なぜ“TRIGGER”のアニメは国境を越えて愛される力があるのか? 設立7年の歩みと展望を聞く 3ページ目 | アニメ!アニメ!

なぜ“TRIGGER”のアニメは国境を越えて愛される力があるのか? 設立7年の歩みと展望を聞く

アニメサイト連合企画「世界が注目するアニメ制作スタジオが切り開く未来」第3弾。TRIGGERのこれまでとこれからについて、社長の大塚雅彦氏(写真左)と『SSSS.GRIDMAN』のラインプロデューサー竹内雅人氏(写真右)に話を聞いた。

インタビュー スタッフ
注目記事
なぜ“TRIGGER”のアニメは国境を越えて愛される力があるのか? 設立7年の歩みと展望を聞く
なぜ“TRIGGER”のアニメは国境を越えて愛される力があるのか? 設立7年の歩みと展望を聞く 全 15 枚 拡大写真

度肝を抜くアニメ『SSSS.GRIDMAN』



――今、雨宮監督の新作『SSSS.GRIDMAN』の話がでました。ラインプロデューサーの竹内雅人さんに、現場の様子をうかがいたいと思います。制作が進んでいると思いますが、手応えはどうでしょうか。

竹内
もし自分がアニメファンとして『SSSS.GRIDMAN』を見たら、確実に度肝を抜かれるでしょうね。映像にビックリして、久しぶりに鳥肌が立つような、ゾワるアニメーションになっています。
アニメらしい伝統芸能の部分があって懐かしさもありますが、懐かしさだけでなくそれをうまく今のアニメに落とし込んでいること、そして「これはアニメでは見たことがない」と思えるような新しさもすごくあって、驚きの連続です。

『SSSS.GRIDMAN』
竹内
最初はもとの『電光超人グリッドマン』(円谷プロダクション製作。1993年放映)をベースに、雨宮監督のオリジナル要素を加えた作品にするという方向性で進んでいました。
でも、企画が進むにつれて、原作は25年ほど前のタイトルなので、今のアニメファンに向けて作らないと見てもらえないだろうという意見が出たんです。
それを踏まえて、タイトルは借りながらも、まったく新しい作品にしようとシフトチェンジをしました。

僕も含めて現場は若いスタッフが多いです。若いチームでやっているのでお互いに気心も知れていて、ディスカッションがしやすい環境だなと思っています。
そして大事なポイント、外せないポイントではもちろんベテランの方からアドバイスをいただく、お力をお借りする、『SSSS.GRIDMAN』はそんな現場です。だから僕自身すごく楽しいですし、スタッフみんなも作品にすごく協力的な印象があります。

切磋琢磨していけるような環境を作る



――竹内さんにもファンからの質問を。「素晴らしいアイディアはどのように生まれるのでしょうか?」です。

竹内
仕事をお願いする相手に「こういうことをやりたいんです」「こういう感じが好きなんです」「こういう風にしたいんです」とまず夢を伝えるんです。その上で「あなたならどうやりますか?」と一度考えてもらうんです。
そういうふうに発注をすると、発注を受けたスタッフも前のめりになって、良いアイディアをいただけることが多いと思います。
デザインやコンテ、演出や作監、3D、撮影や美術、色彩、制作に関してもみんな同じですね。発注する時にいかに熱意が伝わるか、それが素晴らしいアイディアに結びつくと思っています。

大事なのは、そういう会話ができるような雰囲気を作ることで、そこが良いアイディアが生まれてくるために必要なことだと思っています。
「アイツを笑わせたら勝ち」「アイツを唸らせたら勝ち」というと少し大げさですが、みんなが互いに相手を意識して、その空気を肌で感じたとき、「楽しい!」「自分が作品を作っている!」と実感できるのかなと思います。

僕の場合、自分が周囲に「こういうことをやりたいんだ」と夢を伝えることだけでなく、ほかの人が思っていることを誰かに伝えることも多いです。
アニメーターさんは机に向かいがちになってしまうことが多いので、「あの人はこういうのやりたいと言っていましたよ」とか「あんなことをやっていましたよ」という話を雨宮監督やほかのスタッフへと繋げていくんです。
そういう橋渡しをすると、「アイツがそんなこと言っていたんだ」とお互いに意識しあって、化学反応が起きるんです。そんな恋のキューピッド的なこともこっそりしてたりします(笑)。


――放送を楽しみに待っているファンに向けてのメッセージをお願いします。

竹内
25年前のタイトルを引き継いでいるので、原作を知らないから敬遠している方もいらっしゃるかもしれません。でも僕たちは『グリッドマン』を知らない人にこそ届けたくて新しいキャラクターや、ストーリーを考えました。
もちろん原作へのリスペクトもありますから、原作をお好きな人であれば、必ずご満足いただける、そしてまた原作が観たくなる作品になっていると思います。

すごく良いものを届けられると思っていますので、『グリッドマン』を知らない人であっても食わず嫌いをせずに一度見ていただければうれしいです。

お客さんが楽しんでくれる作品を



――では最後に、大塚さんから、トリガーを応援している国内・海外のファンにメッセージをお願いします。

大塚
TRIGGERは、監督中心に面白いものを作りたいといつも思っています。我々は作るだけであって、お客さんに見てもらって初めて作品は体を成します。
お客さんがいないと始まらないと思っています。お客さんが楽しんでくれることで、我々も次の作品を頑張って作ろうという気持ちになれます。

作品を見て楽しんで――ダメだったらダメだと言ってもらって構いませんが――もし良いところがあれば、素直に「良かったよ」と言ってくれることが本当に力になるんです。
頑張って良いものを作りますので、それを面白いと感じてもらえたら一言「良かったよ」と言っていただければうれしいです。


◆◆
この連載記事では、インタビュー記事を読んでくれた“あなたが直接アニメスタジオに応援や感謝のメッセージを送れる”ファン参加型の企画を実施中!
アニメ!アニメ!もパートナーの1社で参画しているコミュニティ通貨「オタクコイン」内の企画で、この秋ローンチを予定のアプリと連動して行います。


オタクコインの最新情報をお届けする下記のメルマガに登録して続報をお待ちください。


『SSSS.GRIDMAN』作品情報

放送情報
TOKYO MX:2018年10月6日(土)より、毎週土曜25:00~
MBS:2018年10月6日(土)より、毎週土曜26:08~
BS11:2018年10月6日(土)より、毎週土曜25:00~
WOWOW:2018年10月6日(土)より、毎週土曜24:00~

(C)円谷プロ
(C)2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会
  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3

《藤津亮太》

特集

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]