岡田麿里がアニメ初監督「さよならの朝に約束の花をかざろう」2018年2月24日公開 | アニメ!アニメ!

岡田麿里がアニメ初監督「さよならの朝に約束の花をかざろう」2018年2月24日公開

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『心が叫びたがってるんだ。』を手がけた脚本家・岡田麿里がアニメ映画の初監督を務めることが分かった。タイトルは『さよならの朝に約束の花をかざろう』となり、2018年2月24日に全国公開される。

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『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『心が叫びたがってるんだ。』を手がけた脚本家・岡田麿里がアニメ映画の初監督を務めることが分かった。タイトルは『さよならの朝に約束の花をかざろう』となり、2018年2月24日に全国公開される。情報発表にあわせて、ティザービジュアルと特報が明らかになった。

岡田麿里は1976年生まれ。1996年にビデオシネマで脚本家デビューを果たし、1998年に『DTエイトロン』でアニメ脚本を初担当。2011年にはTVアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、2015年には映画『心が叫びたがってるんだ。』とオリジナル作品を発表し、少年少女たちの青春を細やかな心理描写で表現した。2017年には実写映画の脚本も手がけた彼女が、今度は監督として作品を送り出すことになった。
映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』のティザービジュアルには、草原の中を走るキャラクター二人の背中が描かれている。その向こう側には大きな空が広がり、壮大な世界を感じさせる出来映えだ。特報では髪の長い少女が走るシーンが登場。旗を織る手、歴史を感じさせる石畳の街並み、大きな手が小さな手を取り合う場面など、数々のイメージがテンポよく繋がっている。岡田が描く新たな世界観への期待が膨らむ30秒に仕上がった。


アニメーション制作は『true tears』や『花咲くいろは』でタッグを組んだP.A.WORKSが担当。チーフディレクターは篠原俊哉、キャラクター原案は吉田明彦、キャラクターデザイン・総作画監督は石井百合子、美術監督は東地和生、美術設定・コンセプトデザインは岡田有章、音楽は川井憲次、音響監督は若林和弘が務める。
7月8日には第1弾前売券が発売される。特典としてティザービジュアルを用いた特製クリアファイルが付属する。価格は1500円(税込)だ。岡田と堀川憲司プロデューサーのコメントも発表されており、制作決定に至るまでの経緯を知ることができる。脚本家がアニメで監督を務めるケースは珍しく、今後の動向にも注目が集まりそうだ。

『さよならの朝に約束の花をかざろう』
2018年2月24日(土)全国ロードショー
配給:ショウゲート

[スタッフ]
監督・脚本:岡田麿里
チーフディレクター:篠原俊哉
キャラクター原案:吉田明彦
キャラクターデザイン・総作画監督:石井百合子
美術監督:東地和生
美術設定・コンセプトデザイン:岡田有章
音楽:川井憲次
音響監督:若林和弘
アニメーション制作:P.A.WORKS

[コメント]
岡田麿里
今から五年前。P.A.WORKSで脚本を担当した作品のイベントがあり、その楽屋で堀川社長に「岡田さんの100%をさらけだした作品を、いつか見てみたい」と言われました。阿呆な私はその言葉を完全に真に受け、悶々と考えました。「作品で自分をさらけだすって、どういうことだろう?」アニメーション制作という多くの人がかかわる共同作業の世界で、堀川社長の言葉を実現しようとするなら、すべてのセクションに最初から最後まで関わるしかない。私は堀川社長に、監督をやらせてほしいとお願いしました。緊張しすぎて、口の中がからからになったのを覚えています。
この『さよならの朝に約束の花をかざろう』は、脚本家の視点としてずっと書いてみたかった物語です。監督として、その先にある映像や音などにも触れさせてもらえることになり、大きな喜びと同時にプレッシャーもあります。それらを乗り越えられるのは、作品に参加してくれるスタッフのおかげです。憧れていた素晴らしいクリエイターの先輩方、尊敬し信頼できる同世代の仲間たち、新しい刺激をくれる力ある若者たち。慣れない仕事に迷惑をかけてばかりの私を、真摯な仕事と熱意で支えてくれる皆と、長い時間を共に過ごし話し合いを重ねて。あがってくる素材をチェックするたび、子供の頃の夏休み、アニメ映画を見て「すごい!」と前のめりになった気持ちが蘇ってきます。画面をこえてどこまでも、見知らぬ世界が続いていくようなあのときめき。まだ制作過程ではありますが、素晴らしいスタッフの力で、ちっぽけな私の100%などゆうに飛び越えた作品になると確信しています。
人と人とのふれあいが織りなす、出会いと別れの物語。誰もがいつかの自分を重ね合わせられるような、じんわりとした温かさのある作品を目指しています。どうぞよろしくお願いいたします。

堀川憲司
一人の作家が抱える世界観が、作品の隅々まで浸透している作品をアニメーションで作ってみたい。そんな話を脚本家の岡田麿里さんにしたことを記憶しています。包み隠すところのない岡田麿里100%の物語の中に、共同作業のセオリーでは届かないであろう、深く不可解な人の内面を描いて欲しかったのです。岡田さんはそれをエンターテインメントとして書ける人です。
しばらくして岡田さんから「作りたい作品があります。監督をやらせてくれませんか」と相談を受けました。監督という提案には驚きましたが、言葉を絞り出す岡田さんからは覚悟が伺えました。劇場作品であることを条件にOKしました。
『さよならの朝に約束の花をかざろう』のキャストが決まった頃、脚本の読み合わせをしました。大きな手応えを感じるものでした。その日の僕の備忘録には、「この作品を与えてくれてありがとう。監督に感謝の気持ちが湧いてきた」と書かれています。
この作品のテーマについて、岡田監督とは話さないようにしています。ストーリーの底に流れる、岡田監督自身も意識していないであろう“らしさ”を、何度も観て感じたいと思います。
これは全編を通して愛する者と愛される者の物語であり、岡田さんの血を分けた複数のキャラクターが、互いに愛を問う物語だと思います。脚本家の岡田さんが、言葉だけではなく、言葉と映像と音を併せた映画を監督することで可能になった表現です。
初監督をサポートするのは「この作品は素晴らしい作品になるに違いない。最高のものにしたい」と考える力のあるスタッフばかりです。その意気込みが強すぎて、完成予定日を考えるとプロデューサーとしては日々頭を抱えてのた打ち回らずにはいられません。ちゃんと完成したら岡田監督には、ラインプロデューサー堀川の灰になった骨を拾って貰おうと思います。

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《高橋克則》

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