「アオアシ」は天才無双じゃないから面白い!サッカーミリしらがハマった3つの理由【ワールドカップ連載コラム Vol.3】 | アニメ!アニメ!

「アオアシ」は天才無双じゃないから面白い!サッカーミリしらがハマった3つの理由【ワールドカップ連載コラム Vol.3】

2026年6月11日に開幕するFIFAワールドカップでサッカー作品に興味を持った人に勧めたいのが、アニメ『アオアシ』。本記事では、サッカーに詳しくなくても楽しめるポイントや魅力について紹介していく。

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『アオアシ』キービジュアル(C)小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会
『アオアシ』キービジュアル(C)小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会 全 1 枚 拡大写真

6月11日に開幕した2026年のFIFAワールドカップ。これを機に「サッカー作品を観てみようかな」と思っている人も多いのではないだろうか。

そんな人におすすめしたいのが、アニメ『アオアシ』。サッカーの知識はほぼゼロ、戦術もポジションもよくわからない……そんな私でも、気づけば次の話が待ち遠しくなるほど夢中になっていた。

なぜサッカーに詳しくない私でも心を掴まれたのか。本記事では、アニメ第1期10話までの内容をもとに、『アオアシ』ならではの魅力を紹介していく。


『アオアシ』とは?

2015年より「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて連載された、小林有吾によるサッカー漫画。愛媛県に住む中学三年生・青井葦人は、ある日Jリーグの強豪クラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也と出会う。福田の誘いでセレクションを受け上京した葦人が、挫折と成長を繰り返しながら、プロサッカー選手を目指していく物語だ。

2022年4月から9月までTVアニメが放送され、リアルなサッカー描写と葦人の等身大の成長が話題となり、アニメファンのみならず、スポーツファンなど幅広い層の心を掴んだ。2026年10月より、TVアニメ第2期となる『アオアシ Season2』の放送が決定している。

主人公と一緒にサッカーを学べる

『アオアシ』の魅力のひとつは、葦人と一緒にサッカーを学べることだ。スポーツ作品といえば圧倒的な才能を開花させた主人公がのし上がっていくイメージがあるが、葦人は違う。広い視野や飲み込みの早さはあるものの、ユースでは全く歯が立たず、落ちこぼれとして扱われてしまう。

だからこそ本作は、サッカーの基礎から丁寧に描いていく。第8話「夜練」では「止めて蹴る」という基本技術の欠如を指摘された葦人が、夜通しトラップの練習に取り組む。最初は「なぜそんな練習が必要なんだろう」と思っていた私も、後の実践で葦人が「止める=次にボールを動かすための重要な動作」と気づいた瞬間、「なるほど!」一緒に納得した。葦人の学びがそのまま視聴者の学びにもなるという点が、本作の面白さでもある。

また、サッカーは足の速さやフィジカルが重要だと思っていた私にとって、戦術や状況判断の奥深さを知れたことも新鮮だった。『アオアシ』で得た視点を持ってワールドカップを観れば、きっとこれまでとは違った楽しみ方ができるだろう。

葦人と学びを共有できるからこそ、知識がなくても置いていかれない。むしろ知らないからこそ、新しい発見があるのだ。

泥臭く頑張る姿を応援したくなる

正直に言うと、最初は葦人のことをあまり好きになれなかった。「俺にボールをよこせ」「俺に点を取らせろ」と言わんばかりの自信家で、周囲が見えていない場面も多い。地元ではエースだったのかもしれないが、ユースでは通用しないだろうと思いながら見ていた。

その予想どおり、葦人はユースで何度も壁にぶつかる。なかでも印象的だったのが、第9話「広がるサッカー」での練習試合だ。葦人は自分なりに考えて動いたが、それはサッカー経験者なら誰もがわかる「やってはいけないプレー」で、チームメイトの怒りを買ってしまう。

しかし知識と経験がない葦人はなぜ怒られているのかすらわからず、その場に立ち尽くす。良かれと思ってやったことが裏目に出る様子があまりにもリアルで、見ていて胸が痛くなった。

それでも腐らないのが葦人だ。自分に足りないものを認め、人一倍練習し、コーチに頭を下げてサッカーを教わる。圧倒的な才能で壁を飛び越えるのではなく、失敗と挫折を繰り返しながら少しずつ登っていく「泥臭い姿」を見ているうちに、最初は苦手だった葦人を、いつの間にか応援するようになっていた。

