「とにかく楽しい現場」と両者が語るだけあって、アフレコ現場の熱気と盛り上がりが伝わってくる盛りだくさんの内容となった。
[インタビュー取材・構成:野口智弘]
テレビアニメ『ストライク・ザ・ブラッド』公式サイト
/http://www.strike-the-blood.com/
■ 気だるい古城に、ふつうの女の子の雪菜
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― 細谷佳正さん (以下細谷)
学園ものというよりはバトルやサスペンスやファンタジーの要素もあって、なんでもありという第一印象でしたね。ファンタジー要素の強い作品はこれまであまり経験がなかったので、この作品で自分の演技をどう変えていけるかという興味も湧きました。
― 種田梨沙さん(以下種田)
まず小説の表紙が雪菜のイラストだったので、それが印象深いですね。ほかにも吸血鬼だったり獣人だったり、人間でもちょっと特殊な能力を持つ人たちが出てくるという設定を知って、私が好きなタイプの作品になりそうだなと思って、ワクワクした覚えがあります。
主人公の古城が気だるいキャラというのも結構珍しくて面白かったです。
― まず細谷さんからうかがいますが、暁古城をどんなキャラクターだと捉えていますか?
― 細谷
実は暁古城の役に選ばれたことが、いまだにちょっと信じられないんです。本当に僕でいいのかなとずーっと思ってるんです。
古城はいままで演じたことがないタイプですし、記憶を失っていることもあって、視聴者のみなさんと同じ目線で謎に挑んでいくキャラクターだと思うんですが、自分が最強の吸血鬼という自覚と、自分が危うい立場にいるということを周囲の情報から得ていく。そういう無自覚な最強の男なので、翻弄されつつも最終的に第四真祖としての暁古城ができあがっていればいいな、という感じでやりたいなと。
決して役作りをサボっているわけではなくて(笑)、そこの踊らされ感というか、少しずつ変化していく感じも出していけたらなと思います。
役作りの面で言えば、古城がだるそうに歩いているときとかは、リアルな若い高校生というよりも、なんとなくハードボイルドっぽく見えればいいな、という気持ちはありますね。ただの睡眠不足だけではなくて、血にも飢えてるし、お金もないし、補習授業も面倒くさいし、どうしようかなあ……というちょっとした哀愁。
学園ものではあるけれど、学園ものらしさをちゃんと作ってくれるのは古城以外のキャラクターなので、彼自身はアウトサイダーというか、学園生活をちょっと斜めから見ているんじゃないかなと思って演じています。独特の気だるさは演じながら作っていったんですけど、ちょっとしたニュアンスでキレ気味に聞こえるところがあったので、そこは細かく修正したりしました。
音響監督の明田川仁さんは演技の自由度は高くしてくれているんですが、その上で修正が必要なときは指示をくださいますね。基本は楽しく自由にやらせてもらっています。
― 種田さんから見た雪菜はどんなキャラクターですか?
― 種田
雪菜は天然だけどやるべきことがあって、それに突き動かされている女の子です。特別な役割を負ってるんですけど、本当はすごく普通の女の子だろうなと。雪菜はあくまで生い立ちが特殊なだけなので、演じる上では特別な子だと意識しすぎないようにしています。
最初はどうしても見た目に合わせてかわいい演技を作りがちだったんですけど、音響監督からは「もっとやりやすいトーンで演じてください」と言われました。
故郷でハンバーガー屋さんに行ったことがあるとかそういう会話を見ていると、日常のシーンも雪菜にとってはすごく大事なんだなと感じます。雪菜はこの先いろんな運命に翻弄されていくんですが、そういうほのぼのしたシーンで見せる表情が本当の雪菜なのかなと思ったりします。
古城がほかの女の子といい感じになってると雪菜が拗ねたりするところに関しては「もっと拗ねていいよ」というアドバイスもいただいたりしましたね。
■ 戦闘シーンは、自分のなかで一番かっこいいと思う声です。(種田)
― 収録で大変だった部分は?
― 細谷
敵にトドメを刺すシーンをこれまで何度か収録したんですが、最初の「聖者の右腕」篇の敵は相手がやろうとしたこともわかる、というニュアンスを込めたいなと思って決めゼリフをがんばりました。
逆に「戦王の使者」篇の敵はそんなに同情できない人物なので(笑)、結構演技は違っていると思います。
― 種田
雪菜自身はかわいい女の子なんですが、強い意志をしっかり持っているので、そういう面は忘れないようにしていますね。とくに戦闘シーンについては音響監督から「かっこよくお願いします」と言われたので、自分のなかで一番かっこいいと思う声で技を叫ぶよう、毎回気をつけています。
*1 「ストライク・ザ・ブラッド」原作者・三雲岳斗インタビュー “原点回帰、正統派で描く学園伝奇アクション”(10月11日掲載)
/http://animeanime.jp/article/2013/10/11/15886.html
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