スーパー歌舞伎II 「ワンピース」江戸時代と現代の手法の融合で世界観が広がる
高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 :大きな話題を呼んだ『ONE PIECE』のスーパー歌舞伎化を取り上げた。
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高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義
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連載第147回
■ 大きな話題を呼んだ『ONE PIECE』のスーパー歌舞伎化
世界的人気マンガ『ONE PIECE』が初の舞台化、しかもスーパー歌舞伎になる、という発表は昨年末のことで、マンガファン、歌舞伎ファンを騒然とさせた。スーパー歌舞伎は3代目市川猿之助が創った新しいジャンル。圧倒的なスケールと物語、演出面では現代的な手法を導入。初演は1986年の『ヤマトタケル』、”今まで観た事がない”と絶賛された。また、スタッフも歌舞伎以外のジャンルから起用する等、常に話題を提供し続け、その後、3代目は合計9作品を世に送り出してきたのである。
この精神(スピリット)を現在の4代目が受け継ぎ、先代とは、また違った”新しさ”でスーパー歌舞伎II(セカンド)を始め、『ワンピース』は第2作目となる。主題歌を提供するのは『ゆず』の北川悠仁である。ちなみに、そもそも歌舞伎に”主題歌”はない。全く新しい舞台を創造するのだ、という4代目の決意が見える。
『ONE PIECE』は『少年ジャンプ』で1997年7月22日号より連載開始、コミックスの1巻~76巻までの累計発行部数は3億2000万部以上、海外では35以上の国と地域で流通し、海外でのコミックス累計発行部数は6000万部以上、世界的な”MANGA"なのである。そして先頃、79巻も発売され、人気を呼んでいる。
脚本・演出は横内謙介。大学在学中の1982年に劇団『善人会議』(現在は『扉座』)を旗揚げ、以後、劇団公演だけでなく、様々な作品を演出してきた。スーパー歌舞伎は『八犬伝』『カグヤ』等を手掛け、アニメやマンガ原作舞台作品は『陽だまりの樹』やミュージカル『アトム』等がある。4代目猿之助と横内謙介、そこにスーパー歌舞伎を支えてきたメンバーやスーパー歌舞伎II(セカンド)から加わった俳優陣が総出演、配役は市川猿之助(ルフィ、ハンコック、シャンクス)、市川右近(白ひげ)、坂東巳之助(ゾロ、ボン・クレー、スクアード)、中村隼人(サンジ、イナズマ)、市川春猿(ナミ、サンダーソニア)、市川弘太郎(はっちゃん、戦桃丸)、市川寿猿(アバロ・ピサロ)、市川笑三郎(ニョン婆)、市川猿弥(ジンベエ、黒ひげ<ティーチ>)、市川笑也(ニコ・ロビン、マリーゴールド)、市川男女蔵(マゼラン)、市川門之助(つる)、福士誠治(エース)、嘉島典俊(ブルック、赤犬サカズキ)、浅野和之(レイリー、イワンコフ、センゴク )他となっている。
《高浩美》
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