出遅れた日本は巻き返せるか!? ASIA-EU CARTOON CONNECTION レポート 第4回
[取材・文: 伊藤裕美(オフィスH)]伊藤裕美さんによる韓国で開催されたアニメーションビジネスのカンファレンスASIA-EU CARTOON CONNECTIONのレポート。短期集中連載で、今回は最終回。
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取材・文: 伊藤裕美(オフィスH)
■ 出遅れた日本は巻き返せるか!?
日本の参加者5名は揃って「業界の友人・知人にカートゥーン・コネクションへの参加を勧めたい」とする一方、日本で同様のフォーラムをおこなうのは難しいとする声もあった。
日本は製作委員会方式という、海外のプロデューサーに馴染みのない資金調達と製作座組が主流で国際共同製作がおこないにくい。あるいは日本側に外国と協働するというスピリットが少ないのではないかという見解だ。
またEUや韓国のプロデューサーが日本と組んで世界市場へ出ようと欲するのかという悲観もある。筆者も、EUの業界関係者が「日本は別物」として、日本への参入に見切りをつける傾向が強まっていると感じる。欧州から日本に国際共同製作を提案しても手を挙げる相手がいないことに失望するのも見てきた。
しかし今回、海外事情に詳しい5氏がカートゥーン・コネクションというオープンなフォーラムを高く評価したのは心強い。セガトイズの杉本氏は「日本はこういう活動に遅れている。今のままでは、せっかく世界的なアニメーション企画開発力があっても、ビジネス的に先細りする」と懸念を示した。
アニメーションは世界市場が拡大すると共に、米国の影響の“好み”の共通化が見られ、日本離れが起こっている。
このカートゥーン・コネクションでのKOFIC(韓国映像振興院)の報告によると、ここ数年来韓国で公開される長編映画のうちアニメーション映画が本数、興行成績ともに伸びている。興行成績の伸張は大きい。依然として外国製アニメーションが多いものの、韓国製は着実に増加しており、観客を増やしている。
そして外国製で注目すべきは日本製の状況だ。公開本数は多いものの、日本製の観客動員比率はそれに伴っていない。しかも公開比率すら11年の30%から12年は25%へ低下し、代わって欧州製が20%と躍進、米国、日本の次ぐ3位に躍り出た。
《animeanime》
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