ゲェーーッ、原画だけじゃなかったのかーーッ!『キン肉マン』45年の歴史を紐解く記念展【イベントレポ】 | アニメ!アニメ!

ゲェーーッ、原画だけじゃなかったのかーーッ!『キン肉マン』45年の歴史を紐解く記念展【イベントレポ】

「えっ!?こんなものまで??」……会場で驚いてほしい意外な展示物に貴重な資料の数々!!

イベント・レポート アニメ
注目記事
(C)ゆでたまご
(C)ゆでたまご 全 15 枚 拡大写真

1979年に少年ジャンプで連載がスタートした『キン肉マン』。
当初はギャグマンガとして怪獣と戦っていましたが、「第20回超人オリンピック編」から少しずつプロレスバトル路線に移行。友情物語を柱とした熱いストーリーを展開して不動の人気を獲得し、アニメ化の流れもあって一大ブームを巻き起こしました。

さらに1997年からは息子たちの世代を描いた『キン肉マンII世』を連載し、2011年からは待望の『キン肉マン』続編をスタート。現在まで連載が続くだけでなく、この夏からはその続編を『キン肉マン 完璧超人始祖編』としてアニメ化しています。

その長い連載期間は決して平坦な道のりではなく、「ゆでたまご」のペンネームで活動する原作担当・嶋田隆司さんと作画担当・中井義則さんのコンビは、つねに「おもしろいもの」を模索し試行錯誤を重ねたそうです。

そんな45年にもわたる『キン肉マン』の歴史を振り返る今回の記念展。原画総数150点以上、その他の展示物を含めれば250点以上! キン肉マン関連のイベントとしては史上最多数を誇る原画の数々となります。しかもそれはリアルタイム世代だけでなく、続編シリーズやそのアニメ版から入った人でも思わず唸るようなイベント内容となっていました。

本稿はそのイベントレポートとして、なるべくネタバレを避けながら魅力をお伝えできればと思います。なお本イベントは東京で実施後、11月16日から12月1日まで大阪会場でも開催される予定です。

▲エントランスで来場者を迎えるのは、45年にも渡る連載の歴史を年表化したヒストリーロード。ジャンプコミックスではおなじみの、著者近影とコメントもあわせて紹介されています。

◆各コーナーでは原作者のインタビュー映像も!

エントランスを抜けてまず感激したのは、まるで『キン肉マン』の劇中に登場するかのような分かれ道があったことでした。

『キン肉マン』では仲間の正義超人とライバル超人たちが、複数の試合を同時進行で進めるのがお約束です。その際、誰と誰が戦うかは行き先の分からないルートを通るなどするガチャ要素で盛り上げるのですが、原画展で来場者を待っていたのはまさにその「運命の分かれ道」でした!

中心フロアから放射状に伸びたルートはそれぞれ「第1章 怪獣退治編~第20回超人オリンピック編」「第2章 アメリカ遠征編~第21回超人オリンピック編」「第3章 7人の悪魔超人編」といったように章立ての展示ルームへと続いており、各展示ルームでは作品世界観を盛り上げるような演出とともに原画の数々が来場者を迎えていました。

原画展としては第1章から順番に回るのが正しいのですが、やはり作品世界観を考えると「それじゃオレはこっちのルートを選ぶぜ!」をやりたいところ。

しかも各展示ルームでは作品世界観に入り込んだ気分になれるフォトスポットもあったり、名場面を体験する仕掛けなどがあったりして、『キン肉マン』ではお約束の感嘆符である「ゲェーーッ!」を思わず連発するほどでした。

▲「運命の分かれ道」を表現した各展示ルームへの道。あなたはどのルートに突撃する!?
▲「第20回超人オリンピック編」をイメージしたフォトスポット。この向かい側に様々な原画が展示されていました。
▲サンシャインのローラーを再現したフォトスポット。実際に腕を突っ込むことが可能! なおこの対面にも様々な原画が来場者たちを待ち構えています。そのほか多数のフォトスポットが!

展示されていた原画は、作業用に貼っただろうセロテープの跡だったり、手描きの指示だったり、写植の様子も見れて、「マンガの原稿ってこうなっているのか!」とひとつひとつが驚きの連続。現在はデジタルで作業することが多いマンガ業界ですが、そのアナログな成果物はそれだけで特別な価値が感じられるものでした。

そのほかゆでたまご両先生が赤塚賞準入選した際の賞状や、『キン肉マン』ではおなじみの超人募集にまつわる展示、『キン肉マン』が初連載された際のジャンプ本誌の現物など、解説パネルやゆでたまご両先生のインタビュー映像を交えて語られており、この機会を逃したらもう見られないだろう貴重な展示の数々でした。

当然、展示された原画は1980年当時の前シリーズだけでなく、現在アニメ版が放送中の『完璧超人始祖編』を含む最新の展開までを網羅。「運命の分かれ道」の先でも様々な展示がされており、2時間あっても足りないくらいの情報量です。

個人的にはやはり、「運命の分かれ道」を含む名場面の再現は燃えましたし、超人募集にまつわる展示コーナーもなかなか外に出てこないことが語られていたりして、取材であることを忘れて魅入ってしまうほど。どれだけ時間があっても足りません。

世代を問わず、きっと新たな発見があるだろう本イベント。会期は8月25日までとなっています。

▲赤塚賞に準入選した際の賞状と、それを発表した時のジャンプ本誌。
▲『キン肉マン』が連載スタートした時のジャンプ本誌の当時品(右)。キン肉マンのカラーリングが緑色の初期バージョンです。そのほか当時の連載作品は『コブラ』『こち亀』『サーキットの狼』『すすめ!パイレーツ』など! また連載スタート前の読み切り時代は作品ロゴが現在と異なっていました(左)。
▲2021年に制作された「キン肉マン ねぶた」。キン肉マンを制作したのは手塚茂樹さん、キン肉マンソルジャーは北村春一さんです。
▲2011年からスタートした新シリーズは、ブラックホールを模したゲートの先に!
▲物販スペースにはさまざまなオリジナルグッズが。公式図録には展示されていた原画と解説パネルなどが収録されていました。まさにとっておきの「思い出」グッズです。
▲そのほか関連商品も。こちらはティーパックマンのティーカップ! 会場がサンシャインだけにサンシャインのグッズもありました。
原作45周年記念「キン肉マン」愛と絆の原画展
会期:2024年8月10日(土)~8 月25日(日)
入場:8月10日~18日(日) 10時~19時
   8月19日~23日(金) 13時~19時
   8月24日~25日(日) 10時~19時
   ※18時30分以降は入場できません。
会場:サンシャインシティ 文化会館3F 展示ホールC
入場:大人2,200円、子供1,500円

※なお本イベントは、11月16日(土)~12月1日(日)まで、
 大阪・心斎橋OPA 7階特設会場でも実施予定です。

(C)ゆでたまご


キン肉マンよ永遠(とわ)に……そして

(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
キン肉マン 85 (ジャンプコミックスDIGITAL)
¥543
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《気賀沢 昌志》

特集

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]