出遅れた日本は巻き返せるか!? ASIA-EU CARTOON CONNECTION レポート 第4回
[取材・文: 伊藤裕美(オフィスH)]伊藤裕美さんによる韓国で開催されたアニメーションビジネスのカンファレンスASIA-EU CARTOON CONNECTIONのレポート。短期集中連載で、今回は最終回。
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12年のトップ10に日本製はわずか1本『劇場版名探偵コナン16作目 - 11人目のストライカー』が入ったものの、動員数は50万人超。
200万人を超えたドリームワークスの『長ぐつをはいたネコ(Puss in Boots)』、ブルースカイ・スタジオの『アイス・エイジ4/パイレーツ大冒険(Ice Age: Continental Drift)』(164万人)、ドリームワークスの『マダガスカル3(Madagascar 3: Europe's Most Wanted)』(162万人)に遠く及ばないどころか、4位のベルギーのベン・スタッセン監督の立体視3D『Sammy's Adventures 2(ナットのスペースアドベンチャー2)』(145万人)、7位の韓国の立体視3D『Speckles the Tarbosaurus 3D』(105万人)に水を空けられた。『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ』、沖浦啓之監督の『ももへの手紙』、細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』はいずれも30万人台で、トップ10入りしていない。
制作では企画段階から国際協働を始める枠組みが一般化し、EUや韓国は先行する。日本は、異文化の背景を持つメンバーが集まる制作環境で、多文化な市場向けの企画力を発揮できる国際派プロデューサーを増やすことが急務だ。それには、教育機関や教材開発、留学への支援に留まらず、プロデューサーに若い頃から国際的なマーケットやフォーラムで実践を重ねさせ、語学にも提案・交渉力にも自信を持たせることだ。
EUも韓国も、公的機関が「カートゥーン・コネクション」の重要性を理解し、資金的支援をおこなっている。日本も、民間のプロデューサーがより自由に、オープンな国際舞台へ参加できるように公的支援を緊急に整える時期であろう。来年は、日本からより多くのプロデューサーがカートゥーン・コネクションに参加し、アニメーションの国際共同製作の提案をすることを、今回の日本参加にさまざまな便宜を図ったカートゥーン事務局とKOTRAは期待している。
[オフィスH 伊藤裕美]
《animeanime》
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