学生時代の思い出が年々遠い記憶になっていく今日この頃……「まぶしい青春を浴びたい!」と思ったとき、その世界へ連れて行ってくれるのが恋愛・ラブコメジャンルのアニメだ。
とはいえ、高校時代の自分は部活と勉強に明け暮れており、恋愛経験はほとんどない。だからこそ、作中で描かれる高校生たちの様子を見ていると「こんな青春もあったのかな~」「一度くらい経験してみたかったな~」なんて思ってしまう。
本記事では、そんな筆者が楽しんでいる学園恋愛作品を3つピックアップ。個性豊かな作品たちの魅力について語っていきたい。
※以下の本文にて、本テーマの特性上、作品未視聴の方にとっては“ネタバレ”に触れる記述を含みます。読み進める際はご注意ください。
◆恋も部活も全力!『アオのハコ』Season2

1作品目は『アオのハコ』。キャラクターたちがそれぞれの想いを胸に部活に打ち込むひたむきな姿と、“誰かを好きになった時”の心の機微を繊細に描く青春部活ラブストーリーで、10月4日(日)よりSeason2の放送がスタートした。
本作の魅力は、恋にも部活にも全力投球な、キラキラとした青春を浴びられること。高校時代の自分からすれば、大喜たちの姿はまぶしすぎるくらいだ。
しかも登場キャラクターは純度200%のいい子たちばかり。だからこそ、Season2で少々毒気のある夢佳が登場したときは、少しホッとしてしまった。もちろん、あんなあからさまに毒を吐かれたら絡みづらいのだが(笑)

また、透明感のあるキラキラとした作画も印象的なところ。登場人物たちのまっすぐな思いを映し出すような美しい画面が、純度200%の青春をさらに引き立てている気がする。
しかし、本作の魅力は単にまぶしい青春を眺められることだけではない。好きな人の存在が部活を頑張る原動力になったり、恋の進展が競技への向き合い方にも影響したりと、恋愛とスポーツが互いに作用し合うところが面白い。

自分はこれまで「スポ根」「ラブコメ」など、どちらかに焦点を当てた作品を見慣れていた。そのため、2つが互いに影響し合いながら描かれる『アオのハコ』の構成は新鮮に映った。
自分には経験できなかった青春だからか、大喜や千夏が悩みながらも前へ進んでいく姿は、思わず応援したくなる。部活も恋も全力で駆け抜ける彼らを「まぶしいなぁ」と思いつつ、これからも見守っていきたい。
◆グサグサ刺さる…『氷の城壁』(第2期)

2作品目は『氷の城壁』。孤高の女子・小雪、元学校のアイドル・美姫、距離ナシ男子・湊、優しく穏やかなバスケ部員・陽太らによる、青春のすれ違いが織りなす群像劇で、10月1日(木)から第2期の放送がスタートした。
本作は恋愛を主軸にした作品だが、友人をはじめ、さまざまな人間関係にも通じる心の機微が丁寧に描かれる。相手の言葉や態度から本音を探ろうとする様子は「もはや心理戦なのでは?」と思ってしまうほど。高校生にしては言語化能力が高すぎるようにも感じるが、その言葉の意味がわかるとつい共感してしまう。
第2期では小雪の恋のライバルとして桃香が登場。かわいい顔をして「マウント気質で、フレネミー」なところがあり、私も「その言動はちょっと……しかも先輩に向かって」と引いてしまう場面もあるが、思ったことをはっきり口にできる強さは少しうらやましくもある。周囲の反応を気にして言いたいことを飲み込んでしまうより、彼女のように振る舞う方が案外人生を楽しめるのかもしれない。

高校生の恋愛はもっと「純粋!キラキラ!」なイメージだったが、本作ではキャラクターたちが悩み、すれ違い、あふれ出す「好き」に無理やり蓋をするような様子が描かれる。大切に思うからこそ本音を伝えられなかったり、空回りしてしまったり。『アオのハコ』のまっすぐでまぶしい青春とはまた違う、不器用な姿も見守りたくなる。
相手を傷つけたくない、嫌われたくない、でも本当の気持ちもわかってほしい……そんな矛盾を抱える小雪たちを見ていると、胸が苦しくなる。作中の言葉がグサグサと刺さるのは、恋愛に限らず、人との関わり方に悩んできた自分自身と重なる部分があるからなのかもしれない。
◆ツッコミが追いつかん!『塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い』

3作品目は、猿渡かざみによるライトノベルを原作とした『塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い』。「塩対応の佐藤さん」と呼ばれる佐藤こはると、実家のカフェを手伝う押尾颯太の両片想いを描く物語で、10月6日(火)より放送がスタートした新作アニメだ。
『氷の城壁』とは真逆で、難しいことを考えずシンプルに楽しめるラブコメ作品。そしてツッコミどころが満載のため、毎話お腹を抱えて笑いながら見ている。
その理由のひとつが、ヒロインの佐藤さんのクセの強さだ。初恋の相手である押尾くんに甘いのはわかるが、周囲の人に対しては塩対応を通り越して攻撃的。ミンスタグラマーになって友達を増やしたいらしいが、「まずその塩対応をやめたらすべて解決するのでは?」と思ってしまう。
さらに「ミンスタグラマーになりたい!」と言うわりには、何を撮った写真なのかわからないほど手ブレしている始末。「かわいいだけじゃ、ダメですよ?」と思うくらい中身がぶっ飛んでいるのだが、第3話では厳しい家庭環境が垣間見えるシーンも。そうなってくると、周囲へのそっけない態度や異常なほどの涙もろさ、SNSへの不慣れさにも、何かしらの理由があるのかも?と考えてしまう。
一方の押尾くんは、そんな佐藤さんにメロメロ。スパダリかつ実家のカフェを手伝うしっかり者ではあるが、明らかに挙動がおかしい佐藤さんに「かわいい♡かわいい♡」とぞっこんな様子を見ていると、「やばい女に引っかかるタイプなのでは……?」と心配になってしまう。
第3話にして早くも気持ちが通じ合っているような2人。正直「なんだこのバカップル……」と呆れる場面もあるものの、結局は見守ってしまう自分がいる。
今はまだ何だか薄っぺらく見えてしまう2人だが、これからどんな絆を育んでいくのだろうか。佐藤さんの隠された事情や、クセの強い周囲のキャラクターたちが2人の恋路にどう関わってくるのか……今後の展開が楽しみだ。

