「キルラキル 脚本全集」本編からドラマCDまで、中島かずきが全解説
9月10日、KADOKAWAから『キルラキル 脚本全集』が発売される。人気アニメ『キルラキル』の全25話、総集編、さらにドラマCD四話の脚本を収録するものだ。
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著者が中島かずきとなっているように、書籍に収録された脚本は全て中島かずきによって書かれたものだ。あらゆる文章の行間から中島の個性が感じられる、そんな一冊である。劇団☆新感線の座付き作家、そして『天元突破グレンラガン』のシリーズ構成・脚本などでも知られる中島には多数の熱心なファンがおり、そんなファンには堪らない一冊だ。
ただし『キルラキル 脚本全集』の面白さは、それだけにとどまらない。テレビアニメシリーズの脚本集という企画自体、近年は珍しいのだが、さらに本書は通常の脚本集と異なったアプローチが盛り込まれている。ドラマCDの脚本収録もそのひとつだ。
しかし、なんと言っても最大の読みどころは、中島かずき自身による解説だろう。解説は長文というわけではないが、ドラマCDを含めて全ての脚本につけられている。そこでは脚本が書かれた背景、その際の他のスタッフやキャストとのやりとりが語られる。それを読むことで、『キルラキル』がどのような考えで創られていったのか、どういった過程を辿っていまのかたちに行き着いたのかを新ためて知ることが出来る。
アニメは小説やマンガと異なり多数のスタッフが関わるため、作品の物語、流れがどの様に生まれるのか意外に判り難いジャンルだ。『キルラキル 脚本全集』では、人気作品を通じてストーリーがどのように誕生するか知る絶好の教材にもなっている。
そして同時に脚本と淡々と書かれるその解説を同時に追うことで、作品がクライマックスに向かっていくドキドキ感も味わえる。作品の誕生それ自体がひとつの物語であるかのようだ。
『キルラキル 脚本全集』は一見は脚本全集。だが読み手が視点を変ることで、それはアニメ制作のノウハウ本、ドキュメンタリー、あるいは読み応えたっぷりのエンタテインメントにもなる。なんとも不思議な本である。
『キルラキル 脚本全集』
著:中島かずき
2014年9月10日発売
四六判ソフトカバー/464P
定価:2200円(税別)
発行:KADOKAWA 編集:角川書店
《animeanime》
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