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なぜ“TRIGGER”のアニメは国境を越えて愛される力があるのか? 設立7年の歩みと展望を聞く

アニメサイト連合企画「世界が注目するアニメ制作スタジオが切り開く未来」第3弾。TRIGGERのこれまでとこれからについて、社長の大塚雅彦氏(写真左)と『SSSS.GRIDMAN』のラインプロデューサー竹内雅人氏(写真右)に話を聞いた。

インタビュー スタッフ
なぜ“TRIGGER”のアニメは国境を越えて愛される力があるのか? 設立7年の歩みと展望を聞く
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ファンの反応がエネルギーになる



――海外のコンベンションでもTRIGGERの作品は人気がありますし、TRIGGERというスタジオ自体にもファンは熱狂しています。

大塚
配信メディアが普及することで、海外のファンも日本とリアルタイムで同じものを見てもらえる時代になりました。だから我々は国内だけではなく海外のイベントにも積極的に参加したいと思っています。
「日本だけじゃなくて、世界中で見られているんだ」と知ることは、また新しいモチベーションに繋がります。

海外のイベントで実感するのは、日本のファンより向こうのファンの方が声が行動的と言いますか(笑)、お国柄の違いと言いますか、楽しみ方が受動的ではないんですよ。自分たちも積極的に楽しもうという姿勢を強く感じます。
スタッフである我々としても、すごく楽しそうにしているファンの姿を見るのは嬉しいですし、本当にありがたいなという気持ちになれますね。

スタッフの中には「海外に行くのは億劫だよ」と言う人もいるのですが、実際に参加すると「行ってよかった」と心変わりする人が多いですね。

もちろん作品を作ることがメインではありますが、国内外の活動を通じてファンの反応を見て、我々もエネルギーをもらうことがあります。そのために今後もやっていきたいなと思っています。

アニメーター育成に向き合う



――トリガーの設立理由のひとつに人材育成を挙げられました。人を育てていくことの大事さについて教えてください。

大塚
昔は、技術というものは先輩から盗むものであって、教えてもらうものではなかったんです。我々の世代は自分で見聞きして奪い取るんだと考えていました。
でも今の世代はあまりそういう感じではないんですよね。がっついていないと言いますか……。

時代がそういう風に変わっているのであれば、我々がそれに合わせて、教えることにきちんと向き合っていかないと、アニメーション自体がなくなりかねない。ガイナックスから出ようと思った前後の時期に、そういう危機感を抱き始めたことが今に繋がっています。
教育については進めている今も難しいなと感じています。でも、だからこそやっていかなければいけない部分ですね。

アニメーターは基本的には個人作業だから、机に向き合っていれば、人と接しなくてもできてしまうんです。そういう意味では、みんなで作っていることを感じないままでも、できてしまう仕事なんです。
そういう環境にある人は、自分だけの世界に入ってしまって、技術的なことも「我流でいいんだ」という考えに陥りやすい。

だから先輩と後輩がいて一緒に仕事をしていく場は、きちんと持たないといけません。それに先輩は先輩、後輩は後輩とで固まるのではなく、もっとぐちゃぐちゃになって一緒にやっていくことも必要ですね。
それが今どのぐらい上手くいっているのかは分かりませんが、そういう場所は必ず必要なんだと強く思っています。

アニメ作りのすべてが楽しい



――ここでTokyo Otaku Modeで募った海外のファンからの質問を聞かせてください。「アニメを制作するときは、どこを楽しみにしていますか?」。

大塚
もちろん人によって違うとは思いますが、僕は全部が楽しいんですよ。アニメを作っていると体力的にキツイことはありますし、悩んだりもするのですが、それも含めて全部楽しいんです。
僕は最初はスタジオジブリの演出助手でアニメ業界に入りましたが、演出助手の時もツライと思ったことはないんです。なんなら「ずっと演出助手をやっていてもいい」と思うぐらいでした。
役職にかかわらず、自分がやれること、作品にプラスになることは、どんなポジションでも見つけられると考えているんですよ。そういう自信さえあれば、役職はなんでも構わないです。

ガイナックスも「演出だから、作品に関わるのはここまで」といった垣根がない会社だったので、役職にかかわらず何をやってもいいところがあったんです。
庵野(秀明)さん(『新世紀エヴァンゲリオン』監督)たち先輩がそうやって仕事をやっている姿を見て、「何をやってもいいんだな」と。
実際、自分がやりたいことを最後までちゃんとやり遂げるという意志があれば、何でもやらせてもらえました。ただし「やったからには責任を取れよ」というところはありますが。

アニメーションはTVの1話だけでもおよそ30分の尺がありますから、どうやったってひとりで作ることは難しい。それでいろいろなスタッフと一緒にやるのですが、人が変わればできあがる作品もガラッと変わります。
一緒に作るこの人たちと何をやるのかが大事なことであって、だから楽しいんだということが多分にあると思います。

――TRIGGERが5年後、10年後に目指すスタジオ像はどんなものでしょうか?

大塚
僕がTRIGGERを立ち上げたときには「5年保たせたい」と言っていました。5年目が来たときは、次の目標に「10年まで保たせることです」と言いました。
今石監督と吉成監督からスタートしたTRIGGERですが、そうやって続けてきた結果、秋の作品では雨宮(哲)監督という次の世代の、もっと若い監督が出てきてくれました。作品的にも、我々が作っていたものとは、少し違った感覚のある面白いものになっています。
それは作品について我々がどうこう言ったからではなく、そういうものが出てくる土壌を作った結果なんですね。だから、ここから先はそういう人たちが、もっと出てこれるような土壌をしっかり作るようにしたいです。
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《藤津亮太》

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