「消滅都市」アニメ化の舞台裏と見どころは? 宮繁之監督&下田翔大が語る【インタビュー】 | アニメ!アニメ!

「消滅都市」アニメ化の舞台裏と見どころは? 宮繁之監督&下田翔大が語る【インタビュー】

2019年4月放送スタートのTVアニメ『消滅都市』より、宮繁之監督と原作シリーズディレクター兼シナリオライター・下田翔大氏にインタビュー。アニメの舞台裏や見どころをうかがった。

インタビュー スタッフ
宮繁之監督、下田翔大
宮繁之監督、下田翔大 全 12 枚 拡大写真
2014年にリリースされ根強い人気を誇るアプリゲーム『消滅都市』がTVアニメ化。4月7日より順次放送される。

これを受け「アニメ!アニメ!」ではリレーインタビューを実施。
ここまではキャストに話を聞いてきたが、最後はメインスタッフで締めくくる。話を聞くのは、宮繁之監督と原作シリーズディレクター兼シナリオライター・下田翔大氏だ。
[取材・構成=松本まゆげ/撮影=小原聡太]

『消滅都市』メインキャスト連載インタビュー
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『消滅都市』



2019年4月7日よりTOKYO MX、読売テレビ、BS11にて順次放送

■アニメ化の難しかったポイントとは?



――まずは、アニメ化始動当初のお話から聞かせてください。アニメ化を決めたお話は以前のインタビューで聞きましたが、下田さんたちゲーム側が提案した部分についてもう少し詳しく教えていただけますか?

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下田
アニメ化したいというお話をポニーキャニオンの松岡貴徳プロデューサーからいただいたとき、最初にお伝えしたのが「キャラクター紹介的なアニメにはしたくない」ということでした。

――いわゆる“お当番回”のような。

下田
「今回はあのキャラの紹介回だったね」みたいなものですね。
もちろんゲームのアニメ化というと一番わかりやすいものだと思いますし、キャラクターが魅力的に描かれることでゲームも盛り上がるというのはよくある構図です。

ただ、だからといってそこを主軸とするのは『消滅都市』らしくないと思っていたんです。
「世の中にアニメやゲームがたくさんあるなかで、僕らがやるべきはそこなんだっけ?」と。『消滅都市』がどのように世の中に伝わっていくべきなのかと考えたとき、やっぱり“ドラマ”部分だろうと。そこがアニメ化するうえで一番軸としたいと思っていた部分でした。

とくにTVシリーズとしてアニメ化するということで、監督も「しっかりとドラマをつくれる方にお願いしたい」と話していた記憶がありますね。

下田翔大下田翔大
――そこで宮監督に声がかかったんですね。当時、宮監督が抱いていた『消滅都市』の印象というと?


CMしか知らなかったんですが、その印象はとても良かったです。「実写映画のCMなのかな?」と思うくらい雰囲気がとても良くて。
最初にマッドハウスの林雅紀プロデューサーから話をもらったときは「あ、あのCMだ。ゲームのCMだったんだ」と思ったのを覚えています。ゲームの世界観もCMのようにファンタジー然としていなかったですし、僕には向いている作品なんじゃないか、じゃあやってみようかという感じでしたね。

――スタッフが揃って、最初に顔を合わせたのはいつごろですか?

下田
2017年の春くらいでしょうか。


そうですね、Wright Flyer Studiosさんに呼んでいただきました。普通のアニメシリーズよりは早かったですね。
そうして制作が進んでいくんですけど……実は最初から困ってしまいました。なんせ、原作の物語は、アニメとしてはあってないようなものなんです。

宮繁之監督
――あってないようなもの、とは?


ゲームとしてはすごく楽しいんですよ。監督を引き受けてからやってみたら、楽しくてしょうがなくて奥さんに止められるくらいやったんですけど(笑)、これをアニメーションにするとなると難しいんですよ。

下田
当時も監督と何度も話をしていたんですけど、ゲームの『消滅都市』は強制的に横にスクロールしていく。で、音楽がかかるなかスフィアを取るシンプルな気持ちよさと、チェインをつないでいきフィーバーするという快感がある。ここで感情的な部分がわりと満たされてしまうんですよね。ゲームとしてまとめるために、この感情の流れを一番重視して、それを阻害する部分はとことん省略しています。
だけどアニメでは、スフィアを取ったりフィーバーするという一連はなくすしかない。だからアニメではそれに代わる何かを作る必要がありました。


なので、「ゲームで描かれているストーリーをアニメに起こす」「ストーリーの行間を埋める」といったことではなく、ほとんどイチからの作り直しでした。
そのためにはキャラクターの日常や、人間としての根源的な部分を見つめ直す必要がありました。それぞれ日々のなかで立ち行かないことに直面したりして、それでも可能性を求めて選択して進んでいく。そこで選んだ道の先にある光と、スフィアを取るときの気持ちよさを近いものにさせようと。

下田
思えば打ち合わせでは、キャラクターたちの日常の話をたくさんしましたね。自分はゲームデザイナーなので、シナリオやキャラクターだけで勝負をしているわけではなく、ゲーム性があるなかで、インタラクティブなメディアとして伝わるものは何かという作り方をしています。
だから、ゲームを“原作”にするよりは、“原案”にしたらどうかと。原作をもとにアニメ化するというよりは、ゲームという原案をどうやってイチから組み上げていくかという考え方にみんなでシフトしていきました。

宮繁之監督、下田翔大
――とはいえ、実際にやるとなるとかなり難しい作業ですね。


そうなんですよ。下田さんはクレバーな方だからこういう言い方をするけれど、僕からしたらプレッシャーでしかないんです(笑)。

下田
そうですか?


あっさり「原案」とおっしゃいましたが、このプレッシャーたるや……(笑)。
完成したものを観たユーザーさんが「これは紛れもなく『消滅都市だ』」と思っていただけるように作らなければなりません。なので「原案だから世界観が崩れても知りません」というわけにはいかないんです。
下田さんは声を張り上げるようなタイプではないので分かりづらいですけど、笑いながら絞め殺すタイプなんです(笑)。

下田
ははは、そんなことない!(笑)

宮繁之監督、下田翔大

打ち合わせの度にお腹痛かったです。「林さん(マッドハウスプロデューサー)、なんていう仕事持ってきてくれたんだ!」と思いました(笑)。


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《松本まゆげ》

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