NHK BSが金田伊功特集　MAG・ネットスペシャルで

　NHKはBS放送にて、2009年7月に逝去したアニメーター金田伊功さんの特集番組を組む。番組はBS2で8月15日23時から翌16日0時までの1時間、アニメ作画の表現とアニメーターに多大な影響を与えた金田伊功さんをたっぷり紹介する。また、8月23日23時から翌16日0時までは、再放送をする。
　番組はNHK BSで人気のカルチャー情報番組「MAG・ネット～マンガ・アニメ・ゲームのゲンバ～」のスペシャル版となり、通常の番組放送枠45分から1時間に拡大する。夏の特集番組という位置づけだ。

　MAG・ネットは、2010年4月よりNHK BSでスタートした。マンガ（Manga）、アニメ（Anime）、ゲーム（Game）、インターネットの分野から話題のテーマを取り上げる。
　これまでにテーマとなったのは、「初音ミク」や「東方プロジェクト」、「水樹奈々」など新しいトレンド、さらに「マイマイ新子と千年の魔法」、「トライガン」などコアなファンに人気の作品を掘り下げる。そのテーマも注目を浴び、アニメやマンガ、ゲームなどのファンから大きな人気を集めている。

　今回は初のスペシャル番組として、カリスマアニメーターとして知られた金田伊功さんをテーマとする。金田伊功さんは、1970年よりアニメーターとして活躍、『宇宙戦艦ヤマト』、『無敵超人ザンボット3』、『幻魔大戦』など数多くの制作に携わった。
　なかでもデフォルメを利かせた表現や通常ではありえない動きを映像とすることで効果的な演出を実現する手法が高く評価された。それは日本のアニメの表現に独自性を生み出し、さらに次世代のアニメーターに大きな影響を与えた。2009年に57歳で突然亡くなったことは、多くのアニメ関係者に衝撃を与えた。これまでのアニメーション文化への貢献に対して、文化庁メディア芸術祭特別功労賞、デジタルコンテンツグランプリ審査員特別賞が贈賞されている。

　しかし、一般には「金田伊功」の名前は必ずしも知られているわけでない。番組では金田伊功さんの仕事と人物像を様々な資料と証言で振り返り、現在の日本のポップカルチャーにどれほどの影響を与えているのかを探っていくとしている。夏休み特集に相応しい意欲的な取り組みだ。

ＭＡＧ・ネットスペシャル　アニメの革命児　金田伊功
　　8月14日（土）BS2 午後11:00～午前0:00
　　8月23日（月）Bshi 午後11:00～午前0:00

MAG・ネット　/http://www.nhk.or.jp/magnet/