「コララインとボタンの魔女」を生み出したライカの最新作 「パラノーマン」セミナー
広島国際アニメーションフェスティバルにおいて、世界から注目されるアニメーションスタジオ・ライカがセミナーを実施した。8月26日に開催された「LAIKA セミナー」である。
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ライカはアメリカにあるコマ撮りのスタジオだ。以前からカリフォルニアレーズンのコマーシャルなどで広く知られており、2005年に現行の社名へと変更した。2009年にアヌシー国際アニメーションフェスティバルの長編部門でグランプリとなり、日本でも翌年に劇場公開された映画『コララインとボタンの魔女(邦題)』が記憶に新しい。ストップモーションとCGを効果的に使った作品だ。
今回のセミナーにおいては、海外で劇場公開が始まったライカの新作劇場映画『パラノーマン(ParaNorman)』のメイキングが中心となった。本作の監督はクリス・バトラーさんとサム・フェルさんで、『コラライン』の制作スタッフが結集した。
残念ながら日本での公開は未定で、広島のフェスティバルでの上映も行われなかった。しかし、会場の中ホールには多数の聴衆が集まった。ライカヘの関心の高さを窺わせた。
セミナーは、一部YouTubeの公式でも配信されているムービーを見せながら解説が行われた。まず作品に登場するキャラクターの顔についての話題だ。
『コラライン』では、制作当時3Dプリンターで出力した顔の表情のパターンを20万用意されたことで来場者を驚かせた。しかし、今回の『パラノーマン』ではさらに実に130万パターンが用意されているという。
この表情のバリエーションは単なる喜怒哀楽ではなく、例えば振り向くなどの動作の「中割り」に該当するものが圧倒的に多くなる。
またアーマチュア(人形の素体)を見せながら、「顔を入れ替えるのではなく動かす」、「(映像を)撮る長さはさておき顔を用意しておく」と、徹底的に顔の素材を用意しておくことが、結果的に時間や作業の短縮につながると話した。
逆に顔の素材とは異なり、各キャラクターの人形はそれぞれ1体のみであるという。これに関しては「小さかったら品質が落ちる」、「大きくしたら(背景の)セットも大きくしないといけない」といった難点が挙げられた。
セミナー後は、間近に映画で使用された人形を見られるファンサービスもあった。日本でも映画を公開したいと意欲を見せていただけに、楽しみに待ちたいものである。
[真狩祐志]
広島国際アニメーションフェスティバル
/http://hiroanim.org/
『ParaNorman』 公式トレーラー
『ParaNorman』 Making Norman
『ParaNorman』 Faces of ParaNorman
《animeanime》
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