「RedAsh -GEARWORLD」新感覚のルックで魅せるフル3DCGアニメ 佐野雄太監督が見どころ語る
あにめたまご2017よりSTUDIO4℃制作『RedAsh -GEARWORLD』について、佐野雄太監督と久江由華プロデューサーにインタビューを行った。
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西暦と呼ばれる時代が終わり、人類はナノマシンが組み込まれた遺伝子を持つナノ種(ナノレース)と純粋な人間・ピュア種(ピュアレース)の2種族に別れていた。そこは特殊能力を持つナノ種がピュア種に管理される世界。ナノ種であり伝説のハンター“レッドアッシュ”の異名を持つ少年ベックは、相棒のタイガーと共にトレジャーハンティングで生計を立てていた。ある時、ひとりの少女がふたりの車に逃げ込んできて、追手の3人組と大騒動を巻き起こす――。
監督はSTUDIO 4℃のCG部門で活躍するCGアニメーターの佐野雄太氏。初監督作品として、STUDIO 4℃初となるフル3DCG作品『RedAsh -GEARWORLD-』を手がける。制作現場をマネジメントしパートナーとして活躍した久江由華プロデューサーにも同席いただき、本作にかけた思いや育成面でどのような工夫を凝らしたのかなど、じっくりとうかがった。
[取材・構成:細川洋平]
――まずはSTUDIO4℃さんが、あにめたまご2017に参加された経緯を教えてください。
佐野雄太監督(以下、佐野)
STUDIO4℃がこのプロジェクトに参加するのはアニメミライ2014 『黒の栖‐クロノス‐』、あにめたまご2016『UTOPA』に続き今回で3回目になります。先の二回ではそれぞれ若手作画スタッフの教育に勤めました。
その中で昨年、武右ェ門さんのCG作品である『風の又三郎』を見て、弊社もCG班の教育をしたいと応募に至りました。
――佐野監督のご参加はいつ頃だったのでしょうか。
佐野
あにめたまごの参加を決めたのは社長の田中(栄子)プロデューサーですが、この『RedAsh』という企画自体はそれより前から進んでいました。フル3DCGを前提に、内容の打ち合わせを繰り返していて、時期的にちょうどあにめたまごの応募と重なっていたので、田中社長から「じゃあ出してみようか」と。作品自体もともと大きな構想だったので、あにめたまご用にまとめるのはかなり苦労しましたね。『RedAsh』はSTUDIO4℃的にもチャレンジの作品だったんです。そこに若手教育も、というのは正直無理じゃないかと最初は思いました。
――「チャレンジ」とはどういったところでしょう?
佐野
「フル3DCG作品」ということです。ウチはもともと作画スタジオなので、『ベルセルク 黄金時代篇』(劇場3部作)にしても『ハーモニー』にしてもCGは作画の補助的なスタンスでした。CGのルックも今までなら輪郭線を付けてベタ塗りするいわゆる作画調にしていたところを、今回は輪郭線をなくして塗りは質感のあるテクスチャを使っています。
――チャレンジに加えて“育成”を両立させる必要があるかと思いますが、育成用にチューニングするという考えはありましたか?
佐野
最初は悩みましたけど、そもそも弊社は、常に新しい表現を模索しているようなスタジオなので、あにめたまごだからと教育に適した作品を選んでも、その後の仕事で経験を活かせないのでは、やる意味がないと思うんです。だからスタジオが本当に作りたいものの中で教育していこうと考えました。
――ルックのコンセプトはどのようなものですか?
佐野
イラストが動いているようなものにしたいと思っていました。
――シナリオは大河内一楼さんが担当されていますね。
佐野
『ベルセルク』でもお世話になっていましたのでお名前はずいぶん前から挙がっていたんですが、大河内さんのご都合がなかなかつかず、ご参加が正式に決定したのが4月前後。新しいチャレンジでも、ストーリーを含め“骨格”がしっかりしてれば安心だろう、ということでお願いしました。
《細川洋平》
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