2D対戦型格闘ゲームの初舞台化LIVE ACT『BLAZBLUE』~CONTINUUM SHIFT~
[取材・構成: 高浩美]2D対戦型格闘ゲームの初舞台化 LIVE ACT『BLAZBLUE』~CONTINUUM SHIFT~
殺陣とアクションと映像のコラボレーションで2.5次元化
連載
高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義
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
LIVE ACT『BLAZBLUE』~CONTINUUM SHIFT~
殺陣とアクションと映像のコラボレーションで2.5次元化
高浩美の
アニメ×ステージ&ミュージカル談義
[取材・構成: 高浩美]
■ 2D対戦型格闘ゲーム、殺陣
アクションの難易度アップ
クオリティの高さが要求される作品
2D対戦型格闘ゲームが初めて舞台化される。ゲームの舞台化は『薄桜鬼』を始め、女性向きのゲームが主流であり、人気の高いものはシリーズ化されている。この『BLAZBLUE』も負けず劣らず、ノベライズ、アニメ化等メディアミックスされ、人気も高い。
ちなみに対戦型ではないが、殺陣やアクションを多用したゲームは既にいくつか舞台化されている。先に述べた『薄桜鬼』、それから『戦国BASARA』等は派手な殺陣が見所で、ハイライトシーンとなっている。
このようなゲームの舞台化が行われる以前から殺陣のある舞台作品は数多く存在している。しかし、こういったゲームの舞台化が多くなると殺陣・アクションの難易度も上がってくる。コリオを考える側、演じる側は相当ハードルが高くなっている昨今、とりわけ初の対戦型格闘ゲームの舞台化、高いクオリティが要求されよう。
この『BLAZBLUE』は格闘ゲームだが、先に述べたように多角的にメディアミックスされているので“『BLAZBLUE』の世界観を中核とした総合エンターテインメント作品”といえる。つまり、舞台化は当然の流れと言えよう。バックは映像を駆使、それこそ“現実なのか非現実なのか”チャレンジ精神に溢れたステージになることだろう。
■ ゲームから飛び出した感が満載、俳優陣とスタッフの努力でグラフィックかつスタイリッシュな『BLAZBLUE』ワールド全開!
映像はプリズムの和井内良典、プリズムは映像表現では無限の可能性を追求する企業。アクションコーディネートはジャパンアクションエンタープライズの渡辺淳、仮面ライダーや戦隊もののスーツアクターでは大いなるキャリアの持ち主。当然のことながら、映像と殺陣、アクションのコラボレーションが気になるところである。
オープニングは、まず『BLAZBLUE』の世界観を映像とアンサンブルのコンテンポラリーなダンスで提示。続いてこの世界の主要キャラクターたちが映像と共に登場する。
もとのゲームはTaito Type X2基板を使用し、2Dグラフィック格闘ゲームとしては初めて16:9のHD画質を使用した美麗なグラフィックが特徴。ここは期待を裏切らず、なおかつ、俳優陣のアクションとのコンビネーションも良く、ゲームファンもここは楽しめること、請け合い。
舞台セットはいたってシンプル。映像と動くパネルを使って変化を持たせている。戦うシーンは効果音と映像、照明でゲームに近いニュアンスを出し、ここはスタッフワークの努力の賜物。ゲームから飛び出した感が満載、2.5次元ワールド全開で俳優たちは舞台をところ狭しと駆け抜ける。それぞれのキャラクターもきっちり描かれており、わかりやすい。
ラグナ=ザ=ブラッドエッジ役の友常勇気、口は悪いが情に厚く、大雑把で憎めないキャラクターで好演。いわゆる“ヒール役”、ハザマ役の村上幸平はクールでスタイリッシュなキャラクターを構築し、友常勇気演じるラグナと正反対、物語のアクセントとしての役割を演じていたのが印象的。
ジン=キサラギ役の荒牧慶彦、屈折した感情を持つ難しい役どころではあるが、その微妙なニュアンスを表現、また得意の剣舞を生かした所作が綺麗にキマっていたのが印象的。ノエル=ヴァーミリオン役に桃瀬美咲、極真空手、アクションが特技、キャスティングされたのも納得。
ツバキ=ヤヨイ役の元SDN48の小原春香、振付師としても活動しているマコト=ナナヤ役の小市眞琴もアクションに大奮闘。レイチェル=アルカード役の澤翔子、この春に高校卒業したばかりでアイドルグループTokyo Cheer2 Partyの一員。派手なアクションはないが、主要キャラクターに多大な影響を与える役どころを落ち着いて演じていた。
アンサンブルの面々のアクション、かなりのクオリティの高さ、これだけ観てもなかなかかっこいい。友情、愛情等のテーマも盛り込み、泣けるシーンもあり、の展開。ラストは最高潮の盛り上がり、さてラグナは?ハザマは?ノエルやツバキは?続編もあり?なエンディング。一幕もので疾走感溢れるステージング、なんだかその後の話も観たくなった。
LIVE ACT『BLAZBLUE』~CONTINUUM SHIFT~
天王洲 銀河劇場
3月6日~9日
/http://www.blazblue-st.com
《animeanime》
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