日本マンガ最大のライバル? 「トワイライト」旋風上陸
いま米国の若い女の子が最も熱中しているものは何だろうか。おそらく、現地の人に聞けば、かなりの人がスティファニー・メイヤーの小説『トワイライト』シリーズとその映画を挙げるに違いない。
『トワイライト』は2005年にメイヤーが、一人の少女と百数十年も生き
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『トワイライト』は2005年にメイヤーが、一人の少女と百数十年も生きる美男子のヴァンパイアの恋の物語として出版した。発表と同時に瞬く間に若い女性の心を捉え、シリーズはわずか4作品で全米840万部を販売している。純愛とヴァンパイアの持つ神秘性が、思春期の少女の深い共感を呼んだ。
その人気小説の映画が決まると多くの熱烈なファンから、映画が原作のイメージを崩すのでないかと不安の声が沸き起こる。ところが、女性監督、キャサリン・ハードウィクは、驚くほど原作のイメージそのままに小説を映像化、さらに大きなブームを巻き起こすことになる。映画『トワイライト~初恋~』は、全米週末興収ナンバー1に輝く。
そして小説のイメージのままのヴァンパイア エドワードを演じたロバート・パティンソン、ヒロイン ベラのクリスティン・スチュワートをはじめとする俳優陣が、原作ファンから熱狂的な支持を受けることになった。
その『トワイライト』旋風の中心にいるロバート・パティンソン、クリスティン・スチュワート、続編『New Moon』で重要な役を演じるジェイコブ役テイラー・ロートナーの3人がこのたび緊急来日した。
2月27日に記者会見を開き、恵比寿ガーデンプレイスでレッドカーペットも行なわれた。会見に現れた3人は映画そのままの美男美女ぶりで、さらにレッドカーペットでは集まったファンの黄色い歓声がガーデンプレイス中にこだまするほどに。しかも、その歓声のかなりの部分が英語をはじめとする外国語、なんと海外からのおっかけファンが大量に恵比寿に押し寄せていたのだ。
記者会見の挨拶で、ロバート・パティンソンは、日本に来日出来た喜びを語ると共に、「今回の映画で、ヴァンパイアがこんなに多くの人に人気があることを知って驚いたよ」と映画の大ヒットへの驚きを語っている。
また、『トワイライト』と比較されることが多い『ハリー・ポッター』シリーズについて、「ふたつの作品は全然違っている。『トワイライト』は、人間関係の描写がもっと密でセクシャリティーに溢れているしね」と話した。
クリスティン・スチュワートは「日本に来れてとてもうれしいです」と日本語で挨拶をした。自身が演じるベラについて、「私とは少し違う感じね。私はすぐに動き出してしまうほうだけれど。ベラはじっとしているというエネルギーを持っているの」とのことだ。
テイラー・ロートナーは役作りのために、本を読みながら多くの準備をしたという。自分の役柄と同じ種族の同世代の人たちの意見を多く聞いた。しかし、「次回作では、もっと勉強することになるだろうね」と、さらに重要な役として登場する次回作への意気込みを語った。
ところで、『トワイライト』シリーズの人気は判った。では、なぜ、アニメやマンガを専門とする当サイトが『トワイライト』と取り上げるのか?実は、この『トワイライト』シリーズ、海外の日本アニメやマンガの動向とも無関係でない。
小説と映画のあまりの人気ぶりに、成長著しいとされる米国の日本マンガのファンが『トワイライト』に奪われているというのだ。実際に米国のポップカルチャー業界情報のICv2は、この2月に日本マンガのファンを奪っている作品として『トワイライト』を単独で言及している。
日本のマンガは、2000年以降一貫して米国市場で成長し続けてきた。ところが2008年に初めて、その売上を落とした。その理由のひとつが、スティファニー・メイヤーの『トワイライト』だ。
つまり、若い女性たちが『トワイライト』を読むため、マンガを読まない。わずか4冊の本しかない『トワイライト』シリーズが、日本のマンガ市場全体からファンを奪っているというのだ。
『トワイライト』のコンセプトを見てみると、そこには日本の少女マンガや女性向けのライトノベルと同じ普遍的な女性の心を捉えるテーマが流れていることに気づく。
それは純愛や理想の彼氏、ファンタジー、普通の少女に訪れる運命の大きな転換など。だからこそ『トワイライト』の魅力は、日本の多くのティーン達にも届くに違いない。
『トワイライト~初恋~』公式サイト /http://twilight.kadokawa-ent.jp/
2009年4月4日(土)全国ロードショー
《animeanime》