舞台「AMNESIA」待望の再演、記憶を失くしたヒロインの平行世界の旅が再び始まる
高浩美のアニメ×ステージ&ミュージカル談義:舞台「AMNESIA」。■ 楽曲もパワーアップ、オリオンとヒロインの友情に感涙、初演よりさらに物語を凝縮して魅せる
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高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義
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初日はシン、つまりハートの世界。記憶をうしなったヒロインが精霊と名乗るオリオンと共に平行世界を転々とするというアニメに沿ったストーリー展開は変わらず。シン役は今回初参加の山崎大輝。ワカ役はWキャストで初日は同じく初参加の溝口謙吾。楽曲は前回よりパワーアップ、アレンジに厚みが出て、作品世界がよりクリアーな印象になっている。
主人公のバイト先『冥土の羊』店長・ワカのシーンはとにかく可笑しい。イッキに一発芸をやらせたり、となんだか“やりたい放題”で観客は大盛り上がり。シン、イッキ、ケント、トーマ、ウキョウとメインキャラも前回より性格の輪郭がはっきりして、全体的に締まった感がある。トーマは最初優しかったが、ヒロインを軟禁する頃には異常なまでにヒロインを束縛、狂気を感じさせる。
また、“パスタの歌”は必見。お茶目な歌で、観客の手拍子が雰囲気を盛り上げた。トーマ役の井澤勇貴、歌唱力はなかなか。ウキョウの二重人格、“裏”と“表”のせめぎ合いのシーンは見所。シン役のぶっきらぼうな「ば~か」等、ファンの“萌えポイント”は随所に。
精霊・オリオンとヒロインの友情はちょっとホロリとさせてくれる。オリオン役の山田諒の身の軽さは相変わらずで、バック転等、いろいろ魅せてくれる。演出家のコメントにもあるようにエンディングのデュエット曲は新曲、オープニングはシンとヒロイン、2人登場、わかりやすくなっており、物語にすんなり入っていけるように工夫している。アンサンブルのダンス力と歌唱力もレベルが高い。初演と比較すると人間関係がわかりやすくなっており、すっきりした感がある。
ゲームの舞台化は新しいジャンル、それだけに可能性も大いにあるが、ゲーム故の難しさもある。手直ししての再演でスタッフ側も観客も新しい発見があったと思う。末永く“定番”にするにはこういった努力が必要、さらなるレベルアップを期待。
終演後、出演者によるトークイベントがあった。今日はケント役の小林涼の誕生日とあって、本人に内緒でサプライズ!実は入場時にある紙を渡されたのだが、MC(溝口)合図で観客が一斉に「HAPPY BIRTHDAY 涼」と書かれた紙を掲げ、歌を合唱!本人は大いに照れまくっていた。そしてイベントラストは「いってらっしゃいませ、お嬢様、ご主人様!」の掛け声で締めた。
なお、9月4日からパセラ秋葉原マルチエンターテイメントではキャストが考案した特別メニューが楽しめるそう。劇場外でも体感出来る仕掛け、こういった企画は嬉しい限りである。
ミュージカル「AMNESIA」re:again
9月3日(水)~9月10日(水)
全労済ホール/スペース・ゼロ
9月20日(土)~9月23日(火)
大阪ビジネスパーク円形ホール
/http://musical-amnesia.com
ミュージカル「AMNESIA」re:again
(C)IF・DF/ ミュージカル「AMNESIA」re:again 製作委員会
《高浩美》
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