pixiv担当者が感じた東南アジア作家のレベルの高さ― 「VRoid」と現実とリンクさせる可能性も語る【AFA SG 2022インタビュー】 | アニメ!アニメ!

pixiv担当者が感じた東南アジア作家のレベルの高さ― 「VRoid」と現実とリンクさせる可能性も語る【AFA SG 2022インタビュー】

東南アジア最大級のポップカルチャーイベント「AFA Singapore 2022」が開催された。今回、クリエイターエリアのスポンサーを務めたpixiv担当者に話を伺った。

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「AFA Singapore 2022」pixiv
「AFA Singapore 2022」pixiv 全 6 枚 拡大写真

アニメイベント「AFA Singapore 2022」のクリエイターエリアのスポンサーを務めたpixiv。この度、クリエイター事業部の小川潤さん、新規事業部VRoid部の吉富秀平さんにインタビューし、イベントに参加して感じた今後の可能性を聞いた。

東南アジア最大級のポップカルチャーイベントで、シンガポールをはじめとする各国で開催されている「Anime Festival Asia(以下AFA)」。人気のアニメ・ゲームに関するステージや展示、コスプレイヤーのパフォーマンス、グッズ販売、飲食ブースなど、ひとつの会場でさまざまなジャンルを楽しめる。11月下旬、もっとも規模が大きい「Anime Festival Asia Singapore」がシンガポールにて開催された。

[取材=江崎大 文=米田果織]

■新たな試みで感じた今後のイベントの可能性とは?


――この「AFA」において、あらためて御社が実施した試みについて説明をお願いします。

小川:pixivは今まで海外の大型イベントにブース出展は何度か行っていましたが、もっと主催者や現地クリエイターと近い距離でイベント参加が出来ないかと考えていました。今回は出展ブースは持たず、「AFA Singapore 2022」のクリエイターエリアCreators Hubのスポンサーとして、東南アジアのクリエイターと繋がりを持つこと、交流を深めることを軸に企画を組み立てていきました。

まず、Creators Hubに出展されたクリエイターにはpixivIDを「AFA Singapore 2022 Creators Hub」の公式サイトに掲載いただきました。来場客が気になるクリエイターの作品をpixivで確認し、事前にどこのブースを回るか決めるための参考になっていました。

また、pixivでは9月からAFAに関連する作品を募集するイラストコンテストを開催しました。そしてコンテスト受賞者の作品を会場内に展示、さらに来場者に向けたpixivグッズの配布も行いました。僕が所属しているブランドアクティベーション室は、海外でのpixivのブランディングや海外クリエイターの創作活動支援を目的とした部署。今回はその中でも東南アジアの作家さんにフォーカスを当てた企画となります。

――日本と比べて、シンガポールのクリエイターの特徴・傾向はありますか?

小川:絵のタッチにしっかりと芯が通っている、「自分の絵柄」というものを確立している方が多い印象を受けました。本当に1つ1つ丁寧に描かれていて、どの作品もレベルの高いものばかりで驚きました。

――その作品たちは、日本のファンも見ることはできるのでしょうか?

小川:はい。今回コンテストに参加いただいた作品に限定した形となりますが、下記コンテストページにて見ることができます。

▼AFA Singapore 2022 Illustration Contestページ
https://www.pixiv.net/contest/afasg2022

――VRoidについても教えてください。

吉富:pixivはVRoidプロジェクトという、3Dに関係するプロダクトをいくつかリリースしています。そのVRoidモデルを、今回のキャラクタークリエイティングに使えないかとご相談をいただきました。

――これまでの活動内でも、アバターとリアルの融合というのはあったのでしょうか?

吉富:「NEOKET(ネオケット)」というバーチャル空間で行うオンライン即売会は開催しているのですが、リアルイベント内で、こういった形でアバターを使ったことは初めてです。

――では、今回は大きな事例となるイベントになりましたね。

吉富:そうなると思います。今回、会場内に入って思ったのは、アクティビティがあるとイベントがより楽しくなるということ。カスタマイズされたモデルが使われている様子を見て、もっと大きなものに成長して、まだこの先に素晴らしい展開があるのではないかと思わされました。

――具体的にどんなことができると思ったのか、イベントを通じて感じた可能性を聞かせてください。

吉富:現実の即売会と相性が良いと感じました。アクティビティが1つあることで、熱気が全然変わってくる。それが単なる1つのアクティビティで終わらないで、イベント全体を通すものになっている。

今回はテストケースということで、アバターの表現力はそこまでこだわれなかったので、カスタマイズ可能なアバターの種類を増やしたり、表現の幅を広げることが、今後もっと重要になるのではないでしょうか。

コトブキヤのブースでは、フィギュアのポーズを真似するアクティビティがありました。そういった、現実とリンクしたカスタマイズを考えていけたら面白いと思います。

小川:イベント内でイラストを販売しているクリエイターに話を聞くと、「これはpixivで人気だった作品なんですよ」と言っている方がたくさんいました。

そんな方たちのためにも、国や言語を超えてクリエイターのファンが1人でも増えるような支援をpixivやpixivFANBOX等の関連サービスを通して行っていきたいです。

また、今後もクリエイターの方々がpixivに作品を投稿しようと思うきっかけになるような企画を、オンラインオフライン問わず実施していきます。

《米田果織》

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