「世界が注目するアニメ制作スタジオが切り開く未来」
Vol.3 TRIGGER
世界からの注目が今まで以上に高まっている日本アニメ。実際に制作しているアニメスタジオに、制作へ懸ける想いや制作の裏話を含めたインタビューを敢行しました。アニメ情報サイト「アニメ!アニメ!」、Facebook2,000万人登録「Tokyo Otaku Mode」、中国語圏大手の「Bahamut」など、世界中のアニメニュースサイトが連携した大型企画になります。
全インタビューはこちらからご覧ください。
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TRIGGER 代表作:『キルラキル』、『リトルウィッチアカデミア』、『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(A-1Picturesと共同制作)、『SSSS.GRIDMAN』、他多数。
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パワフルな作画と魅惑の作品世界。TRIGGERの作品には、国境を飛び越えて愛される力がある。そして10月からはいよいよ新作『SSSS.GRIDMAN』が放送開始に。
監督は雨宮哲。『キルラキル』で助監督を、『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』でシリーズディレクターを務めた雨宮が本格的にTVシリーズを手がける。それは『キルラキル』の今石洋之、『リトルウィッチアカデミア』の吉成曜に続く、TRIGGER第3の監督の登場ということでもある。
TRIGGERのこれまでとこれからについて、社長の大塚雅彦氏(写真左)と『SSSS.GRIDMAN』のラインプロデューサー竹内雅人氏(写真右)に話を聞いた。
[取材・構成=藤津亮太]
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■きっかけは、新しい試みへの興味
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――大塚さんは2011年にトリガーを設立されました。その時、こんなスタジオにしたいというイメージはあったのでしょうか?
大塚
TRIGGERを創業してから結構経ってしまいましたが、やっていることは、以前所属していたガイナックス(代表作:『トップをねらえ!』、『ふしぎの海のナディア』、『天元突破グレンラガン』)のころとあまり変わってはいないんですよ。
それまでも、やりたいことができなかったわけではなくて、むしろ好き勝手にやっていたところがありましたから。だから、作品の方向性というよりは、スタッフの育成やファンとの接し方をどうしようかという点で、新しい試みをしたいなとは考えていました。
一方で、僕らがアニメーションを作り始めたころはセルの時代でしたが、それがデジタルに変わって、TRIGGERを設立するころはネット配信もそろそろ本格化していくというタイミングでした。アニメーションの在り方が変わってきているそういう時期に新しいことをやりたいなと。そのためには新しい場所の方がいいのではないかと考えたのです。
――トリガーはファンに対してオープンな会社だというイメージがあります。
大塚
それはガイナックスにいたときから変わらないところですね。基本的にスタッフは裏方であって、作品を見てもらえることが一番です。
とはいえ、お客さんの中には、裏側をもっと知りたいというファンもいますし、作品をどうやって作っているのかを知ってもらえればアニメの楽しみ方も変わってくるのではないかと。だから「もうちょっとスタッフも前に出ていいんじゃないか」と当時から考えていました。
もちろんお客さんと喋りたいスタッフもいれば、人前に出るのが苦手なスタッフもいますから、全員が全員前に出るわけにはいきません。
ただ「(イベントや取材に)出てもいいよ」というスタッフがいて、話を聞きたいというファンがいて、2つのニーズが合うのならば、そういうことをやっていってもいいんじゃないかと。
TRIGGER設立当時は、ファンとの交流を積極的にやっているスタジオも少なかったので、ちょっと面白いかなと思って、やっていきたいなと考えたんです。