TVアニメ『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』が、2026年7月5日よりABCテレビ、TOKYO MX、テレビ愛知、BS11にて放送され、同日よりNetflixでの世界独占配信もスタートする。6月14日、本作のジャパンプレミアが東京の新宿ピカデリーにて開催された。会場では第1話から第3話までを劇場用に編集した特別版が上映され、上映後の舞台挨拶には坂本喜八役の内田雄馬、百川稲子役の雨宮天、監督の太田稔が登壇した。この記事ではその第1部の模様を紹介する。
※第1話から第3話のネタバレを含みます。放送を楽しみにしている方はご注意ください。

『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』は、「第8回京都アニメーション大賞」の奨励賞を受賞した結城弘によるライトノベル『二十世紀電氣目録』を原作とするTVアニメだ。物語の舞台となるのは、蒸気機関が発達した架空の時代。“電氣の時代”を夢見る少年・坂本喜八は、兄・清六とともに「二十世紀電氣目録」に電氣の発明を記していた。
しかし、清六は「二十世紀電氣目録」を持って出征するも、帰らぬ人となってしまう。そこから月日が流れ、喜八の前に酒造の娘・百川稲子が現れると、喜八はどうしてか彼女から「二十世紀電氣目録」を託される。それを狙うのは、稲子との政略結婚を進める財閥御曹司・三添洋輔だ。目録をめぐり、喜八と稲子の“夢”が動き出す。

本編上映後、盛大な拍手に包まれながら内田と雨宮、太田監督が登壇した。太田監督は先だって、ロンドンで行われたワールドプレミアに参加したといい、「皆さん、フィジカルコメディが面白いと言ってくださった」と海外の反応を紹介する。内田も「見ていただくとわかりますが、キャラクターたちが所狭しと動き回りますからね」と大きく頷いていた。
一方、内田もタイでのワールドプレミアに参加しており、「見ている最中に声が出るんです。一番大きな声が出たのは第1話のラスト、洋輔の『マイワイフ』でした」と現地での盛り上がりを報告した。

そして話題は、第1話から第3話までを振り返るコーナーへと移る。第1話では、神社で祝詞を唱える稲子の登場シーンについて、内田が「天さんの祝詞がすごかったです」と絶賛する。雨宮は「稲子を演じ始めてまだ全然喋ってないのに、突然の祝詞だったんです。すごく緊張したんですけど、祝詞の“言い慣れている感”に稲子の性格、信心深さが出ると思ったので、なるべく普段から言っているようにしたいと思って、気合いを入れて臨みました」と振り返った。内田は「静かでおしとやかに見えるんですけど、意外とパッションがあるんだなというのが、祝詞から伝わってきました」と、改めて雨宮の芝居を褒めちぎった。
話題は喜八の「機械オタク」ぶりにも及び、内田はその際のコミカルな表情に注目する。太田監督は「彼らはふざけているわけではなくて、真剣に生きているんです。その結果あの表情になりました」と答えつつも、そのうえで「絵コンテを描きながら“ノリ”で生まれた」ことを明かし、これには内田も大笑いする。その芝居では、「表情に引っ張られすぎないことが大事だった」という内田は「芝居はデフォルメしすぎない方向で作っていった」と、アフレコの方針も明かした。

「二十世紀電氣目録」を狙う蒸気の財閥御曹司の三添洋輔は、序盤から強烈なインパクトを残す存在だ。太田監督は洋輔について、「ここまで印象的なキャラにするつもりはなく、欲しいものが手に入らないからずっと機嫌が悪いだけという、共感を呼ぶキャラクターにしたかったんです。気づいたら思惑通り共感を呼ぶキャラクターになりました」と回答し、大きな笑いが巻き起こった。これから視聴する人は、はたして本当に「共感」できるキャラクターのか、ぜひ洋輔の活躍を確認してみたい。
第2話では、洋輔に目録を奪われまいとする喜八と稲子の逃走劇が描かれる。太田監督は、「各キャラクターの自己紹介、アクション、目録についての説明、それらが退屈にならないようにキャラクターを見せていけたらなと思って演出しました」と演出方針を明かした。
雨宮は、2人が蔵から凧を使って飛び立ったシーンをチョイスする。「普段は、声が重なるパートは別々に録ることが多いんですけど、一蓮托生だということで一緒に録ったんです。失敗したら、もう1回2人でやろうと。おかげであの空気感、緊張感が生まれました」と語った。内田も「あの一瞬を生きるという感じで、映像に入り込むことができました」と振り返った。

