ジブリ名プロデューサーが語る「仕事術」とは? 鈴木敏夫×石井朋彦トークイベント | アニメ!アニメ!

ジブリ名プロデューサーが語る「仕事術」とは? 鈴木敏夫×石井朋彦トークイベント

2016年12月6日(火)、東京都内にあるDNPプラザにて、「『自分を捨てる仕事術』鈴木敏夫×石井朋彦スペシャルトークイベント」が開催された。

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ジブリ名プロデューサーが語る「仕事術」とは? 鈴木敏夫×石井朋彦トークイベント
ジブリ名プロデューサーが語る「仕事術」とは? 鈴木敏夫×石井朋彦トークイベント 全 5 枚 拡大写真
2016年12月6日(火)、東京都内にあるDNPプラザにて、「『自分を捨てる仕事術』鈴木敏夫×石井朋彦スペシャルトークイベント」が開催された。このイベントは、2016年8月に出版された石井朋彦著『自分を捨てる仕事術 鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド』の仕事術について語られるトークショー。
著者・石井朋彦の師匠でもある、スタジオジブリ代表取締役プロデューサー・鈴木敏夫を招いての師弟対談という貴重な機会とあって、会場には多くの希望者の中から抽選で選ばれたファンが訪れていた。司会は、『崖の上のポニョ』の主題歌を歌った藤巻直哉。また、この様子はLINELIVEでも生中継された。

本について、石井は「鈴木さんが話したことをメモにためていて段ボール2、3箱分あったものを整理してまとめた本」だと話し、「ほとんど鈴木さんの本です」と笑いを誘った。
『となりのやまだくん』の時に中途採用を募集していたことがきっかけで、ジブリに入社した石井。しかし、協調性がなかった石井は入社して早々クビになりかけ、そこで鈴木が引き取ることになったそう。その時にまず言われたのが、「自分の意見を捨てなさい」「若いことの最大の価値は、誰にも必要とされてないこと」の2点。石井は皆が話していることを全てノートに書き写して送れと言われ、毎晩鈴木に議事録を送っていたと明かした。

石井はこの「伝える」という点に長けていたそうで、『千と千尋の神隠し』の時、鈴木から宮崎駿との伝達役を任された。その時に、「結論から言う」「先に『ご報告が3つあります』と言い、そこから始める」という情報の伝え方を教えてもらったそうだ。また、高畑勲と話すときのコツ「何か言われたらすぐに返事するな。斜め上を見て3秒考えるふりをしろ」を実行して信頼度が上がったと、本には掲載されていない裏話も明かされた。

ここからは、「仕事は公私混同」「仲間を増やせ」「他人に必要とされる自分が自分」「俺がやったと言わない」の4つのキーワードに分けて仕事術を解説。「仕事は公私混同」というのは、ずっと仕事をしていろということではなく、机でだけ仕事をしようとするな、ということ。机に向かっていない時も考えておくことで、仕事の時間は逆に短くなる。オンとオフを分ける必要はない、と解説した。

また、先のことは考えず、「今」を大切にすることも重要なのだそう。鈴木はこれを、『魔女の宅急便』のキキが好きか『耳をすませば』のしずくが好きかに例え、キキは自分の持っているものを使っていて、しずくは「小説家になる!」と目標を決めている。多くはしずくの生き方をしようとするけど、キキでいいんじゃないか、と話した。
そして、自分の得意技を決めて、自分にないものを持ってる人と組むことの重要性を力説。例えば、宮崎駿は今までになかったようなキャラクターを生み出すのが誰よりも得意。鈴木は、宮崎が持つその能力が発揮される作品になるよう考えていたと述べた。そして「他人に必要とされる自分が自分」で、それがどんな自分なのかを考える方がうまくいく。今、言われたことを一生懸命やるのが大事で、今に全力投球するべきだと説いた。

最後は、「鈴木さんと宮崎さんは、お互いに相手がやったと思っている。そんな2人を見てきたことは僕の強みです」と石井。「俺がやったと言わない」ことで、場がスムーズに動き、意見も通りやすくなるとのこと。
このほかにも様々な仕事術が紹介され、質疑応答では会場からもLINELIVEからも多数の質問が飛び出した。イベントは終始濃い内容で、来場者はトークに熱中していたが、ここで本イベントは終了となった。

《月乃雫》

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