発表の行われたCG-ARTS協会には、エンターテインメント部門大賞『TENORI-ON』の岩井俊雄氏とアニメーション部門大賞の加藤久仁生氏が来場し、受賞の喜びを語った。
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(c)岩井俊雄 / ヤマハ株式会社
エンターテインメント部門で大賞の『TENORI-ON』は、メディアアーティストの岩井氏とヤマハが共同開発したもので、今年5月に発売された。音楽の知識がなくても視覚的かつ直感的に作曲や演奏が可能なインターフェースが秀逸である点が高く評価され、今回の受賞へつながった。
エンターテインメント部門ではこのほか、任天堂の『Wii Fit』が優秀賞などとなっている。
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(c)ROBOT
アニメーション部門で大賞の『つみきのいえ』は、映像制作会社ロボットの作家チームであるRobot animation studio CAGEに所属する加藤氏が制作した短編アニメーションである。
今年のアヌシー国際アニメーションフェスティバル短編部門でグランプリに相当するクリスタル賞や、第12回広島国際アニメーションフェスティバルでヒロシマ賞などを受賞しており、納得の結果と言えるだろう。『つみきのいえ』は10月に絵本とDVDも発売されている。
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湯浅政明氏の『カイバ』は、今回アニメーション部門で受賞した唯一の商用アニメーションとなっている。他の作品はいずれも短編アニメーションで、アート色の強いものとなっている。
湯浅氏は2004年のメディア芸術祭アニメーション部門でも『マインド・ゲーム』で大賞を受賞している。今回はテレビアニメでの優秀賞受賞となる。カイバは今年4月からWOWOWでテレビ放映され斬新な映像表現と商業アニメーションの共存で話題を呼んだ。
(c)2008 湯浅政明・マッドハウス/カイバ製作委員会
また、マンガ部門では一色まこと氏の『ピアノの森』が大賞に選ばれた。この『ピアノの森』は昨年劇場アニメ化もされたことでも話題になった作品である。
マンガ部門ではこのほか、槇村さとる氏の『Real Clothes』、諸星大二郎氏の『栞と紙魚子』、さそうあきら氏の『マエストロ』、星野之宣氏の『宗像教授異考録』が優秀賞などとなっている。
第12回文化庁メディア芸術祭の受賞作品展は第14回学生CGコンテストの受賞作品展とともに、2月4日から15日まで国立新美術館で開催される。
【真狩祐志】
第12回文化庁メディア芸術祭 /http://plaza.bunka.go.jp/festival/2008/
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第12回文化庁メディア芸術祭 受賞作品一覧
■アート部門
大賞
『Oups!』 Marcio AMBROSIO
優秀賞
『touched echo』 Markus KISON
『Touch the Invisibles』 渡邊淳司/草地映介/安藤英由樹
『Moment - performatives spazieren』 田口行弘
『OUTSIDE』 Alexander MENDELEVICH
奨励賞
『insider||outsider』 海老原優
■エンターテインメント部門
大賞
『TENORI-ON』 岩井俊雄/「TENORI-ON」開発チーム代表:西堀佑
優秀賞
『Wii Fit』 「Wii Fit」開発チーム代表:宮本茂
『君の身体を変換してみよ展』
佐藤雅彦研究室+桐山孝司研究室/ユーフラテス
『Carbon Footprint』
「Carbon Footprint」製作チーム代表:Matt CHANDLER
『FONTPARK 2.0』 中村勇吾
奨励賞
『Gyorol』 朴正義
■アニメーション部門
大賞
『つみきのいえ』 加藤久仁生
優秀賞
『カイバ』 湯浅政明
『DREAMS』 荒井知恵
『KUDAN』 木村卓
『こどもの形而上学』 山村浩二
奨励賞
『ALGOL』 岡本憲昭
■マンガ部門
大賞
『ピアノの森』 一色まこと
優秀賞
『Real Clothes』 槇村さとる
『栞と紙魚子』 諸星大二郎
『マエストロ』 さそうあきら
『宗像教授異考録』 星野之宣
奨励賞
『Cartoon 2008』 菊池正文
■功労賞
中谷芙二子