映画「スラムダンク」原作ほぼ未読で観に行ってもめちゃめちゃ楽しめた件【冬休みは「THE FIRST SLAM DUNK」】 | アニメ!アニメ!

映画「スラムダンク」原作ほぼ未読で観に行ってもめちゃめちゃ楽しめた件【冬休みは「THE FIRST SLAM DUNK」】

あるアニメ編集部員が「スラダン」をミリしらで鑑賞したレポートである。

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映画『THE FIRST SLAM DUNK』(C)I.T.PLANNING,INC.(C)2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners
映画『THE FIRST SLAM DUNK』(C)I.T.PLANNING,INC.(C)2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners 全 4 枚 拡大写真

過去の自分に告ぐ。
なぜ井上雄彦作品を『バガボンド』しか読んでこなかったのか――。

11月某日。
『THE FIRST SLAM DUNK』のキャストが明らかになった。テレビアニメ版の声優を期待していた当時からのファンからは、落胆の声があふれた。
このSNSの反応の荒れ具合は編集部でも話題になった。確かに、馴染みある声が変わってしまうのは悲しい。さらに、情報が後出し気味になったため、ファンを期待させてしまっていたのかもしれない。

私はアニメ『SLAM DUNK』放送当時、『美少女戦士セーラームーン』に夢中で、その後に始まる『SLAM DUNK』を見ていた記憶がない。そのため、キャスト変更にとくにダメージを喰らわなかった。
マンガも、鍼灸院に通ったときに少し読んだ程度で、赤木が尻を丸出しにしている話で時が止まっていた。
そのため、映画も観る熱量も持ち合わせていなかった。

※以下の本文にて、本テーマの特性上、作品未視聴の方にとっては“ネタバレ”に触れる記述を含みます。読み進める際はご注意下さいませ。

■音楽がめっちゃええやん


だが、公開が迫りテレビCMが流れ始め、私は気持ちを改める。

え。え。え。
久々にテレビに釘付けになる、という状態に陥った。
流れたのは、エンディング主題歌である10-FEETの「第ゼロ感」。疾走感あるロックサウンドに、垣間見える試合シーン。映像と音楽がジャストフィットしていると感じた。
これは音楽だけでも聞きに行きたい。ものの15秒のCMにインスピレーションを受け、劇場に足を運ぶことを決めた。

そしていざ劇場に入ると、明らかにバスケをやっていそうなスポーティなファッションのお兄さん、子どもを連れたお父さんが目に付く。普段見に行くアニメとは違う客層に、新たなおもしろさに出会えそうな期待が高まっていく。

物語は、兄弟の1on1、そして大切な人の喪失に悲嘆に暮れる家族のシーンから始まった。
予備知識ほぼ0で挑んだため、これは誰の回想なのか……と思いめぐらそうとすると、舞台はバスケコートにチェンジ。
オープニング主題歌であるThe Birthdayの「LOVE ROCKETS」が流れ始める。

これがまたゴリゴリのロックでカッコいいこと! チバユウスケが歌う、気怠げな、渋いがなり声が、なんだか最強な気分にさせ、これから始まる試合に高揚していく。

■演出もカッコよすぎんか?


また、このときの映像が、花道、流川、三井、赤木、宮城と順番に手描きモーションで描かれていくもの。
正直、私はこの時点でキャラを全員把握していないのに、「あぁ、このOPを見るだけにもう1回見に行くやつだ」と思うほどシビれてしまう演出だった。
そして、曲が終わるとともに試合スタート。見ているこちらまで士気が高まり準備万全だ。

本作はCG作画となっているが、なかなか好き嫌いが分かれるもので、未だアニメに馴染めていない部分もある。筆者も見づらいと思う派であり、今回はそこを諦めて音楽を全力で楽しむことに賭けて見に来たのである。
だが、思うほど違和感はなく、むしろ試合の細かな描写がきちんと再現されることで、まるで会場にいるような没入感を生み出していた。

ダンクシュート、ディフェンス、スリーポイントシュート……さまざまな見せ場があったと思うが、リョータがドリブルで山王のガードを抜けていく瞬間がはっきりと見え、目の前で起きているように感じたときが胸熱だった。盛り上がりの波が来るところで流れる「第ゼロ感」も心を奮い立たせる。

試合と同じ速度で時間が進んだり、緊張感漂う時間がスローモーションに流れたり……本当に試合を観戦しに来ているように錯覚していた。

■ところで“みっちゃん”って誰?


リョータの物語がメインで進んでいくが、ほかの湘北メンバーにもフォーカスが当てられていく。主人公・花道の破天荒ぶりも描かれ、素人ながらもチームに欠かせない存在だとわかる。いけ好かない流川、ゴリラっぽいキャプテン赤木も序盤から出ているキャラクターのため、1巻しか読んでなくてもなんとなくわかるのだが。
ただひとり、みっちゃんって誰だろう……?
「炎の男 三っちゃん」と書かれた彼だけの応援幕、確実に決めるスリーポイント。試合中にも関わらず「俺は三井」と強いアピール力。しかもあのグレてたロン毛と同一人物……? ただならぬ存在感を感じつつも、彼の過去がそこまで読み取れず、気になりながら映画館をあとにした。
そのあと、ようやく「バスケがしたいです」で知られる人物だと結びついた。

衝動で見に行った結果、原作未読でも十分楽しめた。あの試合の空気感は、劇場の迫力だとなお感じるものだと思うので、ぜひ劇場で鑑賞してみることをおすすめする。
ただ、ちょっと物足りなく、各キャラクターの掘り下げた話や、山王戦まではどんな戦いがあったのか、どのように湘北チームが作られていったかなど、原作を読みたくなることも間違いない。今度は原作を読んだうえで、もう一度鑑賞してみたいと思った。

(C)I.T.PLANNING,INC.(C)2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners


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