――『GATE』は異文化同士の交流も描かれていきます。
諏訪部
剣と魔法の世界を舞台にしたファンタジーものって、実はあまり得意なジャンルではないのですが、今作のように現代社会という身近な要素が加わると親近感が増して大好物になります。敵対だけでなく、現実味ある感じで協調も描かれているところが面白いですね。
種田
私は元々ファンタジーが大好きなんですが、現代の文化が混ざることで「もしかしたらこういうことが起こりうるかも」というワクワク感が生まれ、よりテンションが上がっています。
金元
日本と異世界では価値観がまったく異なっている所も面白いなと感じています。現代の人たちが重要視していることが異世界に行くと何でもないことだったりする。「私が悩んでいることなんて他人から見れば全然どうでもいいことじゃないか」と。なので私は……考えすぎることを止めました!
東山
私も金元さんの考えに共感していて、私たちの文化の中では当たり前のことがゼロの視点から見られてしまう面白さがありますよね。たとえば自衛隊の人たちは異世界では「緑の人」と呼ばれているんです。「なるほど、そういう風にみえるんだ」と。
諏訪部
国と国、人と人、異質なものが衝突すると争いが起こるのが常ではありますが、隔たりを越えて分かり合うことも出来るはずです。本作でもそういった部分は大切に描かれていくと思います。原作が持つ様々なエッセンスを詰め込む作業は決して容易ではありませんが、非常に良いバランスのアニメーションになる予感大です。
金元
設定や考証などのディテールはとても緻密ですが、ファンタジーの要素が入ることで軽やかに楽しく見られる部分がありますよね。
種田
「すごい! カッコイイ!」ぐらいの気持ちで見て頂いてもいいのかなと思ってます。
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後編に続く(7月4日公開予定)