「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」 サンジゲン・松浦裕暁代表インタビュー:女の子をかわいく見せる挑戦
深夜帯TVアニメシリーズで、キャラクターを含めてCGで描く、かつてない挑戦をした「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」。そのアニメーション制作をしたサンジゲン代表取締役の松浦裕暁氏にお話を伺った。
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―アニメ!アニメ!(以下AA)
制作期間は実際にどの程度かかるものなのですか?
―松浦裕暁氏(以下松浦)
通常の制作とあまり変わらないと思います。例えば、1話を作るには3カ月は必ずかかります。監督チェックのタイミングが週一になったりするので、そのぐらいかかります。その3カ月は3本ぐらいをスタッフが掛け持ちでやります。
アルペジオに関しても、3月(2013年)ぐらいに制作がスタートして、11月20日の完成を目指していました。最終話が重かったこともあり、最終的には1カ月ぐらい延びています。ですので、3班体制で12話をちょうど9カ月ぐらいで作っています。
―AA
班体制による制作は、これまでのアニメでも行われていますが、フルCGでも同じ体制と考えていいのですか?
―松浦
だいたい同じですが、人数は圧倒的に少ないです。2Dを例にすると、だいたい5~6班作って1クール2ローテーションで終わる感覚があります。CGの場合は、10~12人で一班なので、2Dと比べれば10分の1ぐらいの人数で、原画、動画、仕上げまでやってしまいます。それで3カ月かかっています。3ラインで9カ月間、最後は総力戦でしたけどね。期間が長い分1班が関わる部分が多いです。
それとサンジゲンのスタッフは、明日まで出来るならもう少し作り込もうという人が多いですね。
■ CGアニメーターも手描きのアニメーターも本質は同じ
―AA
アニメーションにおけるCGは、戦艦や潜水艦を動かすのは想像がしやすいですが、キャラクターは選択肢がより多く、難しいと思います。一方でモーションキャプチャーを使ったリアル感のあるCGも可能だったと思います。今回セルタッチを選択した理由は、何でしょうか?
―松浦
最初からそのイメージでした。セルルックなキャラクターになると考えていましたし、僕たちもそっちの方向に長けているので、その方向でやりたいと思っていました。
モーションキャプチャーを使わない理由ははっきりしていて、それですとアニメーターが育たないからです。これだけは間違いないです。
アニメーターが自分で考えて、絵コンテやシナリオを読んだり監督と話して、ここはこういう芝居をするんだというイメージを持って作らないといけないと考えています。そこの動きの部分をアクターにゆだねてしまうと、アニメーターはもらった素材を何とかするだけになります。
―AA
手つけであることで芝居を意識するわけですね。
―松浦
アニメーターが自分達で考えた芝居や表現は、自分の手で動かさないと育たない。加工屋になっては、誰も感動してくれないと思います。
大げさにいうと、その人がそれまで生きてきた人生をかけたワンアクションを作らないとお客さんは感動してくれない。手で動かしたものがアニメの世界では向いていると思います。
―AA
手描きのセルアニメと、CGは本質的に同じものなのでしょうか?どこか違うところはあるのでしょか?
―松浦
僕は違わないと思っています。作っている思想は一緒です。原画マンがイメージしたものを、線を書いて表現するのか、CGで表現するのか、の違いで、アニメーターの質に違いはないですね。ただ、いいアニメーションに仕上げるのは別の話で、アニメーターの技量です。
―AA
すると、CGアニメーターは、技術の部分、感性の部分、両方求められてハードルがかなり高いと思うのですが。
―松浦
それは手描きのアニメーターも一緒だと思います。キャラクターデザインに似せて描かなければなりませんし、キレイな線が描けるといった身体能力があるじゃないですか。特殊な技術が必要とされますので、CGアニメーターよりハードルは高いと思います。
画像:(c) Ark Performance/少年画報社・アルペジオパートナーズ
《animeanime》
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