&大森両先生がネタバレ全開で解説【インタビュー】

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~メモリア・フレーゼ~(ダンメモ)』が『デート・ア・ライブ』とクロスオーバーイベントを展開。両作品の作者・大森藤ノ先生と橘公司先生にインタビューし、コラボに至る経緯や見どころを訊いた。【後編】

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――『ダンメモ』のコラボイベントといえば、コスチュームチェンジに纏わる衣装ストーリーも見どころですが、今回どのようなポイントにこだわられましたか?

大森
前半でお話したように、自分は『デート』の原作で登場したヒロインの中では六喰が大好きで。そこで、今回登場はさせられないまでも、ネタをなんとか入れられないかなと思い、衣装ストーリーに六喰ネタを入れたんです。
具体的に言うと、琴里の服を着たヘスティアが「胸が苦しい」っていう掛け合いのほとんどは、原作で六喰が琴里の衣装を着て苦しいと言うシーンのリスペクトです! トランジスタグラマー繋がりということで(笑)。


ヘスティア様に琴里の衣装を着させるってのは、ツインテール同士で行けるだろうという理由で、早めに決まりましたね。
逆に、琴里がヘスティア様の衣装を着て紐がだらーんとなってるっていうのも考えたんですけど、それは採用されませんでした……(笑)。

大森
やってみたかった気持ちもありますが……絵面的にちょっと琴里がかわいそうかなと(笑)。


みんなの心にちょっとだけ優しさが残っていた。
琴里とヘスティア様を筆頭に、衣装ストーリーはどれもなかなか面白く仕上がったのではないかと思います。

大森
ネタバレすると、ヘスティアの衣装ストーリーはギャグ全開で、アイズはシナリオ部分の補完になっているんです。本編の描写がユーザーさんには少し不親切だったかもしれないですけど、衣装ストーリーでより補完できるようになっているので、気になった方はぜひ見ていただければと思います。


琴里の衣装ストーリーは1回大森さんから上がってきた時点で十分面白かったんですけど、そこからさらにいじらせてもらいました。

大森
ふたりでふざけ倒しています(笑)。
あとはそうですね、これまでのダンメモのシナリオで何度か試していた『地の文』を思いきって導入しています。『ビジュアルノベル』じゃないですけど、『クロスオーバー』と呼んで頂いた理由はここにあるのではと個人的には。

■W主人公×デート×ループ



――今回のクロスオーバーのメインストーリーの中で、特におふたりがこだわられたポイントはどこになりますか?

大森
前半に関しては『デート』のキャラをまんべんなく絡ませているんですけれど、後半は時が逆行して、ベルと士道がふたりで事件に立ち向かうストーリーになっているんですよね。そこは本当にやりたかったことです。


僕から「せっかく狂三がいるんだから巻き戻そう」 ということは提案させていただいて。

大森
プロットを読んだスタッフさんとお話したときに、「ループものってクロスオーバーでできますか?」と言われたんです。確かに、違う作品のキャラも絡むクロスオーバーで、情報量の多いループものをやるって、なかなかにハードルが高いんですよね。
最初はやり遂げます……としか言えなかったです(笑)。


でも、結果的に上手い形に収まってくれたと思います。

大森
なんだったら時間関係のシナリオを書くのが初めてだったので、これが初めてで良かったな、と思えたくらい経験値を頂けました。

――ストーリーの中でアイズが重要な立ち位置になったのは、どういった経緯があったのでしょうか?


『デート』って、その名の通りデートするのが基本骨子にあるので、「『ダンまち』と絡めた場合に誰を?」となったときに、アイズに白羽の矢が立ったんです。

大森
今回は、「ループもの」「『ダンまち』キャラをデートで落とす」、そして「士道とベルの熱い絡みを見せる」という3つが軸になっていますね。
あとは『ダンまち』側のネタになってしまうんですが、今回ベルがアイズを救う話を描きたいと思っていたので、それもやらせていただいて。


「コラボシナリオで、そこ踏み込んでいいのかい?」と思いました(笑)。

大森
原作でアイズを救う話をまだやっていないので、それの予習をしようと思ったんです。「ベルがアイズを救うとしたら、どうするのか?」という。
それプラス、『ダンまち』7巻の春姫編の復習のつもりでも書いたので、個人的にも勉強になったし、『ダンまち』を知っている方はニヤリとできると思います。

また、リヴェリアというキャラクターがアイズを救ううえで語らずにはいられないキャラクターで、そこにベルと士道が向き合うのもハイライトかなと。

――士道しか精霊の力を封印できないという『デート』の設定をどう入れ込むのかと思いましたが、実際に見てみると「なるほど!」となりました。


今回登場する封印の指輪ですね。これは『ダンまち』世界由来の霊力なんで封印できますという。
設定を『デート』原作に忠実にし過ぎると、縛りがきついですからね。

大森
そこは面白さ重視で、あえて整合性を気にせずに書いた部分でもあるので、原作ファンの方には目を瞑ってもらい、ひとまずお祭りを楽しんでいただければと。
キャラたちにもツッコミをさせてますけど、「コラボだからこうなんだ!」と説明一切なしでやっています(笑)。


そんな中で不思議に噛み合うポイントもあって、大森さんが精霊に風属性をこじつけてきたのはなるほどなと思いました。

大森
本当に偶然の産物です。「この手がありましたよ、橘先生!」って感じでした(笑)。アイズにも精霊の血が流れているという設定があったからなんですが。

――今回のシナリオの黒幕は、『デート』に登場するアイザックでしたが、こちらはどう決められていたのでしょうか?

大森
「ラスボスを出したい!」という気持ちはあったんですよね。ループものをやるうえで、モンスターを倒して終わりでは締まらないなと思っていて。


最初はアイズでしたね。 でも、ヘイトを稼ぎ過ぎちゃうのもどうかという話になって。

大森
シナリオ的に攻めてはいるものの、やはりそれぞれのメインキャラクターたちがヘイトを稼ぐのはいけないという縛りは設けていたんです。
そこで、泥を被ってくれるじゃないですが、堂々たる風格の敵キャラを出したいと思って、『デート』原作でも素晴らしい悪役であるアイザックを呼びたいですと我儘を。
シナリオを既に読まれた方にはわかってもらえると思いますが、声優さんの演技も光って、素敵なラスボスになっています。

あ、でも全力でネタバレですけど、某声優さんと以前お会いした時に「置鮎さんみたい演技って言われて本当に困りました!」と怒られました。内田さん、本当にありがとうございます、ごめんなさい……。
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《山田幸彦》

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