――カントク先生の描き下ろしイラストで、那由多と京のフィギュア化がなされました。自分で描いた絵が立体になるというのはどんな感じなのでしょうか?
カントク
嬉しいですね。特に今回は、今まで類を見ないくらい細かく直してもらえたので、最終的には相当底上げされて納得のクオリティになったと自負しています。僕のイラストを元に、関わっている方みんなが「もっとこうしたほうがいい」とグイグイ意見を出してくれて、僕も「こうしてほしい」と相互に意見を出し合いながらつくっていきました。そんな要望に応えてキッチリ立体化していただいた原型師の方には頭が上がらないです。
――お気に入りのポイントはありますか? まずは那由多からどうでしょう。
カントク
那由多については、造形としてしっかり那由多になったと思います。そこが一番心配だったんです。アホ毛や髪の分け方など記号的といいますか、デフォルメの強いキャラクターなのですが、フィギュアだと生々しさを出さないといけないから、けっこう難しいのではないかと懸念がありました。でも、おっぱいも良い感じに盛られているし、写真の撮り甲斐のあるポーズになっていて、しっかりと立体化していただけて満足です。
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――京はいかがでしょうか?
カントク
最初に上がってきた段階からくびれがパーフェクトだったので、ただひたすらくびれの良さを邪魔してしまうパーツを良くしていこうという方向性でした。例えばスカートは最初は少し大きく見えてしまっていたので、できるだけ削って体にフィットする形に修正しました。最終的には女の子らしい色気が出たんじゃないかな……と。色々な角度からぜひ見て欲しいです。
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――こちらも皆さんにお聞きしているのですが、“理想の妹”像はありますか?
カントク
これは難しい! 僕は妹がいるんですけれど、残念ながら理想では無かったんです。
――実は春斗みたいなことはないですか?
カントク
それはまったくないですね(笑)。リアル妹は普通の人間なので、そういう意味では春斗みたいにもっと年の離れた妹で、業界に理解があって応援してくれる妹ならベストかなぁ。僕は千尋が欲しいですね。
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――千尋大人気ですね。最後の質問になるのですが、Blu-rayのパッケージイラストを担当されたそうですが、それも踏まえて改めて『妹さえいればいい。』を見る時に注目してほしいポイントを教えてください。
カントク
パッケージイラストは、“楽しい日常とドラマ性”の両立を目指しました。僕の絵をたくさん見ていただいて、こういうのはどうだろうかという発注を受けて挑んだイラストだったんです。『妹さえいればいい。』はその“楽しい日常とドラマ性”を両立している作品なので、上巻だけでも十分それを堪能できると思います。影も光もあるよという部分を、パッケージでも逆光で表現しています。そういった裏の深い部分を探ってもらえると、味わい深い作品なんじゃないかと思います。
『妹さえいればいい。 』
Blu-ray BOX 上巻
価格:¥18,000(税抜き)
発売日:2018年1月26日
Blu-ray BOX 下巻
価格:¥18,000(税抜き)
発売日:2018年3月23日
【「妹さえいればいい。」連載インタビュー記事まとめ】
第1回 原作・平坂読先生「伊月と春斗は両方とも自分」
第3回 音楽・菊谷知樹「クリエイターの日常を“渋谷系”で表現」