第3話では、洋輔に才能を否定された喜八が、兄と描いた目録を実現する夢を揺らがせる。そんな喜八の背中を押すのが、稲子の「喜八さんは未来を、電氣の時代を実現する人なんです!」という言葉だ。雨宮は「稲子自身、根拠があるわけではなく、ただただ気持ちでいったんです。それで、喜八も背中を押されたんだと思います」と語った。内田は「このパワーは、天さんのパワーに通じるところがある。信じたものに突き進むパワーです」と話し、雨宮が照れてしまうという一幕も見られた。
第3話のクライマックスとなる「電氣満月」のシーンについては、太田監督は「ただの電球をどうやって魅力的に見せるか。この見せ方が見つかるまで時間がかかりました」とその苦労を吐露する。「美術が絵画のようなタッチで描かれているので、デジタル処理との相性が悪いんです。光の描き方でいうと、絵画的な光の付け方をして、光っているように見せました」と制作の裏側を語った。
なお、この日先行上映されたのは劇場用の特別編集版にあたる。本放送では、特別編集版にはないシーンやカットもあるとのことで、劇場上映バージョンとの違いも必見となりそうだ。
トークの後半には、作品にちなんだバラエティコーナー「僕たちが思うこれからの未来に絶対流行る・開発されてほしい電氣製品プレゼンテーション!」が実施された。「電氣目録」があったら書かれていそうな「未来の発明」をフリップに描き、観客へ向けてプレゼンするというものだ。

内田が発表したのは、自分専用インターフェイスAI「電氣管理者」だ。「ヘッドマウントのような形で、外国の方が来たときに翻訳してくれたり、今日の運勢を教えてくれたり、高速道路の混雑状況を教えてくれたりする」と紹介するが、雨宮から「アレクサとかがやってくれそう」とツッコミが入り、会場は大爆笑となる。「もう夢が叶ってた」と、内田も納得した様子だった。

続く雨宮は「全自動健康管理家」として玄関の絵を披露する。「そこを通るとその日の体調やストレスを瞬時に計測してくれて、合わせて部屋の温度を調整してくれたり、食事を作ってくれたり、寝っ転がっていたらお風呂も湧かしてくれます。疲れてお家に帰ってきて、扉を通ったらベッドまで全自動。帰ったら何もしたくないので!」と語気を強め、大きな拍手が起こった。

