2026年春アニメも中盤に差しかかり、毎週の放送がますます楽しみになってきた。物語を見届けたその瞬間、EDが流れ出すと胸を撃ち抜かれる。
エンディング(ED)は作品の余韻を描く“もうひとつの語り”だ。キャラクターたちの想いや、描かれなかった感情の続きを音と映像で伝えてくれる。その瞬間の美しさや切実さに思わず息を呑むことがある。
今回は、心が動いた4つのEDを紹介したい。「Re:ゼロから始める異世界生活」「転生したらスライムだった件」「スノウボールアース」「ガンバレ!中村くん!!」。どの作品も、主題歌が映像とともに物語を締めくくる“奇跡の時間”を生み出していた。ぜひその余韻を一緒に味わってほしい。
■アニメ「ガンバレ!中村くん!!」/Various Artists

内気な男子高校生の主人公・中村男久斗がクラスメイトの広瀬愛貴に一目惚れをしてはじまる不器用ボーイズラブ(!?)。奥手すぎて行動が空回りする中村の様子に毎話ハラハラドキドキと視聴者は手に汗を握っているはず。そんなストーリーの最後に繋がるのは昭和や平成の名曲たち。週替わりのEDのセレクトが毎週、神掛かっていることで話題沸騰中。第1話のED曲はラジカセから流れ出す村下孝蔵の「初恋」(1983年)。好きだよと言えない思いに、深夜に勉強机で耳を傾ける中村。第2話は広瀬を前に緊張から大失敗してしまった中村が自室で膝を抱えている。そこに歌いかけるバブルガム・ブラザーズの「WON’T BE LONG」(1990年)は「もうすぐだ」という励ましのように響く。第3話はトラブルで下校が遅くなった中村が乗るタクシーのカーステレオから流れるスチャダラパーfeaturing小沢健二の「今夜はブギー・バック<smooth rap>」(1994年)。第4話は自室でバービーボーイズの「負けるもんか」(1985年)をご機嫌に踊る中村。左ききの中村のエアギターをレフティで見せる細やかさ。第5話は泰葉の「フライディ・チャイナタウン」(1981年)が自室に響く。修学旅行の案内のプリントの行き先の横浜への思いが滲む。中村の心情と物語とがシンクロする懐メロが幅広い世代を物語へと惹きつける役割を担っている。今後のセレクトとストーリーのシンクロへの期待感が止まらない。
■アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」/MYTH & ROID feat. TK(凛として時雨)「Ender Ember」

大罪司教の襲撃によってユリウスが名を奪われ、昏睡状態のレムもいる中、さらに望まぬままにアナスタシアの精神と入れ替わっているエキドナからアナスタシアを解放するために賢者シャウラの元に向かうことを提案されたスバル。そんな新たな旅の物語のEDを彩るのはMYTH & ROID feat. TK(凛として時雨)で奏でる「Ender Ember」だ。第1期のED「STYX HELIX」を歌い、「STRAIGHT BET」や「theater D」など挿入歌でもスバルの困難に次ぐ困難の旅路を支えてきたMYTH & ROID。KIHOWの高音ボーカルと叫びにも似たTKの声のコントラストがシリアスな響きをより濃密にする一曲。ED映像では静かに始まる楽曲と共に血を浴びていくスバルやエミリアたち。TKの歌声が重なれば魂のユニゾンが希望へと手を伸ばすスバルたちのまなざしへと繋がっていく。物語の余韻であるEDもまた緊迫感を滲ませ、彼らの旅を刻み付けるようだ。
■「スノウボールアース」/ヒグチアイ「今この胸に滾るのは」

銀河怪獣との最終決戦を終え、10年ぶりに地球に帰還した少年・鉄男。たどり着いたのは氷に包まれた凍てついた地球だった。巨大ロボ「ユキオ」を相棒に宇宙怪獣との戦いに再び身を投じる鉄男と残された人類の生存への戦いの物語のEDを歌うのはヒグチアイ。アニメ「進撃の巨人 The Final Season 完結編」のED「いってらっしゃい」以来のアニメタイアップとなるこの曲は、躍動するドラムのビートと美しいフルートの音色がストリングスの旋律と共に疾走する透明感と熱とを宿す一曲。ED映像ではまだ謎の多い地球を取り囲む状況や、鉄男の出会った人々の生活が描かれる。そんなアニメに重なるヒグチアイの綴った歌詞は、希望を歌う。絶望の中に在っても強く前を向く彼らの生命力を感じるヒグチの歌がラストへと駆けだすように響くと鉄男も走りだす。それは次の話数へと灯りを繋ぎ、最後にそこに在るものへと思い馳せるED映像だ。
■「転生したらスライムだった件」/CiON「渇望」

魔王リムルの誕生から「魔国連邦テンペスト」の開国祭も無事に終えたテンペスト。そのリムルたちの前に、西方諸国を牛耳るシルトロッゾ王国のグランベル・ロッゾの孫娘マリアベルが立ち塞がることになるアニメ第4期。EDを歌うCiONは栞音と愛佳のパワー感ある2人のハイトーンボーカリストに佳子(Sax)、聖奈(Euph & B.Tp)、杏実(Pf)による華やかなブラスセクションとで結成されたブラスアイドルこと“ブラドル”だ。美しい旋律と妖艶なメロディとで紡がれるゴシックブラスロックに導かれるように映し出されるのは横たわっていた純白の衣装に身を包んだマリアベル。その手に血を浸し、紅い足跡を神殿につけながら強欲の名のままに笑みを浮かべて己の欲を満たしていく姿が印象的だ。物語が進む中、明らかになっていく彼女の本質を思わせるED映像だ。
元来、アニメのEDでは物語の余韻を楽しませ、次週への期待感を繋ぐような楽曲や、箸休め的に作品の緩急の“緩”を担うものは少なくないけれど、その週の物語のラストの“エピソード”のように響く4曲を作品と共にご紹介した。一週間をあっという間に感じるくらいの物語への熱を、このED曲で灯して欲しい。「Re:ゼロから始める異世界生活」や「転生したらスライムだった件」は過去シリーズも必見な長編シリーズの第4期だが、今クールからスタートした「スノウボールアース」も含め、観れば原作も追いかけたくなるような作品ばかり。GWを楽しむ一助となることは間違いない。

