TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」のエンディングテーマに新曲「よあけのうた」が決定し、大きな注目を集める鳥取出身のシンガーソングライター・jo0ji。
彼による初の全国ツアー「jo0ji 1st album tour 2025『あえかなる』」が1月20日、大阪・梅田CLUB QUATTROでファイナルを迎えた。2025年11月から全国6都市を巡り、2026年1月17日の東京・Zepp Shinjukuと20日の大阪で追加公演を開催。ここではZepp Shinjuku公演のオフィシャルレポートをお届けする。
■ライブレポート@1/20 Zepp Shinjuku
jo0jiは、友達を励ますために書いた「不屈に花」から音楽活動をスタートさせたアーティストだ。2023年9月に発表した1st EP『475』は「ヨナゴ」と読み、地元・鳥取の風景や感情をパッケージした作品だった。

それから約2年。2026年が始まってすぐ、jo0jiは大きなニュースを発表した。初のアニメ主題歌として、TVアニメ『呪術廻戦』「死滅回游 前編」エンディングテーマを担当することが決定したのだ。世界的人気アニメのタイアップは、jo0jiの音楽が世界中の人々に届く大きなきっかけとなることは間違いない。
ライブは「不屈に花」からスタート。波の音や鳥の鳴き声で漁港の匂いを立ち上がらせたあと、まずは歌とピアノだけで聴かせた。最後のサビの前には、独りでスポットライトを浴びながらアカペラで歌うという演出も。そしてラストは仲間=バンドメンバーがジョインし、音を連ねて巨大な熱量を放出させた。

「鳥取から来ましたjo0jiです、よろしく!」という挨拶を挟んで、「ワークソング」と初期楽曲である「明見」「言焔」を続けた。その後も「ランタン」「駄叉」と、序盤ではまるでjo0jiの歩みを描くように、リリース順に近い流れで演奏されるセットリスト。
「駄叉」でjo0jiが紡ぐ魂のメロディとバンドによる壮大な音でZepp Shinjukuを包み込んだあと、空気を一変させたのは「BAE」。この曲は、jo0jiが楽曲制作で悩んだとき、心のブレを正すために書いたもの。自分の中にある二面性をサウンドで表現し、不特定多数の人に影響を及ぼすことに戸惑ったり、みんなに好かれる楽曲を狙って自分を偽ったりすることはしないと、自分に言い聞かせるような曲だ。

バンドによるジャムセッションを挟んで、一度ステージ袖にはけたjo0jiがサングラスをかけて戻り、ハンドマイクで気怠そうに歌ったのは「escaper」。そして、懐かしいメロディが輝く「眼差し」。歌舞伎町という街で鳴らすのが似合う、jo0jiなりのジャズ歌謡「ゑ喧」もあった。
おばあちゃんが亡くなったときに書いた「cuz」のあとは、《everything all right》の合唱が、タイトル通り「温もり」を生んだ「Nukui」。「条司」が演奏されると、会場と一人ひとりの心の温度はさらに上昇した。サビに合わせてオーディエンスが腕を空に向け、無邪気に左右へと揺らした時間は、マジカルなくらいにハッピーな空気が生まれていた。
オーディエンスと目を合わせながら、ときにチャーミングな笑いを交えるほど、まさに友達に語りかけるように歌った「謳う」は、もともと友人に子どもが生まれたときに書いた曲であるが、ここでは全世代にとってのおまじないのように響き渡った。そして終盤、「≒」が放った希望の光は、どこまでも明るく照らし、永遠に消えやしないと信じさせてくれるものだった。最後は「雨酔い」。《僕等には まだ光がある/僅かだけど 確かにある》――そう歌いながら全員の合唱を先導するjo0jiは、これまでで最も強い光を放っていた。

特別な時間は、まだ終わらない。一度幕が閉じて、アンコールの声に呼ばれて再び開幕すると、赤いスポットライトに照らされたjo0jiが登場。そこから「よあけのうた」が初披露された。しかも、これまで演奏してきたバンドメンバーに、「よあけのうた」に参加しているギタリスト・クマガイユウヤ、アレンジャー/キーボーディスト・Koki Furukawaが加わったスペシャル編成によるもの。サウンドもjo0jiが全身から発するエネルギーも凄まじい爆発力を帯びた状態になっていた。
特に《まだ僕はここに異体、君と居たい/失くせはしないものがある》というラインには雄叫びのような切実さが滲んでいたのだが、その理由の一片を、その後のMCで知ることになる。

jo0jiは、『呪術廻戦』のキャラクター・虎杖悠仁の気持ちと自身の心情を重ねて制作に取り組んだこと、孤独を感じる時期があったが、バンドメンバーやチームなど今の環境で心を委ねられる「お馴染み」たちのおかげで、暗闇が明けて目の前に光が射した心境変化について語った。
そして、該当曲である「onajimi」を歌い上げた。これはアルバム『あえか』の最後に収録されている楽曲であり、「自分を救うために書いたような曲」だという。この日、jo0jiはアウトロに「≒」のフレーズを混ぜ込んだ。「≒」と「onajimi」は、プロとしての音楽活動をスタートさせた2年のあいだにjo0ji中で起きた、人間関係の変化や別れに対する捉え方の違いを表した2曲である。

たとえ別れが訪れたとしても、人との関係性が「あえか」なものになってしまったとしても、互いを信じた時期の気持ちまでは壊さなくていい。突然、華やかな世界でプロとして音楽活動をするようになった自分は、「あえか」な存在だと自覚している――そういった思いをアルバムでは表現していたが、「よあけのうた」を世に放った今、jo0jiは《まだ僕はここにいたい、君と居たい》と諦観を捨てて高い熱量を抱きながら前を向いているように見えた。
音楽を通じてjo0jiを「友達」「お馴染み」と慕う人たちの輪が、地元・鳥取から世界中へ広がっていく――そんな未来のストーリーが浮かび上がってくる、「jo0ji 1st album tour 2025『あえかなる』」追加公演だった。

テキスト:矢島由佳子
Photo by Ayumu Kosugi
なお、5月には東名阪にて初のZeppツアー「jo0ji tour 2026『よあけまえ』」の開催が決定している。現在チケット先行受付中(1月26日23:59まで)。

