大友克洋、フランスのアングレーム国際漫画祭で最優秀賞、日本人で初 | アニメ!アニメ!

大友克洋、フランスのアングレーム国際漫画祭で最優秀賞、日本人で初

大友克洋氏が、1月29日からフランスで開催されているアングレーム国際漫画フェスティバルにて、最優秀賞(The Grand Prix)を受賞した。

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『AKIRA』『童夢』などのマンガ作品、映画『AKIRA』『スチームボーイ』の監督などで知られる大友克洋氏が、1月29日からフランスで開催されているアングレーム国際漫画フェスティバル(Festival International de la Bande Dessinee)にて、最優秀賞(The Grand Prix)を受賞した。
アングレーム国際漫画フェスティバルは、世界的に知られた漫画のイベントで様々な講演、シンポジウム、ワークショップ、展示会、ビジネスなどが行われる。フランスのマンガにあたるバンドデジネだけでなく、アメリカンコミックスや日本のマンガをはじめ各国の作品を取り上げる。世界中から業界人が集まり、マンガ界で最も重要な場のひとつになっている。

アワード部門はフェスティバルの華のひとつである。事前に選ばれた公式作品の中から各賞が決まる。今回、大友氏が受賞した最優秀賞はなかでも別格となっている。他の賞が作品を対象にしているのに対して、最優秀賞は作家のこれまで作品全体と漫画界の発展と貢献を対象としている。いわば名誉賞、功労賞的な位置づけだ。
歴代の受賞者にはウィル・アイズナー、メビウス、エンキ・ビラルなどの名前も並んでいる。しかし、これまで日本人の受賞者はなく、大友氏が初だ。日本はもとより海外でとりわけ高く評価されてきた大友氏だが、あらためてそれを認識させるものだ。
受賞にあたって選考委員会は、とりわけ代表作の『AKIRA』に多く言及している。同作が私たちの常識を覆したという。また、その影響はヨーロッパ、アングロ・サクソン、アジア地域に広がり、世界中から称讃されているとする。

大友克洋氏は1954年、宮城県生まれ。1973年にマンガ家デビューした。その後、少女と老人のふたりの超能力者を日常のなかで描いた『童夢』でSF大賞を受賞し、名を高めた。1983年から発表された『AKIRA』でその名声を不動のものとして。1988年には自らの監督で『AKIRA』をアニメ映画化し、その影響は世界の映像関係者にも広がった。
『AKIRA』のほか、『MEMORIES』、『スチームボーイ』『火要鎮』などのアニメーション映画も多数手掛けている。アニメーションの世界でも重要人物だ。さらに実写映画『蟲師』の監督もしている。
2012年には米国アイズナー賞でコミックの殿堂入り、2013年に日本政府より紫綬褒章を受章、2014年米国アニー賞で生涯功労賞にあたるウィンザー・マッケイ賞を受賞、フランス政府から芸術文化勲章オフィシェを授与された。近年その文化功績を讃える動きが続いている。

[/アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.biz より転載記事]

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