サンフランシスコから日本カルチャーを発信! New People Cinemaに話を訊く
いまやサンフランシスコの夏の風物詩となった感のあるJ-POPサミット。その様子を、2009年の開始当初から携わって来たNew People社 Executive Directorである飯干真奈弥氏にうかがった。
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―ではズバリ、今後の課題は?
数の限られている日本映画ファンだけではなく、ごく一般的なアメリカ人にいかに観に来てもらえるか。他に数えきれないほどのエンターテイメントがあるなかで、わざわざ馴染みの無い外国映画を観に足を運んでもらう、見に来てもらうのは、容易なことではありません。
サンフランシスコの観客は、それでも他のアメリカの都市に比べると外国映画への理解が深く、目が肥えているということはよく耳にしますが、それでも、ビジュアル的な説明がわかりやすくないとなかなか興味を持ってくれないですね。そんな中でも、土地柄なのか「食」に関する映画はハズレがないです。
―要はテーマの組み合わせ、わかりやすさですね。
そうなんです。例えば、今年の作品でいうと『武士の献立』(A Tale of Samurai Cooking)なんかは、サムライとグルメという、ある意味ハズれようのない、しかし意外な組み合わせでもあり、大変好評でした。また、やはり完売した園子温監督の『地獄でなぜ悪い』も、ヤクザと映画少年、というテーマの意外性とビジュアルの分かりやすさが人気で、会場はずっと爆笑の渦でした。
そうした、キャッチーさと意外性を兼ね備えたスイートスポットを見つけながら、いかにして足を運んでもらえるか仕掛けを考えていくのが命題です。
ただ、そういったマーケティング的な視点だけからではなく、『ペコロスの母に会いに行く』や「横道世之介」など、完売はしなかったものの、テーマ的には緩やかで、ビジュアル的には実際に見てみなければなかなか良さが伝わらない作品にも、一定のお客さんが来てくださることがわかりましたので、
あの映画祭の日本映画はハズレがないね、と言って頂けるよう、ユニバーサルなテーマを扱った良質な映画を、どんどん紹介していきたいですね。
―今年、アニメ映画に関してはどうでしたか?
アニメに関しては、その年のラインナップに大きく左右されますね。先ほど申し上げたように、昨年はエヴァなどの大作がありましたから。今年は大友克洋さんの監修された『SHORT PEACE』や、新海誠さんの『言の葉の庭』が一番人気がありましたね。やっぱりクリエイターのネームバリューは大きく影響します。
観客の年齢層は作品にもよるのですが、今年はよりオトナ向けというか、より文学的な感性の目立つ作品に人気が集まった印象です。
―もう来年への準備は始まっているのでしょうか?
今はまだフェスティバルが終わって一息ついているところです。これでようやくスタッフも夏休みに入れるので。ただ、来年に向けた新しいアイディアはすでにあります。
今年、田中光敏監督から「叶うハよし、叶いたがるハあしし」という利休の金言のような言葉を教えて頂いたので、頭の中ではもうすでに実現しているところを思い浮かべつつ、またゆっくり企画を考えて行きたいと思います。
―お話ありがとうございました。
《ロミ》
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