夢を支える家族愛に胸を打たれる

『アオアシ』でもうひとつ印象的なのが、家族との関係が丁寧に描かれていることだ。スポーツ作品では仲間との絆やライバル関係に焦点が当たることが多いが、本作では葦人を支える家族にも多くの時間が割かれている。

葦人の家は決して裕福ではない。母の紀子は女手ひとつで兄弟を育て、兄の瞬もアルバイトをしながら家計を支えている。そんな環境の中でサッカーを続け、プロを目指すのがどれほど大変なことかは想像に難くない。

それでも家族は葦人の夢を応援し続ける。特に胸を打たれたのが、第5話「オレンジ色の景色」の上京シーンだ。

紀子は上京先での生活の足しになるよう20万円が入った通帳と新しいスパイクを用意していた。どちらも葦人には内緒で準備されたもので、彼は一人乗り込んだ電車の中でその存在を知る。普段から厳しく接し、「サッカーにあんたを取られるみたいやねぇ」とまで言っていた母が、誰よりも息子の夢を応援していたことが伝わり、思わず涙してしまった。

そして葦人自身も母や兄の想いを理解しているからこそ、何度壁にぶつかっても諦めない。「プロになって母ちゃんを楽させたい」という強い気持ちが、彼を前へ進ませる原動力になっているのだ。

夢を追う本人の後ろには、精神的にも金銭的にも支え続ける家族の存在がある。葦人の挑戦に現実の重みがあるからこそ、その姿に心を動かされ、応援したくなるのだ。

サッカーミリしらでも夢中になれる

サッカーに詳しくない私が『アオアシ』に夢中になれたのは、サッカーの学びや面白さだけが理由ではない。人の成長や家族との絆といった普遍的なテーマが丁寧に描かれていたからだ。

失敗し、学び、悩みながらも前へ進む葦人の泥臭い姿。その泥臭さこそが本作最大の魅力であり、現実のワールドカップで活躍する選手たちもまた、そうした日々の積み重ねの先にいるのかもしれない。

「ルールも戦術もよくわからない」という人にこそ、『アオアシ』を観てほしい。葦人と一緒にサッカーを学びながら、気づけばその成長を応援したくなっているはずだ。

現在、第1期はNHK Eテレで再放送中のほか、Netflixなど各種配信サービスでも視聴可能。10月から放送予定の第2期に備えて、ぜひこの機会にチェックしてみてほしい。




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■TVアニメ『アオアシ』第1期
【スタッフ】
原作:小林有吾『アオアシ』
監督:さとう陽
シリーズ構成:横谷昌宏
副監督:曽我準
サッカー監修:竹下健一、曽我準、飯塚健司
キャラクターデザイン:中武学、川村敏江、山口飛鳥、長谷川早紀
サブキャラクターデザイン:清池奈保、渡部由紀子、大導寺美穂、白井英介、本田真之
総作画監督:中武学、山口飛鳥
プロップデザイン:伊東ありさ、津坂美織
色彩設計:上野詠美子
美術監督:垣堺司、竹田悠介
美術設定:金平和茂、伊井蔵
2Dワークス:濱中亜希子
プリビジュアライゼーション:前島昌格
3D:森本シグマ
撮影監督:今関舞子
編集:村上義典
音響監督:はたしょう二
音楽:横山克
アニメーション制作:Production I.G

【キャスト】
青井葦人:大鈴功起
大友栄作:橘 龍丸
橘総一朗:山下誠一郎
冨樫慶司:八代 拓
黒田勘平:堀江 瞬
朝利マーチス淳:加藤 渉
本木遊馬:榎木淳弥
竹島龍一:熊谷健太郎
阿久津渚:武内駿輔
栗林晴久:梅原裕一郎
中村 平:小野賢章
桐木曜一:内山昂輝
高杉榮太:古川 慎
義経健太:興津和幸
一条 花:河瀬茉希
海堂杏里:上田麗奈
金子 葵:小松未可子
福田達也:小林親弘
伊達 望:安元洋貴
青井紀子:園崎未恵
青井 瞬:中島ヨシキ

【テーマ曲】
オープニングテーマ:[Alexandros]「無心拍数」
エンディングテーマ:Rin音「Blue Diary」

(C)小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会

《堀めぐみ》

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