今回は主演の諏訪部順一さんと、異世界のヒロインを演じる金元寿子さん、東山奈央さん、種田梨沙さん、4人のキャストからお話をうかがった。キャラクターの魅力やユニークな世界観など、多彩な話題が飛び交ったクロストークとなった。
[取材・構成=高橋克則]
『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』
http://gate-anime.com/
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――まずはそれぞれのキャラクター紹介をお願いします。
諏訪部順一(伊丹耀司役)
職務よりも自分の趣味に生きる派である伊丹は、33歳の自衛官です。東京ビッグサイトで開催されている同人誌即売会へ行く途中、騒動に巻き込まれてしまった彼は、ゲートの向こうにある異世界と深く関わっていくことになります。
金元寿子(テュカ・ルナ・マルソー役)
テュカはゲートの向こう側にある異世界・特地に住むエルフの少女で、伊丹たち自衛隊に保護される形で登場します。基本は明るくて元気なのですが、ショッキングな出来事のせいでトラウマを抱えていて、それが後々のストーリーに大きく関わってきます。
東山奈央(レレイ・ラ・レレーナ役)
レレイも異世界の住人ですが、彼女はヒト種と呼ばれる人間の女の子です。あまり喜怒哀楽を出さないため大人しそうに見えるのですが、内心は熱いものを秘めていたりします。また聡明な魔導師でもあり、種族間の架け橋としての役割も果たします。
種田梨沙(ロゥリィ・マーキュリー役)
ロゥリィは暗黒の神エムロイに仕える亜神の一人です。本編では巨大な斧 ハルバートを振り回して戦う戦闘要員としても活躍します。カッコ良かったり、可愛らしかったり、艶めかしかったりと、色々な顔を持った不思議なキャラクターですね。
――主人公の伊丹が30代というのはアニメでは珍しいですね。
諏訪部
良いことだと思います。こういう大人キャラクターがメインを担う作品がどんどん増えてきて欲しいですね。現実社会では世界を救うのって大人の仕事ですから!アニメでも、若いもんばかりに任せてはいられませんよ!
一同
(笑)。
種田
伊丹は様々な経験を積んでいる有能な自衛官でもあるのですが、性格や行動が柔軟で面白い人なので、親しみやすさの方が強いですね。どんな人とでも気兼ねなく接することができるタイプの主人公ですね。
金元
テュカにとってはお兄さんのような感じで、安心感があって頼れる人というイメージです。
東山
自衛隊と異世界の住人たちが友好関係を築けているのは、伊丹が隊長のおかげです。伊丹と私たちってもう少し警戒し合ってもよい間柄だと思うんですよ。それこそ武力衝突が起きてしまってもおかしくはないぐらいに。でも彼は仕事に対する野望や政治的な下心が一切ない人なのでフラットに接することができるんです。
諏訪部
事の大小関わらず、面倒ごとには巻き込まれたくない伊丹ですが、実はなかなかハートのある男。その優しさゆえに色々なものを背負い込むことになってしまいます。責任とか負いたくないし、好きなことだけやっていたい。けれど組織に属している人間ですから、自分の意に反することも時にはやらなければならない……。理想通りにはいかないながらもなんとかがんばっているその姿は、ナニゲに等身大の大人像って感じですね。
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――ヒロイン役の皆さんは伊丹の年齢を意識されてアフレコされることはありますか?
東山
まず異世界の人という要素が先立ってしまうので、あまり年齢は意識しないですね。
金元
それにテュカはエルフなのでとても長生きで100歳を超えているんです。
種田
ロゥリィに至っては○○歳近いですから。
諏訪部
どんな作品でも、気にするのは周りとのバランスであって、設定として用意されている年齢はさほど気にしませんし、演出側から留意するよう言われることもまずありません。それよりも、作品の中でどういう役割を担うキャラクターなのか? どういう性格の人間なのか? ということが重要です。
――年齢よりパーソナリティの方が重要になってくると。
諏訪部
そうですね、重要なのは内面です。伊丹はいわゆるオタク趣味の持ち主で昼行灯な感じなのですが、端から見ると頼り甲斐のあるヒーロー的な行動をする時もあります。その行動原理は何なのか、メンタルを掘り下げることで説得力が生まれると思います、人としての。