最後の太田監督は、アンテナのように後頭部に刺してコミュニケーションの勇気が出る針「電氣伝針」をプレゼンする。人見知りが激しいと自己分析する太田監督は、「第1話冒頭で喜八と稲子が出会いましたけど、もし僕が喜八なら顔を出せなかった」と語り、会場にどっと笑いが起こる。これでは物語が始まらないので、「自分の物語を前に進めるため」に勇気を出す針だという。内田と雨宮も「欲しい」と口を揃え、観客も拍手で賛同していた。
作品に関する新情報も多数発表され、新規キャストとして稲子の父・甚右衛門役の家中宏、母・苗子役の浅野まゆみ、矢倉文七役の遠藤大智、とめ・イナリ役の高垣彩陽が紹介された。音楽情報では、五阿弥ルナが担当するオープニング主題歌「ユーレカ・エヴリカ」が7月6日よりデジタル配信されること、アメリカ・カリフォルニア州出身のアーティスト、ジンジャー・ルートが担当するエンディング主題歌のタイトルが「Soarin’(ソアリン)」に決定したことも明かされた。エンディング主題歌は、第2話放送後の7月13日より配信がスタートする。イベント情報や新たなキービジュアルのほか、PV第3弾も公開され、プレゼント企画も始まっている。詳細な情報は、公式X(旧Twitter)を確認してみよう。
最後に、登壇者からファンへ向けてメッセージが贈られた。雨宮は「第1話から第3話だと『すごいすごい!』と思っているうちに終わったのではないかなと思います。このあと繰り広げられる人間ドラマが私は大好きで、皆さんにも大好きになっていただけると思うので、楽しみに待っていただけると嬉しいです」と述べる。
内田は「この作品が持つパワーは本当に素晴らしくて、僕らも収録しながら次どうなるんだと、その先が気になって仕方ありませんでした。圧倒的な映像と人間ドラマを合わせて楽しんでいただいて、喜八たちのことをもっともっと知っていただけたら嬉しいです」と語った。
太田監督は「今日は本当にありがとうございました。皆さんの、この夏の思い出の一助になるような作品になれば嬉しいです。ハロウィンはぜひ『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』のコスプレでお願いします」と呼びかけた。

京都アニメーションの新たな新境地、印象派絵画を思わせる挑戦的な美術背景と緻密なアニメーション表現で魅せる新作TVアニメ、煙が覆う世界で電氣の時代を夢見た少年少女の冒険奇譚が、ついに幕を開ける。7月5日よりABCテレビ、TOKYO MX、テレビ愛知、BS11にて放送、Netflixにて世界独占配信される『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』を、ぜひリアルタイムで楽しもう。
■『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』概要■
〈放送情報〉
2026年7月5日(日)よりABCテレビ、TOKYO MX、テレビ愛知、BS11にて放送開始
TOKYO MX 7月5日(日)スタート/毎週日曜 23:00~放送
BS11 7月5日(日)スタート/毎週日曜 23:30~放送
ABCテレビ 7月5日(日)スタート/毎週日曜 24:40~放送
テレビ愛知 7月5日(日)スタート/毎週日曜 25:20~放送
※放送日時は、変更になる場合があります。
〈配信情報〉
Netflixにて世界独占配信
2026年7月5日より毎週日曜23:00最新エピソード配信
〈作品概要〉
煙が覆う世界で電氣の時代を夢見た、少年少女の冒険奇譚!
〈スタッフ〉
原作:「二十世紀電氣目録」結城 弘(KAエスマ文庫/京都アニメーション)
監督:太田 稔
シリーズ構成:浦畑達彦
キャラクターデザイン・総作画監督:岡村公平
世界観設定:鈴木貴昭
美術監督:高山真緒
色彩設計:大塚芙由紀
小物設定:疋田 彩
撮影監督:植田弘貴
3D監督:高木美槻(高は「はしごだか」)
音響監督:鶴岡陽太
音楽:湖東ひとみ
オープニング主題歌:五阿弥ルナ『ユーレカ・エヴリカ』
エンディング主題歌:Ginger Root『Soarin’』
音楽制作:ランティス ハートカンパニー
アニメーション制作:京都アニメーション
製作:明滋電氣商工会
〈キャスト〉
坂本喜八:内田雄馬
百川稲子:雨宮 天
三添洋輔:内山昂輝
坂本清六:小野大輔
陸 健吾:武内駿輔
百川規子:寿 美菜子
原島すず:大地 葉
大倉ケイト:川井田夏海
矢倉弥治郎:浦 和希
鱒淵伊蔵:平川大輔
百川甚右衛門:家中 宏
百川苗子:浅野まゆみ
矢倉文七:遠藤大智
とめ/イナリ:高垣彩陽
〈オープニング主題歌〉
五阿弥ルナ『ユーレカ・エヴリカ』
〈エンディング主題歌〉
Ginger Root『Soarin’』
(C)結城弘・京都アニメーション/明滋電氣商工会

